ロシアのフェイクアカウントについて その⑭:想田和弘氏への反論(前編)

【概要】

映画監督の想田和弘なる人物との対話が「非暴力抵抗こそが侵略から国民を守る」との記事に記載されていたので、反論してみます。まずは前編について。

【問題点1】

<想田氏の主張>
他国から侵略された際に全面的な戦争(武力抵抗)をするよりは、非暴力抵抗の方がはるかに小さな犠牲で済むはず。

<筆者の反論1>
歴史上には、侵略を受けてから戦った後に降伏した事例もありますし、戦わずに降伏した事例もあります。

民族が消滅寸前まで追い込まれた事例(アボリジニ)もありますし、緩慢なジェノサイド(ウイグル)に晒される事例もあります。完全に同化してしまう事例(満州民族)もあります。

今回のケースで言えば子供を連れ去るような出来事も発生しており、かなり危険な相手であると思います。一口に「小さな犠牲で済むはず」とは言い切れません。

<筆者の反論2>
侵略を受けた際にあまりにも戦力差が開きすぎていて戦わずに降伏した事例は歴史上あります。しかし、普段から「我々は侵略を受けたら抵抗せずに占領されます(但し従いません)。」と言い張る必要はないですよね。支配することを考えている相手に対して不用意にそのようなメッセージを発することは、相手の侵略行為を誘発します。慎むべきです。

<筆者の反論3>
占領を受けた後の抵抗運動が成功しなかった事例も多々あります。占領下で占領者に対して協力しなかったら、その人は収入の道を断たれるということですよね。占領下にある住民の一部が占領者に迎合してしまえば、非暴力抵抗は成功しません。「非暴力抵抗をすれば占領を脱することが出来る」と吹き込むのは非常に危険な考え方です。

<筆者の反論4>
「非暴力抵抗が有効である」というのであれば、想田氏は行動に移すべきです。占領下の住民による非暴力抵抗だけでなく、ロシア国内における反戦派ロシア人の非暴力抵抗運動も重要ですし、国際的な経済制裁や外交圧力も一種の非暴力抵抗運動です。また第三国において実施されているロシアの侵略に対する抗議行動も非暴力抵抗運動です。

想田氏は行動を起こして、非暴力抵抗の有効性を示すべきです。

【問題点2】

<想田氏の主張>
暴力の連鎖を断ち切らなければならない。

<筆者の反論>
パレスチナ問題のように延々と殺し合いを続ける場合に、「暴力の連鎖を断ち切らなければならない」というテーマを設定することは妥当です。今回はウクライナ側は、「ロシア軍をウクライナ領から追い出す。次に戦争犯罪者の処罰と賠償を進める」という方針を取っており、戦争犯罪の証拠集めも行われています。「暴力の連鎖を起こさせないし、やり逃げも許さない」という意識はあると思います。別に改めて想田氏に指摘されるまでもないと思います。

【問題点3】

<想田氏の主張>
世論がウクライナに自己同一化している。

<筆者の反論>
いきなり犯罪行為を始めたロシアに対して「やめろよ」というのは当たり前です。「核保有国が国際法に違反して他国で残虐行為を行っても責任は問われない」という世の中になるなら、みんな核武装を目指します。国際社会をそういった混乱状況に陥らせるわけにはいきません。ロシアに成功体験を得させるわけにはいきません。

日本政府もウクライナに対して経済制裁や外交圧力等の非暴力支援を行っています。大変マトモな対応だと思います。ウクライナ支持を主張をしている人たちは、ウクライナに自己同一化しているからではなく、人道上の主張に加えて、国際社会のあるべき姿と自国の安全保障を考慮した上で、そのように主張しています。

【問題点4】

<想田氏の主張>
民間人に銃口を向けるということが起きやすい状況を、ゼレンスキー大統領が作ってしまった。

<筆者の反論>
何を言っているのでしょう?ロシア軍というのは、「子供たちへ」と落書きをしたミサイルを民間施設に打ち込んでくるヤツらです。「ロシア軍がこういうことをしちゃったのはゼレンスキー大統領のせいだ」って言いたいんですかね?

「民間人と軍人の区別があいまいだから民間人にも被害が出ている」のではなく、意図的に民間人に残虐行為を行っています。相手に恐怖心を抱かせ、抗戦の意思を挫くことが目的です。プーチン政権のすさまじい暴力と幼稚な嘘は、歴史に残ると思います。想田氏の主張も歴史に残るでしょう。

【まとめ】

想田和弘氏

舐めてんのかこの野郎。

source : https://webronza.asahi.com/politics/articles/2022081000009.html

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