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いろいろな工夫

患者さんのAさんが、一人で将棋盤に駒を並べて見つめていました。

将棋盤を見つめながら、しかめっ面で「う~ん」と考え込んでいました。

1週間前に、Aさんはわたしに「将棋を教えてください」と言ってきました。Aさんは将棋をしたことがありませんでした。他の患者さんが楽しそうに将棋をしているのを見て、自分もやりたくなったそうです。

わたしは強くないですが、将棋のルールは知っていたので、駒の動かし方を紙に書いて教えました。

Aさんは紙を見ながら、他の患者さんと将棋をするようになりました。

それから一週間後の今日でしたが、Aさんはその紙と将棋盤を見ながら、一人で将棋を指していたのです。

駒を動かしては、盤を反対に向けて 駒を動かす を繰り返していました。

Aさん  対  Aさん  の戦いです。

わたしはAさんに理由を聞いてみました。Aさんは「うまくなるための練習です」と笑っていました。

自分自身が対戦相手なのだから、なかなか決着はつきそうにありませんが…

わたしの書いた紙を手元に置いて、Aさんが練習方法を工夫されているのを見て、わたしは嬉しく思いました。

今度はわたしと将棋をしてください。

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