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カラオケスナックの日々:レロンレロンシンタ

いつ潰れてもおかしくないような場末のカラオケスナックの、いつクビになってもおかしくないようなアルバイターの私の見聞録シリーズです。

今日は女性客二人。一人は夫をフィリピーナに寝取られて離婚しちゃった中高年。以前からダメな元夫の悪口を聞いていたから彼女がフィリピン女性にいい印象を持ってなかったことは知っていた。

そしてもう一人は日本人男性と結婚したけど夫に先立たれ血の繋がってない子供を3人も育て上げた水商売出身のフィリピーナ・Mさん。この方に会ったことがあるのは2度目くらいだったけど、まあよく喋ること。ママさんと古くからの知り合いみたいだし。

お二人とも酒癖があんまりよろしくなさそうなので喧嘩にならないか心配だった。

フィリピン女性のワンマントークショー(血縁の無い悪ガキ3人が警察沙汰になった時も守ってきて今では真人間になって還暦祝いに血縁無しの日本人息子たちが来てくれた動画まで御披露してくれた)が一区切りついたころ、ネトラレ女さんが口を開く。

「フィリピンの人に良い印象がなかった…だって旦那が(以下略)」
えっここで言う?! 国際紛争に発展したらどうするの?!

でもMさんがまさかの反応。
「フィリピン人として謝ります! そういう人も確かにいます。ゴメンネー!」。これは飲み屋会話として素晴らしい返し。ママさんのフォローもあって空気が変わった。以降女性客二人は盛り上がってたのでまあいっか。

でも帰り際にママさんからの助言。「Mさんはここらへんで酒癖悪いことで有名だから余分なこと言って怒らせるんじゃないよ」って。まあそれは感づいてた。

ちなみに私は特に国籍でどうこうとはあまり思わない。居酒屋バイトやらスナックバイトで学んだことは悪い奴は世界中どこにでもいるということ。しかも個人の事情がいろいろあるからよくわからない。日本人でも義理人情とかよくわかんない奴もいるしね。(それは私)

酒癖の悪い中高年は過去の自分に執着しがち。昔の功績にこだわってる人は自慢話したり他人にマウントとったり今の若い者はーって説教したり。反対に後悔が多い人はあの時あんなひどい目にあったとか怒りだしたり。どちらも話が長ーい。それを聞くのも仕事のうちなんだけど疲れる。

…と。これだけでは何なので。中高年呑み助向けの前向きなアドバイスをしとく。

自分の過去の話だけを延々するのは店の人にも飲み友達にもウザがられるよ。例外は同じような体験をしてきて共感を持ってくれる人に話す時だけ。

最近の話題にも興味持っとけ。話題じゃなくてもいい。今一所懸命やってることや興味あること(蕎麦打ちでも特撮でも)があると先輩としての高齢者の話を聞くのは楽しいから。でもあんまり一人語りが長くなるとつらいけど。

※twitterに投稿した文章にかなり加筆しました。

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