50代日々思うこと

今日は55歳最後の日。

息子達が自立したこの2年ほど、余裕が出来たのか昔のことを思い出す事が増えた。

読み物がわりに見ているTwitterで小さなお子さんを持つお母さんたちの投稿をよく見るようになったからかもしれない。

正直、あの頃大変だったことはかなり忘れてしまってるけど、はっきりと記憶に残ってる事がふたつある。

ひとつは、息子達が3歳と0歳の頃、道ですれ違った女性達の言葉。

次男は夜泣きがひどく私はいつも寝不足でフラフラなのに、長男の幼稚園が近いという理由で降園後数人の友達が毎日のようにうちに押し寄せ大騒ぎで疲れ切っていた。

その日も疲れた顔で片手で長男の手を繋ぎもう一方でベビーカーを押しながらフラフラと歩いていた。
すると、40〜50代の女性3人が私たちとすれ違った直後に、こちらを振り返りながら「黄金期ねぇ」「羨ましいわぁ」と互いに微笑みあった。

‥‥えっ????

耳を疑った。

私の極度の睡眠不足と疲労を考え及ばない発言に一瞬イラッとしたのは確かだけれど、それよりも、辛さばかりつのっていたあの頃の生活を黄金期という真逆の言葉で評する人がいることに、自分の価値観がひっくり返されたような気持ちになって、しばし呆然とした。

それ以降、育児疲れで泣きそうな時は「黄金期黄金期」と言い聞かせるようになった。

それで何か解決したわけじゃないけど、自分で思ってるより悪くないかもと思えるようにはなったかな。

忘れられないふたつめの言葉は、やはり通りすがりの60〜70代くらいの女性に言われたもの。

子供たちが4歳と1歳ごろ、長男のスイミング帰りに駅前を歩いてた時だった。
不機嫌でグズグズ泣く次男の乗ったベビーカーを押しつつ、私はイライラしていた。
長男はスイミングで疲れたのかやはり不機嫌で無理なワガママを言ってきたものだから「お兄ちゃんまでいい加減にして!」とキツい口調の言葉を向けた。

その時、通りすがりの、うちの母より10歳くらい年上の女性が駆け寄ってきて、親戚のおばちゃんのような口調で「ぼく何歳?」と長男に笑顔で声かけをした。
長男は不機嫌な顔ながらも指を4つ立てて「‥4さい」と答えた。
すると、女性は今度は私に向き合って、やっぱり親戚のおばちゃんのような親しげな口調で「お母さん、まだ4歳なのよ。たった4歳なのよー!」と言った。

「まだ」4歳‥。

その時まで私は次男と比べて長男は「もう」4歳と思っていた, 。

その時も、じぶんがこうだと思い込んでた事を真逆の見方をする人がいる事にものすごく驚きつつも、私の中に「まだ4歳」がストンと落ちた。

多分実の母や姑に言われたら反発したかもしれないけれど、他人からだからこそ納得できたんだと思う。

このふたつは小さな事だけど、自分の狭い価値観を覆された大きな出来事としてずっと残っている。

たまたまその時の私に響いた出来事なので特に人に話した事もこれから話すほどの事でもないけど、自分の中ではずっと忘れられない事であり続けるんだろうな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?