日本の英語教育、どこへ行く⁈(前編)

今年の7月31日に発表された、文科省の国立教育政策研究所が問題を作成して行われた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が非常に興味深い!まぁ4年ぶりの実施となった中学3年生の「英語4技能」の平均正答率をみてくださいよ!以下の通りです。ちなみにカッコ内は4年前の結果です。

・聞く58.9%(68.3%)

・読む51.7%(56.2%)

・書く24.1%(46.4%)

・話す12.4%(30.8%)

えー?ってなりません?
ということでちょっとこれについての通訳者/翻訳者/英語コーチ/元イギリス在住者の視点からの雑感を綴ってみたくなりました。


1 英語教育低年齢化

そもそもなぜ学校での英語教育開始年齢を小学3年生に下げ、小学5、6年生では教科化して成績をつけることにしたのか… そもそも、(はいここ強調しますよ!)『そ・も・そ・も』英語をまともに教えられる教員が十分に確保できていないという状況で。
どうせこんな風に考えたんでしょう?
       【ちびっ子に英語の挨拶や日常会話
           を教えるくらい、大卒の教員なら
         資料や手引きを渡せばできるだろう】

はい残念でした! 文科省の思惑は見事に外れましたね。 どんなに教員向けの支援資料や動画を作成しても、カリキュラムに大きな『欠け』を作った以上うまくいきっこないんです。

2 「書く」ことと「反復学習」軽視の傾向

20年以上前に外国語指導助手(当時はEAT、現在ALT)という外国人をアシスタント的に日本人の英語担当教師につけ『英会話重視』の授業が組み立てられるようになったことで、生徒の英単語や英熟語、しいては英文法知識がダダ下がり。私が指導してきた中高生(英語が得意、不得意に関わらず)に共通していることです。
私が中学生だった大昔は授業は単語・熟語の小テストから始まっていたので、当然家では単語練習が当たり前でしたが、今はそれも無し ー 私が現在住んでいる町の中学校にいたっては、教科書完全準拠ノートを強制的に使わせて単語の意味をカッコ内に1回だけ書かせ、説明や重要事項を書き込むスペースにはプリントを貼らせているので、自ら手書きするスペースがほぼ皆無状態です。繰り返し練習し書くことを省いてその分を会話もどきに割いてきたツケが今回ってきている感じがします。どんな『ツケ』かは後編で。チラッと見出しだけご紹介しておきます。乞うご期待!

3 会話(ロールプレイングやゲーム)中心の授業の末路 (ここから先は後編で)

4 穴埋め問題とマークシートの功罪

5 本当に効果にある英語学習のかたち

長くなってしまったので、後編に持ち越しですが、英語は大事と言っておきながら、英語アレルギーの原因を次々と創り出すお国の教育システム、どうにかならないものでしょうかね。

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