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【読書おすすめ】ウクライナとともに(坂本龍太朗)

坂本さんは在ポーランド14年。2022年2月に隣国ウクライナでロシアによる侵攻がはじまると、直ちに支援活動を始めました。
慌ただしく第一陣を受け入れ、すぐに収束すると思われていた予測に反して、難民の気分がどんどん大きくなっていく様子にリアリティがあります。ご主人や父親を残して、女性や子供たちが押し寄せてきます。
1年間の支援の記録です。

心に残ったことを2つ書きます
一つ目は、ウクライナ侵攻は日本にとって、決して対岸の火事ではないこと。
ウクライナのこと、「日本じゃなくて良かった」とどこかで思ってました。だからこの指摘にはドキッとしました。
外国(外側)から見れば、日本の平和なんてハリボテみたいなもので、そう信じたいという「願望的平和」に過ぎない。
坂本さんに対して「Are you OK?」と訊いてくる仲間たち。Youはもちろん、日本人だ。
中国や北朝鮮、ロシアと囲まれながら、核の脅威を、見てみないふりをしているだけだ。ただの妄信だ。
領海侵犯されても、北方領土返してもらえなくても、拉致被害者が帰ってこなくても、もの言わぬ私たち。この先戦争の匂いを感じるのは、気のせいであって欲しいなと楽観視しているだけだ。

2つめは、ウクライナ支援にしろ、自国のことにしろ、どう行動を起こすかについて。
彼は終章に近いところで、こう語っている。

 ウォージャは良く言っていた。それぞれの立場で、そこでしかできない平和への戦い方があると。戦死した彼に代わり、私から伝えたい。あなたの立場で、あなたにしかできない戦い方があるはずだということを。…富士山にいくつかの山道があるように、あなたはあなたの道で登ればいい。ウォージャにとっては前線で命を張って戦うという最も険しい道、他のものにとっては物資を運ぶこと、子供たちにとっては平和に向けた絵を描くというやり方。私は言語や活字、そして日本やポーランドとのつながりを駆使して山道を登り続けたい。

ウクライナについては「プロパガンダを拡散せず、情報をしっかりと選別するのも大事な支援」と、坂本さんは語っています。私はまずは、彼のFBをフォローしました。毎日のように更新されてました。現地の一次情報にふれるところからスタートします。
日本の平和については、どんな風に山道を登れるかな。
まずは政治を諦めないこと。
日本についてもウクライナと同様に、情報を選別してフェイクに踊らされず、自分なりに声を上げることを恐れないこと。そこからスタートします。


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