TOMORROW X TOGETHER Farewell, Neverland 和訳と解釈
続かないだろうな〜と思ってた歌詞翻訳、やっぱり続かなかったんですが()
京セラで私の大切な曲、Farewell, Neverlandを間近で見られたことが嬉しかったので、記念に和訳してみました!
これは本当にTXTの世界線において大切な曲だなあ、と改めて思ったね。
【和訳】
https://youtu.be/aM-B6rlnwIw
大事だな!と思ったところボールドにしましたが、多すぎですね!繰り返し部分もふくめたらほぼ全部じゃねえか!みたいな……。
<成長への通過儀礼としてのTemptation>
この「Farewell, Neverland」は、アルバム・The Name Chapter: Temptationを締めくくる曲であり、ワールドツアー・ACT: Sweet Mirageの中でも、アンコール1曲目に歌われるなど、「異世界(蜃気楼、魔法の世界、Neverland)への逃避」を締めくくる歌という位置づけになっています。
色んなところでうだうだ書いていますが、TXTの物語の軸は’少年の成長’です。The Dream Chapter→The Chaos Chapterの転換は、「夢の世界では成長が見込めない。成長ない休み(おそらくコロナ禍も意識された文言)は悪夢と変わらない」と気づいたことで少年たちが現実へ帰ってきたことで起こったと公式から発信されています。
にもかかわらず、minisode2: Thursday Child(Good Boy Gone Bad)で失恋を経験した少年たちは、「現実」を捨てて再度魔法のようなNeverlandへやってきてしまいます。これがThe Name Chapter: Temptationですね。実際にコンセプトフォトでは、TXTが幼子のようなメイクを施されていたり、小さな子供のようなパジャマを着せられていたりして、「幼児返りすることで成長を拒否し、現実から目をそらす」様子が描かれているように感じます(個人的にはそれってアリなの?と公式と大喧嘩したポイント…)
公式との喧嘩を終わらせるために(?)私なりにこの幼児返りの必要性については相当考えたんですけど、わたしなりの結論としては、「自ら現実に帰る選択をする」という通過儀礼なんじゃないかと思ったんですよ。
The Dream Chapter→The Chaos Chapterの転換は(当初の予定はどうだったかは知らんけど)結果的に新型コロナウイルスの蔓延がきっかけになっていますね。No Rulesで歌われているように、彼らはある意味無理やり大人にされた(≒現実に向き合わされた)わけです。自分の選択ではなかった。
だからこそ、まだ遊び足りない、もう一度子供に帰りたい!と思うわけだし、それを実際にやった上で、自分の意思で「大人になる、現実に帰る」ことが、成長への通過儀礼になっているように感じます。
カムバ前にConcept Filmを見て張り切って書いたnoteでも言いましたが、Concept Filmに引用されているピーターパン、オズの魔法は、ともに「早めに大人にならざるを得なかった」子どもたちが異世界を旅をして、再度子供時代を疑似体験する話ですね。
実際問題、大人になるということは責任を取るということとニアリーイコールで、子供時代、あるいはNeverlandの方が楽しい。だけれど、そこでは「成長ができない」という対価が伴うということがFarewell, Neverlandの中でもきちんと示されています。
同時に、Free Fallingという文言からは、大人になること= 成長すること、責任を取ることによって、ようやくあらゆるしがらみから自由になる、ということも示されているかと思います。まあ責任と自由はニコイチだからね……
<TXT世界と「あの星」>
Farewell, Neverlandの中で、少年たちに、この楽園には成長という対価が必要なことを気づかせるもの、それは「あの星」の存在かと思います。
TXTの世界の中で鍵を握る「あの星」。星の昼寝の中で眠りについてしまった星を、「星の歌」を歌うことでめざめさせること。これがデビュー時からTXTの世界観の大きな軸です。
The Name Chapter:Temptationのタイトル曲、Sugar Rush Rideでも、誘惑にあった少年たちは「あの星」が見えたことによって、一旦誘惑におぼれることを躊躇しますね。
あの星が見えることは、「いつでも楽しい無責任な楽園」とは両立し得ないということがはっきりこの曲で示されたのが面白いな~!!とすごく思いました。
太陽が眠らないとずっと明るいから、逆に星は見えないんですよね。
暗い夜=つらいことがあるから、星は見える=成長できる、なるほどな、と素直に思いました。
同時に、「僕の準備ができるまでは眠っていて」という星に対するやさしさ?あるいは自分に対する予防線?が貼ってあるのもすごくリアルでいいよね。いつでも成長できる≒現実から逃げないでいるわけじゃないし、それでいいよね。
この曲の中では、Neverlandのことを「最後の避難所」とも称していますが、ときに逃げていくこと、現実逃避をすることは決して悪ではないので、いつまでも心にNeverlandのような避難所を持っていてね、とそっと思ったりもします。
<「落ちていく」こと>
この話するの百回目な気がしますが、私がFarewell, Neverlandを好きな一番の理由は、「落ちていくこと」を肯定していることです。
「怖くてももっと下へ」と何度も何度も歌っていますが、飛び続ける、上に上がっていくことよりも、下へ降りることのほうがもっと勇気が必要だったりします。アイドルのような職業ならなおさらでしょう。
また、以前ACT:Sweet Mirageについての記事でも書きましたが、TXTはFree Fallingという曲で、墜落という言葉を羽ばたきと同義で使っています。
どんな人でも、ずっと飛び続けることは難しいわけで、だからこそ降りていくこと・墜落することを上下をひっくり返して肯定してあげること、これは全方位にやさしい考え方なんだよなあ、と思って、これだからTXTなんだかんだ好きなんだよ…と毎度毎度思います。
<まとめ>
本当にどの記事でも同じことを言っている気がしますが、魔法の時間、羽ばたきを永遠にすることは難しいです。というかできたとしても、それは「成長」にはつながりません。この曲で言うところの「残酷な嘘」以上にはなりえないのだと思います。
時には避難所に逃げ込んでも、アルバムの終わりやコンサートの締めといった節目できちんと「여긴 no home(ここは居場所ではない)」と気が付いて、幻想に別れを告げてくれるTXT、どんなにコンセプトと喧嘩をしても結局信頼してしまうなあ、と思います。
翻訳っていうか解釈の記事になりましたね。Farewell, Neverlandはいいぞ!
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