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レディーファースト 第28話

○ : 出ていけ…

桜 : ○○…

和 : ○○君..私達が守るから…

美 : 一旦落ち着いて…

怒りが収まらない○○は…

○ : うるさいんだよ!!

!?

○ : 守る守るって…

○ : “俺”を守ってどうするんだよ…

和 : それは…○○君がカッコいいから…

○ : カッコいいから…結局は顔だけなんだね

和 : 顔だけじゃない!!
       私は○○君の人間性に…

○ : 出会って数ヶ月しか経ってないのに
       “俺”の人間性がわかるわけないだろ…

○ : それに…顔が良かったら誰でもいいんだろ?

和 : 違う!!それだけは絶対に!!

○ : じゃあ何で最初の頃…(和)君は俺を
       屋上に連れ出したんだよ

和 : それは…

○ : なんで出会って数分で素顔や素性もわからない
       俺に告白したんだよ

○ : 外見で判断したんだろ…

○ : おじいちゃんが言ってた…

人の第1印象はその人の容姿から入る

俺は顔が良いから小学校から髪を伸ばし
素顔が見えないようにしていた

そして女性から好かれないように…

自分でもわかってたんだ
幼い頃から女性にモテてたこと

けど、好きでもない人と勝手に付き合っても
続くはずがない…

自分の素顔や気持ちを隠し真面目に生きてきた

それなのに…根暗な見た目だと女性だけでなく
男性からも好かれなくなった…

○ : 君達は?

○ : 誰からも好かれずに孤独になったこと
       なんてないだろ…

和、桜、美空は互いに目を合わせる

○ : 顔も良い…お金もある…
       そして身分も高い…

○ : 君達みたいな上流階級は俺みたいな苦労
       を味わった事ないだろ..

○ : そんなことありえないよな…

身分が低いのにも関わらず
4人を嘲笑うかのように○○は話し続ける

皆から神のように崇められて
男性からは好かれ、女性からは反対されることもなく、自分の想いのままに過ごせた…

それに比べて自分は
周りに自分の素顔がバレたら女性からは好かれ
男性からは非難や嫉妬の目を浴びる

世間の目に怯えながら生きてきた..けど..
周りに助けてくれる人がいなくて…

ずっと一人ぼっちで生活してきた俺の気持ちが…
それと正反対に生きてきた君達にわかるのか?

○ : 本当に苦しかったんだよ..
       辛い時..誰にも相談する相手がいなかった


今まで沢山溜め込んできたストレスを
全て吐き出すように和達にぶつけた

こんなことしたら普通なら処罰対象になることくらい自分でもわかっていた

身分の高い人に非難や罵倒を浴びせることは
重罪だ

それでも
人生を投げやりにした人間の怒りや憎しみは収まらなかった

3人は何も言い返すことは出来ず、ずっと俯いていた

ただ1人を覗いて…

○ : もう分かったならさっさとこっから…


すると遥香が物凄い剣幕で○○の元へ…
○○の前まで行くと…

バチン!と重たい音が部屋中を響かせる

和,美,桜 : !?

遥 : 和ちゃんは
       好きでもない人をクラスの
       いじめから守ると思う?

和は涙を流しながら○○に信じてほしいと目線で
訴えていた

○ : …

遥 : 和ちゃんだけじゃない…
    ここにいない..咲月ちゃんや..彩ちゃん..奈央ちゃん

遥 : さくらやあやめ..沙耶香や桃子先輩も
       みんな今日まで○○君を守ってきたんだよ!

遥 : ○○君には直接見えなかったかもしれないけど
       陰で守ってきたの!!

○ : …

遥 : 何か言ってよ!!

○○は下唇を噛み黙ることしかできなかった

遥 : それに..私だって出来れば
       遠藤君を家族として過ごしたかった!!

遥 : 私達 3姉妹は”○○“の事が大好きだから!!

遥 : 私達は○○を裏切ったわけじゃない…

遥 : けど..あの時は離れるしかなかったの…

○ : じゃあ..どうして離れる理由が…

遥 : それは..遠藤家に来たらわかるよ…

何でわざわざ遠藤家に…

○ : ここで言えない理由でもあるんですか?

遥 : うん…

遥 : 向こうに行けばすべてがわかる

遥 : けど..さらにショックを受けることに
       なると思う…

遥 : けど…来て欲しい

○ : (もう..誰を信用すればいいんだ…)

○○は1人悩み葛藤していると…
桜が少し憤りを混じえて話し出した

桜 : 確かに私達は○○のように
       1人でいることは少なかったし

桜 : 小さい頃から欲しいものだったり
       やりたい事、思った事は全て理想通りだった
       から苦労も少なかったかもしれない…

桜 : ○○とあったのも幼稚園ぶりだから…

桜 : 出会ってあまり経ってないなから
       ○○の人間性をハッキリとわかってないと思う

桜 : けどさ..そんな身分も低く、あまり○○の事も
       分からない高貴な私達が何でここまでして
       守ってるかわかる?

桜 : ただ好き好き言って○○の事を守ってる
       わけじゃない!!

桜 : かっきーや私だって○○がどれだけ
       辛い想いをしてたかわかるよ

桜 : それを助けたくても助けられなかった
       私も辛かった…

桜 : かっきーも私も今まで
       ○○の事を忘れた事はないよ

桜 : 私達は○○を1人の男として…
       友達として..親族として..家族として…

“みんな○○の事を本気で助けてあげたいの!!”

桜 : どうでもいい男なんか道端に捨てるわよ!!

○ : 桜…

遥 : お願い..私達を信じて…

遥香達の説得に○○は再び心を許した    
       

“ここを乗り越えたら…きっとまた暮らせる”

○○達は遠藤家に向かい
あやめ達と待ち合わせしていた

———————

遠藤家の前まで行くと
さくら、あやめ、彩、咲月、白石先生  
が待っていた 

心配そうにあやめ達は〇〇を見つめていた

あ : “○〇”…全部かっきーの電話で聞いてた…

!?

遥 : ごめんね…〇〇の今の現状を皆んなで
       共有したかったから…

〇 : その…罵倒してすいませんでした…

○ : あやめ先輩…

あ : お姉ちゃんって呼んで…

○ : え?

あ : 私達は紛れもない血の繋がった家族なんだよ?

○ : でも..

あ : もう1人で抱え込まないで!

あ : これ以上溜め込む必要はないんだよ?

あやめは○○の気持ちに同情しているかのように
涙がポロポロとこぼれ落ちた


○ : あ..えっと…

○○は躊躇していると…

さ : ○○君..あやめを抱きしめてくれないかな?

○ : え?

遥 : 私達の中で一番○○の事を心配してたのは
       あやめだから…お願い…

2人の懇願に
○○はあやめに寄り添い辿々しくハグをした

○ : 大丈夫ですか…

あ : もうどこにも行かないで…

○ : あやめさん…

あ : 今までずっと辛い想いさせてごめんね…
       
〇 : いや..あやめさんは悪くないd…

あ : 私達が悪いの!!

あ : 遥香が言った通り
       私達のせいで○○は離れないといけなかったの..

あ : だから..だから..今まで辛かった分
       私達が罪を償うから…

○○はあやめの言ってる事が理解できなかった

悪いのは罵倒した自分なはず…

しかし、あやめが必死に謝ってるのに対し
返せる言葉は何もなく

○○はただ寄り添う事しかできなかった

遥香とさくらも○○達を覆うように
ギュッとハグをした

3人の温もりが徐々に○○の感情を
麻痺させていった

○ : (あぁ..何か懐かしい気がする…)

遥 : やっと..兄弟揃ったねニコッ


さ : ほんと..やっとだよ…


泣きながら4人は微笑みあっていた

○ : ありがとう…”お姉ちゃん”

遥 : ヘヘッ お姉ちゃんだって

さ : お姉ちゃんか…響きがいいねニコッ

あ : エヘヘ ○○…

遥 : あやめに関してはもう…

緊張がほぐれ、あやめはすっかり○○に
お姉ちゃんとして母性本能が出ていた

4人の様子を少し離れた場所で見ていた和達は

和 : みんな泣きすぎ…

咲 : 逆に泣かない方法教えてよ…

彩 : 兄弟として感動の再開!
       アヤは感激しました😭

桜 : 1番泣いてるのは和ちゃんだけどね…

和 : 当たり前じゃん…

美 : 誰かハンカチ貸して…

ないよ!

和達は泣きながらも微笑みあっていた

麻 : (とりあえず第1段階は無事終了かしら…)

ホッと一息していると深川先生から電話がかかってきた

白📱 : 見つかったかしら?

深📱 : うん..もうすぐそっちに着くと思う

白📱 : ありがとう
            ちなみにだけど…どこにいたの?

深📱: 奈央ちゃん達が言ってた
           “例の”公園にいたよ

白📱: 了解…じゃあ待ってるね


                                                        To be continued 




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