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ビッヒはホワイト企業になれるか-HYBE会社説明会感想-


HYBEの会社説明会面白かったですね!!楽しみなことも、果たして、、、?と思うこともありましたが、全体としてHYBEくんは効率的に収益を上げて行ってホワイト企業を目指したいんだなと思った(もしくは思いたい、という希望的観測を持った)次第。
鉄は熱いうちに打て(?)ということで、いまのうちにざっくり感想と気になること、今後の展望(?)等を書いておきたいな~と思います。

1.従来のアイドル産業がブラック化しやすい理由

アイドル(あるいは芸能界)って、激務だったり、「有名税」と揶揄されるような私生活のなさだったりがつきものだけど、それってなんでなの?という話をします。

そもそも、HYBEや芸能事務所を含めたありとあらゆる企業の目的は「より多くの利益をあげること」です。HYBEは上場企業だから、株主への配当や説明も必要となってよりこの辺シビアだよね。
で、ホワイトな職場環境っていうのは、利益の追求を主眼に置くと、基本的にコスパが悪い。なぜなら、一人当たりの労働量を減らす一番の近道は、従業員の頭数を増やすことだけど、それって当たり前に人件費=固定費がかさむから、と考えられると思います。

で、普通の企業は、このコストをどこで吸収するか、というと、業務の効率化、売上のN倍化なわけですね。製造業で言えば、作る工程の作業を減らしたり、同じものをたくさん作ったりしてコストを抑えたり(効率化)、同じ製造ラインで作れる商品のバリエーションを増やしたり、同一商品を売る場所を増やしたり(N倍化)。

ところが!アイドル産業、この効率化もN倍化も極めて難しい産業だと思います。アイドルグループそのものをつくる過程を効率化することはなかなかできないだろうし、だからこそたくさんのグループを作ることも難しい(し、作ったところで売れないと意味がないし、作りすぎるとファンの奪い合いになるからグループ数が売上に比例するわけではない=N倍化が極めて難しい)
なにより、アイドル本人たちが担っている部分については、「替えが効かない」ので分業もできない。そしてK-POPではオタクを飽きさせないために大量のコンテンツを投入する=アイドル稼働が半端ない。よってブラック化へ、、というのが従来の状況かなあ、と思います。

2.HYBEの置かれた状況と、ホワイト化を目指す理由

そんな中(?)、昨今、HYBEくんからはめちゃくちゃざっくり要約すると「アイドルの権利を守るよ!ホワイト企業になるよ!」的な発信がちょこちょこされている気がします。

たぶんこれって別にHYBEくんが良いヤツだからとかじゃなくて笑、そうせざるを得ない状況に置かれているからかなあ、と思ったりしてます。理由は3つ。

まずはBTSによってもたらされた「世間の目、あるいはモノ言うオタク」。
BTSくん、世界中で売れていて、ファンの裾野がめちゃくちゃ広いから、色んな意見がHYBEにも届くようになっただろうな、と推察しています。
つい最近も、「BTSの靴のサイズがおかしい。アイドルを尊重しろ」みたいな署名活動がありましたが、やっぱり人権の尊重をした活動をしないと、どこかから矢が飛んでくるみたいな状況にあるんだろうな、HYBEと。少なくともBTSに関しては明らかに寝る暇ないだろ!みたいな活動をさせづらいんじゃないか、とか思う。(もちろんいいことだと思う!オタクの裾野が広いって素晴らしいね。、)
この辺は長年続いてきたRun!BTSの休止からも感じたりする。

2つ目は「モノ言うタレント」。これもつまりはBTS。以前、SUGAさんのインタビューについてnote書いたりもしたけど、権利を主張できるくらいのタレントを抱えている(やめられたら困る)というのは大きいんだろうな~労働環境の改善に動かざるを得ないよな~と思います。

最後は、「BTS一強のポートフォリオからの脱却」がHYBEの至上命題であるということ。
HYBE、デカくなったじゃないですか。だからそれなりに従業員もいるし、それこそ株主もいるし、「BTSに何かあったら(兵役含む)立ち行かない」経営状況は許されないわけですね、、。
だからこそ他の事務所を傘下に入れてグループ数増やしたりしているんだろうけど、そもそも膨大なタレント稼働(BTSに限らず)に依存した経営からは脱却しなきゃって思いがあるんじゃないかなあ、と、、。

3.HYBE説明会での主な発表内容

じゃ、HYBEくんはどうやって「タレント稼働への依存」から脱却しようとしているの!?っていうのが垣間見えた会社説明会だったよね~というはなしをしようと思うわけですが、発表された内容はざっとこんな感じの理解。

①タレント連動ストーリーのローンチ
→BTS、TXT、ENHYPEN、新たにできるガールズグループ4組で4つのストーリーをローンチ
→楽曲だけでなく、ウェブトゥーン、ウェブ小説、スマホゲームなどに展開予定。
BTSとヨジャグルはまっさらな新作、TXTとENHYPENはこれまでのMVとかの深堀なのかな?

②V live、Weverseの統合
→Naverと提携して、V liveをWeverseと統合。
これまでもタリョラ等の自主製作バラエティはV liveと並行してWeverseにアップされてきたし、In the Soop等の有料VODコンテンツはWeverseオンリーだったと思うんですが、これからはWeverse一本。加えて、V Liveで行ってきたリアルタイム配信もWeverseで、と、、

③ブロックチェーン会社との提携、NFTでのトレカデジタル化、将来的なメタバースへの参入

④BTSプロデュースゲームのローンチ
まんまですね!内容よくわかってないけどゲームでるっぽい!

⑤教育等、アイドル・音楽に限らないジャンルへの参入
もうすでにいろいろ出ているLearn Korean!とかを拡充するのかな?

4.タレント稼働からの脱却

これらの発表内容がどうタレント稼働からの脱却につながるの?ということに関しての個人的な考え。

そもそも、(アイドル産業に限らず)売り上げ・利益を上げるために何をしなきゃいけないか、というと
(1)商品を増やす、(2)値段を上げる(顧客単価を上げる)、(3)客を増やす、(4)コストを抑えるってことだと思うんですが、これらに発表内容が結構当てはまるんじゃないか、と思ったんですよ(しかもタレント稼働をかけずに)

(1)商品を増やす


一番思ったのはこれ。タレント稼働をかけずに「商品を増やすこと」。
繰り返しになっちゃうけど、K-POPのすごいところは「オタクに飽きられないように絶えずコンテンツを投下すること」。
これには従来タレント稼働が絶対的に必要だったけど、不要にするのが①タレント連動ストーリーのローンチ、④BTSプロデュースゲームのローンチだな、と思いました。
①タレント連動ストーリー、イメージ映像みたいなのアニメだったり、従来の花様年華・BUコンテンツと同様、一部のコンテンツにしかタレント映像使わないと思うんですよ。なんならTXTとかENHYPHENとかはすでにMVとかで展開されているものの深堀っぽいし、MVはいずれにせよ撮影するし、このストーリーのための稼働ってあんまりかからなそう。ウェブトゥーン、ウェブ小説は完全にアイドルくんたちすることないだろうし(あえて言えば自分も読んで設定理解しておくくらい?笑)
そしてオタクを飽きさせないという意味では最適ですよね、、考察案件、、、眠れなくなるし、、、(自らを省みる)。この辺、BTSの花様年華・BUやBTS Worldで既にマルチメディア展開の実績があるのも、新たなストーリーをローンチする(他Gに横展開する)上で大きいんだろうな〜と思います。まあわたしが花様年華のオタクというのもありますが、、、
④BTSのゲームも、リリースしちゃえばBTS側でやることってなさそうじゃない?まあどんなゲームかよくわかってないんでアレですけど、、。

同時に、「ありものコンテンツの流用」というのも進めている気がするな。主に⑤教育コンテンツ(つまりLearn! Korean)とIn the Soop。
教育コンテンツに関しては、完全に過去映像、写真の切り抜きで作ったコンテンツだからめっちゃ効率的~(拍手)と思った。In the Soopは別にタレントの稼働は効率化されてないかもしれないけど笑、BTSでうまくいったコンテンツを他グループにも横展開ってのは企業としては上手いな、、と思いました、、、。あと普通に提供とグッズ展開+ロケ地の観光地化(ってほどではないのかな?)までIn the Soopを軸にしたビジネスはお見事の一言ですね、、。
そしてやっぱりBTSっていう確実にある程度の売上を見込めるタレントをつかっていろいろ試せるのはHYBEの強みだよねえ、、。

(2)値段を上げる


すでにあるものの値段=価値を上げる話。これは③ブロックチェーン会社との提携、NFTでのトレカデジタル化、将来的なメタバースへの参入にすごく感じた話。
NFTとメタバースについてはすごくわかりやすいnoteが出回っているので下記しておきます。

ブロックチェーンをつかったトレカの取引、なるほどすぎて感心してたんですけど(オタクが恐れるなくなる!消える!が絶対ない!笑)、ブロックチェーンを使って写真の出どころが確実にわかる世界になれば、今無料とされているセルカやマスターさんの写真とかにも値段が付く世の中になるかもしれないよね、、。この辺あんまり詳しくないのでアレなんですが、タレントの肖像権を守り、新たな収入源ができれば、、みたいな考えな気がする。一方で、オタク側が慣れることに時間がかかりそう&すでに売れているアイドルたちはいいけど、新人売り出し時にはやっぱりある程度肖像権グレーにしておく方がうまみがある気がする(オタクが宣伝しやすいように)ので、その辺どう両立させていくのか、今後の流れが楽しみですね。(セルカや動画に価値を付与していくことと、その辺を捨ててでもオタクに宣伝してもらう=宣伝費のカットどっちを取るか、どう選択して、どつやって納得感のあるルールを作るか、考えるの結構難しそう)

デジタルトレカにおいてオタクが問題視してる(?)紙の方が好きなんだよ!問題があるけど、なんだかんだ「自引きできるか」のワクワク代みたいなところもあるし案外定着するんじゃないかなあ。とはいえ、有観客コンや物理のモノの大切さは、HYBE museumで「五感」をテーマにしているHYBEくんのことだからきちんと理解していそう(というかその辺デジタルなものとの差別化を図っていく戦略を立てそう)な気がします。知らんけど。

(3)客を増やす


これもあんまり会社説明とは関係ないんだけど笑、一つのコンテンツに対する客を増やす話。オンラインライブとかが当たるかなあ、と思っています。
有観客ライブとオンラインライブのコストの違い(あるいは、有観客ライブを配信する際のコスト)がどのくらいかあまりわかっていないんだけど、単純に見る人がめっちゃ増えるから売上という意味ではオンラインライブのほうが多いだろうな、と思う。
この間のBTSのオンラインライブの後、Weverseのアンケートに回答したけど、個人的には設問から「有観客始まってもオンラインコンやめないよ!」というメッセージを感じたので、やっぱち儲かるのかなあ、と、、笑
あとは単純に、オンラインライブのほうが、そこまでファンじゃないよ!ってひとも参加の垣根が低い。HYBEはオタクそれぞれのレベルに合ったコンテンツの投下が上手だなあ、と日々感じるんですが、そういうライト層の取り込みがうまくいけば、オンラインコンに限らずコンテンツあたりの顧客数って増えていくよね。

(4)コストを抑える


そもそも、ここまで書いたタレント稼働をかけないコンテンツ拡充がコストを抑える話でもあるんだけど笑、追加して。
半分私の希望ですが、「アイドルの活動期間を延ばす」ことによるコストカットを、、進めるんじゃないかなって、、。
膨大なタレント稼働が抑えられて、ホワイト化していくことで、アイドルの活動期間が延びていき、一定のファンがついたグループが安定した売上をあげていくっていう企業のかたちになっていかないかなあ、、。(そしてその売上でゆっくり次の子たちを育てる)
そもそも、売れる子たちを育てるのって絶対すごく大変で、だからこそK-POPはグループの回転がめっちゃ速いのだろうし、その回転の速さもブラックな労働環境につながっていると思うので、、はい、、私の希望でした。

5.アイドル産業からの脱却


これもまた希望&飛躍しすぎな話ですが。
②V live、Weverseの統合から思ったこと。
V Liveがなくなることで、今までV Liveで配信やらオンラインライブやらしていた他事務所のアイドル達もWeverseを使うようになると思うんですが、それによるプラットフォーム収入って絶対デカいんですよ。
しかもこれってシステム側の話だから当たり前だけどHYBE所属タレントの稼働は全くかからない。
将来的にこっちの収入がHYBEのベースになっていったらさあ、アイドル産業の利益率とかってある程度余裕ができるし、ホワイト化につながると思うんだよね、、。Amazonが本屋からプラットフォーマーになったみたいに、、と事業展開を夢見てしまう(株主でもないただのオタク)。まあWeverseくんはシステムの作りが現時点で正直アレなので夢のまた夢ですね。HYBEくんは全体的に顧客のCS向上という視点を落としがちな気がするな、、まずはタレントの権利を守ってから顧客の方を見るよ!って戦略なのかもしれないし、やっぱりBTSみたいな圧倒的なブランドを持ってるからこその特権だとも思うんだけど、そのブランドが確立されているうちに諸々整備していってほしいな、、とおもっております、、、まあうぃばす使いづれえよって話なんですけど単純に(ぼやき)

おっしまい。

11/22追記:株主でもないただのオタクだった私ですが、超小口ですがはいぶくんの株買って無事(?)株主になりました。ホワイト企業にお前ならなれる!の祈りを込めて。より良い社会、より良いアイドル産業になっていきますように、トゥバドゥワリワリ、、、、


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