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消滅も近い!南東北イトーヨーカドー特集

私の誕生日でもある2024年2月9日、イトーヨーカドーの親会社、セブン&アイホールディングスより北海道、東北、信越地方の17店舗を順次閉鎖することが発表されました。1月末に既に閉店している宮城県のアリオ仙台泉店も合わせて、これらの地域から完全消滅となります。私は仙台に住んでいるため、泉店の閉鎖は大きな衝撃を受けました。
長く親しまれた青いハトマークが見られなくなってしまう日も近いはずなので、今回は私が実際に足を運んだ東北各店の様子を写真付きでご紹介します。行動できる範囲の都合により宮城、福島両県のみでありますが、最後まで読んでいただければ幸いです。


郡山店

福島県郡山市西ノ内2丁目11-40
1989年6月29日開業、2024年5月26日閉店

郡山市の複合施設「西部プラザ」の核テナントとして入居しています。1フロアがとても広く、4階建てと縦方向にも大きいため、スペースを持て余している印象を受けました。うねめ通り側正面から入店すると、食品売り場は少し遠いです。

建物正面にはルーブル美術館を彷彿とさせる三角ガラス塔があります。中は広い吹き抜けになっていて、1階から4階まで見渡せる構造になっています。

郡山店の屋上広告塔にはハトのマークが付いています。セブン&アイは傘下に福島県郡山市に本社を置くヨークベニマルを抱えていますが、イトーヨーカドーとヨークベニマルのロゴマークは色違いです。

立体駐車場側の案内掲示です。古くから存在する店舗ではこのようなアナログ式がよく見られます。また立体駐車場は数百台を収容できる多層階で、スペースも広く止めやすかったです。駅から離れている立地から、これだけ勝手の良い駐車場が無料であるという点も嬉しいですね。


福島店

福島県福島市太田町13-4
1985年1月開業、2024年5月6日閉店

JR福島駅西口すぐのところにある、駅前立地型の店舗です。郡山店や仙台泉店に比べるとこぢんまりした印象を受けますが、中は立派なイトーヨーカドー。3階にはレストランのサイゼリヤもありました。

店舗入口はガラスとステンレスが多用された明るい雰囲気となっています。ドア幅が広く取られていて段差も少なく、高齢のお客さんでも安心です。

エスカレーターホールは広い吹き抜けになっています。3階に上がるとサイゼリヤもありましたが、イトーヨーカドーの閉店に先駆け、3月25日をもって閉店してしまいました。

県道に面した平面駐車場側に来ました。福島店は屋上広告塔がセブン&アイマークであり、おなじみのハトのマークは使われていないと思いましたが、こちら側の壁面にはしっかりありました。

北側遊歩道側出入口。心なしか仙台駅前のイービーンズの側道を思い出すのですが、わかる方はいるのでしょうか…

仙台泉店→アリオ仙台泉店

宮城県仙台市泉区泉中央1丁目5-1
1992年7月1日開業、2024年1月31日閉店

今回取り上げる店舗の中では唯一、今時点で既に閉店している店舗となります。仙台泉店は、地下鉄南北線の泉中央駅延伸とほぼ同時期に開業しました。同駅とは半地下の通路で直結しており、鉄道、バスの結節点となっている泉中央のショッピングモールとして大きな役割を果たしてきました。人口約110万人を抱える仙台市に立地していることもあり、他の地方店舗より比較的業績は良かったようです。2013年に大規模リニューアルを施し、「アリオ仙台泉」として生まれ変わることとなります。

アリオ仙台泉の大きな特徴である、1階から5階まで開放感たっぷりの吹き抜けです。筆者はイトーヨーカドー時代の記憶がほとんど無いのですが、アリオ転換前からこの吹き抜けはあったのでしょうか。

地下1階から駅方面に通じる広場「おへそ広場」からの景色です。駅、バスターミナルのほか、近隣のセルバ、セルバテラスといった商業施設とも繋がっています。

将監トンネル方面から見たアリオ立体駐車場です。泉店に限らず、イトーヨーカドーの店舗はループ型のスロープ構造が多い印象です。駐車場は場所の余裕がなかったのか、スペースも構内も非常に狭く、駐車するのが怖かったです。同じ料金体系ならセルバテラスなどに停めた方がいいかも。

アリオ4階とセルバ5階を結ぶ連絡通路からの景色です。この連絡通路は2014年にできたばかりですが、たった10年で使われなくなってしまうのは残念ですね。

閉店が決まってからも何度か足を運ぶ機会があり、行くごとに店内が寂しくなっていく様子が感じられました。今回の閉店は決して仙台泉店の業績が悪いわけではなく、イトーヨーカドー全体での話です。本社の業績が好転した暁には、再び仙台の地に戻ってきて欲しいものです。

閉店した後のアリオ仙台泉です。屋上広告塔はすっかり白塗りになってしまい、お客さんで賑わっていたアリオの面影はほとんどありません。ずっと隣合っていたセルバもどこか寂しい雰囲気が漂っています。アリオなき今、セルバだけでもずっとこの地で営業を続けてくれることを願います。


石巻あけぼの店

宮城県石巻市あけぼの1丁目1-2
1996年6月開業、2025年3月閉店予定

現時点で宮城県内唯一となったイトーヨーカドーの店舗です。この店舗はイトーヨーカドーと、子会社で地元資本の株式会社サンエーとの共同運営となっています。イトーヨーカドーの看板を掲げることで同社の商品仕入れルートを活用し、かつ店舗運営は地元スーパーで行うことで地域住民の支持を得やすい双方のメリットがあるようです。閉店が決まった際のニュース映像を拝見しましたが、現在でも客の入りが良く賑わっているという声が聞かれました。

衣料品、日用品を扱う2階フロアです。親会社セブン&アイのプライベートブランドである「セブンプレミアム」をはじめとした商品の数々を取り扱っています。セブンプレミアムの商品はデザインが洗練されていて高品質なため、私は気に入っているのですが、隣には大手100円ショップのキャンドゥも入居しています。価格では到底太刀打ちできないと思うのですが大丈夫なのかな…

ファストフードのお店でイトーヨーカドーの名物でもある「ポッポ」も入っています。安価で美味しい食事が楽しめるのでおすすめです。名物は今川焼きだそうですが、私のおすすめはフライドポテト。

店舗裏側にひっそりとハトマーク発見です。こうして見ると建物は本当に小さめ。かつて存在した山形市のヨークベニマル大野目店を思い起こさせます。

屋上駐車場の看板もあと1年で見納めです。

まとめ

イトーヨーカドーと言えばかつては日本のスーパーの中でもトップの企業規模を誇り、日本の小売業を牽引してきた存在です。かつて流通業界の王様だったダイエーも、その栄華は過去のものと成り果ててしまった過去もあり、栄枯盛衰は免れない運命なのかも知れません。とはいえここ数年は苦しい状況が続いているものの、強固な顧客基盤や流通網は業界でも随一の存在です。いつの日かまたイトーヨーカドーが盛り返してくれることを信じて、今回はここで終わりとします。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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