ビーチ・カントリー・マン・ダイアリー(6):「湘南のカラス」
昨年末からカラスが主人公の小説を書き始めています。数年前からカラスのことをあれこれ勉強してきましたが、掘れば掘るほどカラスの魅力の奥深さの沼にはまります。
私が住む湘南・片瀬海岸のあたりには、ハシブトガラス、ハシボソガラスやワタリガラスがいて、毎朝浜辺でコーヒーを楽しんでいると、それぞれの動きの面白さが見えてきて、カラス愛がさらに深まっています。
さてこのカラスですが、私がカラス愛について誰かに語り始めると、キョトンとした顔をされることが多々あります。そのキョトンの理由は、カラス=悪というイメージが一般的なのが大きな理由だと思っています。
サッカー日本代表のエンブレムにある八咫烏や野口雨情が作詞した「七つの子」(からす、なぜなくの…)など、日本の伝統的なカラス観は日常生活ではとても身近な動物だったと思われますが、明治以降、特に第二次世界大戦以降の西欧文化の流入により悪魔の使者的なダークなイメージが定着してしまい、さらに街中ではゴミをあさる害鳥とされ、カラス=悪のイメージが益々濃くなり定着してきたようです。
カラスといえば、動物行動学者のコンラート・ローレンツの「ソロモンの指環 動物行動学入門」のコクマルガラスの話はとても魅力的で、欧米でもカラスがとても身近なものにあるのだと心安らかになります。
朝8時。コーヒーマグ片手にビーチ・カントリー・マンの私は、浜辺でコーヒータイムを楽しむのが日課となりました。そして、ハシボソガラスの歩く姿を愛でています。中嶋雷太