見出し画像

従姉妹が勝ち組なら自分は負け組 第7話

入院生活を行って 丁度1週間

🚪ガラガラ

奈 : 調子はどうよ?

○ : まぁ、とりあえずやっとこの不自由な生活に
       慣れてきたって感じ

奈 : そっか、落ち着いてきたんだね

○ : それに…俺には新たな目標が出来たからね

奈 : アジアカップ決勝…

奈 : そのためにもまずはやるべき事をやらないとね

〇 : うん…けど..今は何もできないから…

奈 : そう言うと思って…

奈々未はカバンからiPadとそれを立てるスタンドを取りだした

〇 : 今から何するの?

奈 : 齋藤飛鳥の卒コンを見ようかなと…

〇 : え…なんで見るの?

奈々未は〇〇の質問を聞き流しながら
準備を進めていく

奈 : んー…何でって〇〇暇でしょ?

〇 : ….暇です…

奈 : じゃあ飛鳥ちゃんの有志をこの目で収めよう!

そう言って卒コンをしっかりと
最後まで見させられた


奈 : どうだったグスグス😢

〇 : どうだったって…凄いカッコよかったよ

カッコよかったけど…これと言って何もないけど…

奈 : 飛鳥ってさ…最初は生まれたの子鹿みたいで
       少しでも不安な事があったらすぐ泣いててさ笑


奈 :  私が保護者みたいにずっと見てたのよ

〇 : 乃木どこで見たことあるよ
       よく泣いてたよね…

奈 : そうそう笑
       あの時は機嫌とる事も大変だったよ…
       (まぁ..今もだけど…)

〇 : それはご苦労なこった〜

奈 : 〇〇もさ…プロの世界に入って
       辛い事もいっぱいあったし…

奈 : 沢山苦労を経験してきたでしょ?

〇 : もちろん…挫折なんかいっぱいしたし….

奈 : 私もだよ

奈々未の目つきが真剣になる

奈 : もちろんだけど…私だけじゃなくて…
       飛鳥もね

奈 : 飛鳥なんかアンダーから選抜のセンターまで
       経験してるからね

奈 : アンダーの時の握手会は、なかなか人が
       来ない時もあったし…

奈 : 辛い時の苦悩は
       私より経験してると思う

奈 : ほんと飛鳥はすごいよ

その通りだ…
俺もある程度はは乃木坂のファンだったから

彼女達がどれだけ苦労してきたかわかる

当時、全盛期を迎えていたAKBのライバルグループとして誕生した乃木坂46

最初は非難殺到も沢山あっただろうし 
苦労を沢山積んできた

だから、今や国民的アイドルグループとなり
後輩にもその意志が継がれている

奈 : まぁ何が言いたいかと言いますと…
       飛鳥みたいな、ヒョロヒョロした子でも

奈 : 立派に育って…乃木坂のエースになって

奈 : 東京ドームで卒業コンサートしたんだよ?

○ : あぁ…ホントすごいよな

奈 : だから…今は大きな怪我を負ってるけど
       必ずまた復帰して 出場できるってこと!!

奈 : だから…ホントに自分だけで
        何でも背負ったらダメだよ?

○ : わかってるよ

奈 : あんたには私やチームメイトの皆んな
       それを応援してくれるサポーターもいる

奈 : それに…あんたの事が好きな飛鳥もいるからね

え…
     
○ : 今なんて言った?

奈 : 飛鳥もいるからね

○ : その前…

奈 : あんたの事が好きな…

○ : 冗談だよね?

奈 : んー半分ほんとで半分 嘘ニコッ

いつもの人を嘲笑うかのような表情に戻った

○ : (嘘か本当かわからん…)

奈 : でもさー1つ言えることは
       嫌いだったらお見舞いとか来ないと思うよ

〇 : 確かに…

奈 : まぁ..次会った時聞いてみたら?
   
○ : なんて聞くの?

奈 : 飛鳥さんは僕の事どう思ってますか?って笑

○ : 聞けるわけないだろ…

奈 : そう?本来はお見合いって形で
       飛鳥と会ったんだから…

奈 : 別に聞くことは変じゃないと思うけど…

すると…

🚪コンコン

奈々未と話していると

飛 : こんにちは〜

○ : あ…

白いワンピースを身にまとい右手には
コンヒニの袋を持っていた

奈 : 噂をすればニコッ


飛 : 噂?どうゆうこと?

まん丸とした目から鋭くギロっと〇〇の方を睨んだ

〇 : いや…別に大した話しはしてないです

飛鳥の疑問は解決されないまま奈々未は
足早に部屋を去った

奈 : じゃあ私はこれで失礼しまーす

飛,〇 : え!?

奈 : 後は2人でごゆっくり〜ニヤリッ

〇 : (絶対わざとだろ…)

ドアがゆっくりと閉まり 静寂が訪れる

〇,飛 : あの…あ…

〇 : どうぞ…

飛 : え..いや…大した話じゃないんですけど…

飛 : その前に…これどうぞ

ビニール袋からプリンを2つ取り出した

〇 : ありがとうございます

飛 : 奈々未が帰って良かったかも…

〇 : え..どうして?

飛 : 2つしか買ってきてなかったから…

飛 : 絶対奈々未とプリンを巡って争ってた笑

〇 : 奈々未は甘い物好きですからね

飛 : 次からお見舞いに行く時は3人分にするね

〇 : その方が平和ですね笑

飛 : うん笑
        
飛 : あ..忘れてた
 
〇 : ?

飛 : さっき奈々未と私の事話してたでしょ?

〇 : …
     
飛 : どうせ悪口かなんかでしょ?

〇 : 悪口なんか言うわけないじゃないですか!?

飛 : 〇〇君は言わなくても奈々未がいるから
       必然的に怪しくなるの

まぁ..そう言われたら奈々未の性格上…
否めないな…

〇 : 悪口じゃなくてですね…

○ : その…俺達が出会ったのって元々 お見合いが
       きっかけですよね

飛 : そういえばそうだったね

まぁ何となくそうゆう反応な予感はした

○ : だから..どう思ってるのかなって…

飛 : 〇〇君はどう思ってて欲しいの?


何ですかその魔性な感じは…

〇 : 質問返しですか!?

飛 : 良いから…〇〇君の返答次第って感じ♪

〇 : 俺は..良くも悪くも齋藤さんは
       誰に対しても本音で話してる気がします

〇 : だから…それが俺にとって傷つく時もあるし
       嬉しい時もあるし…

〇 : 時にはこうやって…
      ちゃんとお見舞いにも来てくれる

〇 : だから…齋藤さんも1人の女性なんだなって…

飛 : それ褒めてるの?

〇 : これが俺の精一杯です

飛 : 不器用なんだね

〇 : それはお互い様な気がしますけどね

飛 : クスクス

〇 : フフッ

○ : 俺はちゃんと答えたので、齋藤さんも
       教えてください

飛 : なんか齋藤さんって呼ばれるの嫌だ

○ : じゃあなんて呼んだらいいですか?

飛 : 私は〇〇君って下の名前で呼んでるから
       私にも下の名前で呼んで欲しいな

急に言われてもな…

飛 : じゃないと〇〇君の印象は教えませーん

なんか奈々未と話してるみたい…

〇 : …あ..飛鳥さんも教えてください

飛 : 私は最初に〇〇君を見た印象は
       穏やかなオーラを纏ってるなって…

飛 : 初対面にも関わらず
       無愛想な私に気を遣ってくれた

飛 : けど..試合になると一変してすっごい輝いてた!
       
飛 : 世界を相手にして戦ってるのに
       誰よりも圧倒してプレーしてた

飛 : バスケをしてる〇〇君かっこよかったよ

〇 : え!?
       
飛 : “バスケをしてる”〇〇君はね

〇 : あ…ね
       (その言い方だと普段はカッコよくないのね…)

飛 : でも…
       嫌いだったらお見舞いなんか来ないけどね〜

奈々未の言ってた通りだな

お互いの印象について話しているうちに
プリンを食べ終えた飛鳥は帰る支度をした

飛 : じゃあまた来ます

〇 : プリン美味しかったです!
       ありがとうございます

飛 : どういたしまして
     
飛 :  早く治してまた輝いてる〇〇君見せてね

○ : はい!頑張ります!!

飛 : またねニコッ
       

🚪ガラガラ


飛 : (付き合った事がないから
        あんまりわからないけど…)

カップルって無意識にお互いの事を考え
笑いあいながら毎日を過ごしていくのかな

○○君と話してると何だか胸の内がゾワゾワする

                                                     To be continued 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?