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私の好きな映画のシーン(23)「シンドバッド」

 誰もが知っているシンドバッドですが、ここでいうところのシンドバッドとは、1958年に劇場公開された『シンドバッド七回目の航海』のことです。ちなみに、この作品はトリロジー的に、1973年『シンドバッド黄金の航海』、1977年『シンドバッド虎の目大冒険』と製作されています。
 ストーリーは横に置かせていただくとして、人形アニメーターのレイ・ハリーハウゼンが描く、コマ送りの怪物(一つ眼巨人のサイクロプス、双頭の鷲ロック鳥、火を吹くドラゴンなど)たちとシンドバッドが闘うシーンが何とも言えず、惹かれてしまいます。
 デジタル技術が発展し、デジタル・アニメーションが基本となり、視覚的にも慣れ親しんだ現在ですが、フィルムの一コマ一コマに、人の手が加わった跡が残る面白さ、その創作性には別次元の世界が宿っているようです。
 誤解されては困りますが、古いから良いというのではなく、この『シンドバッド七回目の航海』ならではの味わいがたまらなく良いのです。ともすれば雑になるこうした表現ですが、半世紀を超えても製作者たちの思い入れのようなものが未だにひしひしと伝わってきます。
 話は変わりますが、「SINBAD」は元は「SINDBAD」だったようです。未だに、どのような経緯で「SINBAD」になったのか謎です。現代読みでは「シンバッド」になりますよね。中嶋雷太

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