離れる力と自分を守る強さ

あるものを見る人と
ないものを見る人。
自分にも原因があると考えられる人と
すべて他人のせいにする人。
自分を自分で幸せにしようと努力する人と
他人に自分を幸せにしてもらおうと考える人。

依存する人は後者であることが多い。
そしてそういう人は
依存できる人を見つけるのがとてもうまい。
見つけたら最後、
もっと愛してほしい。
もっと優しくしてほしい。
もっと慰めてほしい。
もっと話を聞いてほしい。
あなたがそうしてくれたら、
私は幸せになる、
助かると言い続ける。

私はたぶん見つけられてしまう方の人間だと思う。
私に一番最初に依存し始めたのは母だ。
父と離婚した後、私が母の保護者で友達でなんでもしてくれる人になった。
母の思い通りの「いい子」の枠に押し込められて、自分を一番大事にしろと見えない糸にぐるぐる巻きにされて、いつも息苦しかった。

元夫もそうだったのかもしれない。
自分の目の届かないところに行かないように、言葉で私の価値を貶めてでも、家庭に縛り付けようとしていたのかもしれない。
自分だけを見ていろと。

私は争うのが嫌いだ。
まあ好きな人はいないかもしれないけれど、言い合いになることすらできるだけ避けたいと思ってきた。
だから自分が気持ちを抑えられるのであれば、その方が楽だと思っていた。
そしてもう一つ、私は今辛い、悲しい、苦しいと思っている人の気持ちを受け取ってしまいやすいのだ。
痛みが伝わってしまう。
だから余計に傷つけてしまうのではないかと、突き放すことができない。

そういう私を依存する人は見つけ出す。

母とのことで、私は長く苦しんで自分を変えようと必死にもがいた。
本を読んだり、教えてもらったワークをやったり、自分が変われば母を受け入れられる、母に優しくしてあげられると思ったから。
自分は冷たい人間ではないと思えると思ったから。
でもそれは間違いだった。
受け入れて、優しくなれば、依存する人はその分つけあがるのだ。
広げた分だけを要求してくる。
だからもっと苦しくなって、また自分を変えようともがき続ける。

元夫は私の自己肯定感を完全に地の底に落としたので、そこから立ち直って、自分の価値を認められるようになるまでずいぶんかかった。
自信がなくなって、自分を愛せなくなってしまった人がもう一度立ち直って一歩を踏み出そうとするのは並大抵ではない。
子ども達がいなかったら、あのままだったかもしれないと思う。

「なんでそんな人と一緒になったの?」
色んな人から良く聞かれる。
私もそう思う。(笑)
でも答えは一つ。
「私が何か助けになれると思ったから。」
これが一番の間違いなのに、私は最近またこれで大きな失敗をした。

その人はあるSNSで私を見つけた。
そして突然電話をかけてきた。
SNSを使って仕事の集客もしているので、問い合わせのDMをもらうことも多いのだけれど、突然電話してくる人はそういない。
男性ならすぐブロックしたけれど、相手は女性。
だから出た。

思えば最初から危険信号はついていた。
こちらの状況を伺うこともなく、いきなり自分のことをしゃべりだす。
まるで以前からの友人のように。
あっけにとられたその数秒の間に、もうさえぎることが難しいくらい相手のペースになっていた。
そして彼女は言ったのだ。
「里香さん、私を助けてくれない?」

「どういうこと?」
つい聞いてしまった。

だって、それは。
私が長いことずっとずっとずっと心の中で叫び続けていた言葉だったから。
私が口に出せず、でも誰かに手を差し伸べてほしいと切望してきたことだったから。
それを真正面からぶつけられて、かわすことができなかった。
あの時の私の気持ちはそういうことだったんだと思う。

この後、電話で、ラインで、何十回と
「助けて。」
を聞くことになる。

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Belle Posent(ベル・ポーズ)
ウォーキングレッスン・インストラクター育成・研修・講演・セミナー
代表 水野里香
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