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春は待つことを知らなくて

「봄은 기다림을 몰라서 春は待つことを知らなくて」

BTSのLife Goes Onの中で、私が一番好きなフレーズだ。

新型コロナウイルス、あるいはCovid-19。時々Covid-19という名前を目にすると、最近ではなんで19なんだったっけ、と思い返し、彼のウイルスが発生してからの年月の経過にうわあ、と思ったりする。
気づけばもう2022年の4月。待つことを知らない春がくるのも3度目だ。

思い返せば、新型コロナウイルスが流行し始めた2020年の始め、日本には「春は必ず来る」といった言葉があふれていた。私は当時(いまもだけど)ジャニーズのファンで、4月に予定された推しグループのコンサートを心待ちにしており、なんとなく「コンサートは春だし行けるでしょう」と思っていた。いまとは別の意味で「コロナは風邪」的な意見が世間にも多かったように思う。

けれど、皆さんご存じの通り、時間は、季節は、ウイルスは容赦なく、4月のコンサートは中止になったし、劇的に状況は改善されないまま、春は来て、また春が来て、またまた春が来た。

2度目の春が来るすこし前、私はBTSに出会った。鬱屈とした毎日に光を射してくれたDynamiteにたくさん励まされていたころに、知ったのがLife Goes Onだ。
タイトルのフレーズをはじめとして、少し達観したような歌詞に逆に癒されたというか、以前は希望のつまった季節だったはずの春に哀しみを覚えるようになったとしても、人生は続くし、生きていかないといけないと、ある種の覚悟をもらった気がする。

2度目の春、BTSは初めてグラミー賞にノミネートされた。私も固唾をのんで見守ったし、受賞はできなかったし、悲しいこともあったけど、勝手に良い経験ができたように感じられた。そんな春だった。

その後、少し状況が改善されてきたように思えた、2021年夏にはPermission to danceにたくさんたくさん元気をもらった。欧米との状況・ポリシーの違いにちょっとびっくりしつつも、どんな状況でも楽しんでいいんだなあ、と久々に世界が明るく見えた時期だった。
BTSも有観客コンが実施できて、もちろん私はいけなかったけれど、世界が着実に前に進んでいるんじゃないか、なんて思っていた。
でも、変異株の発生やらで、世界はずーっと3歩進んで2歩下がる状態。ウイルス以外にも信じられないこともたくさん起こって、何がなんだかなあ、と思っていたところにやってきたのが、3度目の、今年の春だ。

コロナ影響で延期されていたグラミー賞、今年もBTSはノミネートされていたが、やっぱり受賞はできなかった。
それだけでなく、去年起こった悲しいことも、また繰り返された。リピートボタンを押したみたいに、去年とおんなじ流れだった。

さすがに世界、変わらなすぎなんじゃないの、進まなすぎなんじゃないの、とちょっと絶望してしまった。何度季節が巡っても、差別もウイルスもなくならないじゃないか、と。

「より良い世界になってほしい」。誰しも一度や二度は抱いた感情なんじゃないかと思うけど、一夜にして、いや、一夜じゃなくて何十年かけたって、全世界が劇的に変わることなんてないのだと思う。なぜなら、世界にはあまりにも多くの人が住んでいるし、あまりにも多くの価値観があって、「変えていくべき方向性」のコンセンサスを本当の意味でとることはあまりにも非現実的だから。
去年のグラミーを終えてのnoteでも、身の回りのことから一歩一歩と書いたのだけど、私自身この1年で何かできたか、行動が変わったのか、というと残念ながらNoだ。何より、私の中で、何が正しいのか、どういう世界にしていきたいのか、があまりにもあいまいなのである。そこに、正義とは別軸の利害関係や目の前の損得勘定とかが絡んでくると、身動きが全く取れなくなってしまう。

それでも、どうしても、春は待ってくれないし、人生は続いていく。

だからこそ、ただ諦めてその場に立ち尽くすんではなく、じゃあどうするの、を再度かみ砕いていきたいけど、やっぱり私には(というかきっと誰しも)、絶対的な善悪・正義の判断は無理で(判断できるように知識なりを身に着けていくことはあきらめてはいけないけれど)、自分の立っている場所をしっかりと見定めて、自分が見ているものはあくまでそこからの視点であるということ、手の届く範囲を自覚していくことしかできないんじゃないのかなあ、というところから、現状は前に進めていない。

「사람들은 말해 세상이 다 변했대 다행히도 우리 사이는 아직 여태 안 변했네 世界がすっかり変わったと人々が言っても、幸いなことに僕らの関係はそのまま」

もう一つのLife Goes Onの大好きなフレーズだ。
自分が見つけた素敵なもの、ありがたい身の回りの人たちとの関係をしっかりつかんで、自分の足場を固めて行って、もう少しフラットな視点を確立していきたいなあ、、。

内容が曖昧過ぎてよくわからなくなりましたが、今年のお気持ち表明でした。BTSもARMYも、お疲れ様でした!


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