「常温」って?

みなさま、ごきげんよう。
理科好きりかママです。

先日の読売新聞の「常温飲料」特集ページを読んでいて、
「常温の定義が化学とはちょっとちがう?!」と思ったので調べてみました。

まず、私は、読売新聞の特集ページの中で、取材した記者の方が、コンビニエンスストアで常温飲料を買うと少しぬるく感じるのに対し、
自販機で買った常温飲料はひんやり感じた
と書かれているところに注目しました。

読み進めていると、コンビニエンスストアで売られている常温飲料は、「常温=室温」に置かれた飲料で、自販機の常温飲料は20度に設定されているそうです(ちなみに、自販機の冷たい飲料は5度、温かい飲料は50度設定だそうです)。
そして、厚生労働省が医薬品の規格基準で定めた日本薬局方では、常温の定義は「15~25度」となっているそうです。

なるほど。。。


コンビニエンスストアの常温飲料も、自販機の常温飲料も、日本薬局方が定めた常温の範囲に入っていますね。


日本薬局方が定めた常温に10度の幅があるので、同じ常温飲料でも、コンビニエンスストアで買ったものはぬるく感じるが、冷房がきいた部屋で体を冷やしたくないときに適し、自販機の常温飲料は冷たすぎないが「冷たい」と感じる温度なので、運動時などに適する・・・と、常温飲料でも2通りの使い方が示されていました。

そこで、気になるのが、高校化学で頻繁に登場する「常温・常圧」は何か
です。

確かに、教科書編集をしていると、化学が専門でない担当者から、

「常温って何度?」

とよく質問されます。


計算で温度の値が必要になるときは、「常温」ではなく「27度」等と具体的な数値が出てくるので、ざっくり「常温って25度でいいのでは」と答えていたのですが。
25度って、日本薬局方が定めた常温だと最高温度、ぎりぎりですね。


化学に限らず、実験では温度は重要な要素となります。
日本は四季があり、年々、季節による温度差は大きくなり、実験によってはエアコンがきいた場所でできないこともあるので、「常温・常圧」ではなく、しっかり「〇度」と示すようにしていったほうがいいかもしれないですね。

新聞記事やニュースを見ていて気になったことも綴っていきたいと思います。

今日もお読みくださりありがとうございます。

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