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【CoCシナリオ】俺のヒロインがカブトムシだった件

【イントロダクション】

ある暑い夏の日の深夜。 あなたが暮らすこの町で流れ星が目撃された。
夜空を駆ける閃光は町の一部の住人たちに目撃されたが、これといって話題にならず、すぐに忘れ去られてしまった。

それから2週間後。 薄暗くなった帰り道で、
あなたは助けを求める女性の声を聞く。

ひと夏の冒険譚が幕を開ける──。

【プレイ情報】

〔PL人数〕1〜2人
〔レギュレーション〕クトゥルフ神話TRPG(第6版)(7版への改変可)
〔舞台〕現代日本
〔プレイ時間〕3~4時間(RPに掛ける時間によって変動します)
〔シナリオ傾向〕シティ系、探索中心
〔ロストについて〕運が悪ければワンチャンあり。

〔推奨技能〕<目星><聞き耳><図書館>
〔役に立つかもしれない技能〕<コンピューター><隠れる><忍び足>

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シナリオ背景

アメリカの機械・製薬メーカー『ヘラクレス社』の生物研究部・部長のシャロン・ベイカーは約5年前、偶然イス人と接触する方法を知り、彼らとの接触を試みる。
結果イス人との接触に成功。彼女の豊富な知識に知的好奇心をそそられたそのイス人達のグループは、知識交換の為にシャロンと交流するようになる。

その後 今度は人工的にショゴスを造り出す方法を知ったシャロンは、これを利用して自社のもう一つ顔である兵器開発を行おうとした。
しかし人工ショゴスの製造には、人間またはそれに匹敵する知的生命体を『材料』にしなければならなかった。
その為 シャロンは自身と交流があったイス人達のグループから『K3622-7106』と呼ばれている個体を犠牲にし、見事 人工ショゴスの製造に成功する。

一方 仲間を犠牲にされたイス人達の怒りは凄まじく、せめて仲間の亡骸でもある人工ショゴスを奪い返そうとヘラクレス社を襲撃する。
その際 イス人達は人工ショゴスを119もの欠片に分けて、大型のカブトムシの姿に変化させた。
これは万が一 人工ショゴスが暴走した場合に被害を最小限に抑える為と、楽に運び出す事が出来るように自分達イス人が人工ショゴスで作った肉体に入る為である。
精神的な存在であるイス人達は、自らの精神をカブトムシ型の肉体に移した方が勝手が良いと判断したのだ。

こうして人工ショゴスの奪取に成功したイス人達。
しかしシャロン達 ヘラクレス社も黙ってはいなかった。
イス人達の乗った宇宙船を自社のミサイルで追撃し、宇宙船を墜落させたのである。

その際 宇宙船の壁に空いた穴から『M4730-4898』という個体(のちの『ミキ』)が放り出され、たった1匹だけはぐれてしまった。
『M4730-4898』は宇宙船の進行方向と、街中で得られる僅かな情報を頼りに2週間かけて探索者の住む街へとやって来る。

一方 探索者達の住む街に不時着したイス人達は、故障した宇宙船を小学校の裏山に運び込み、身を隠しながら修理していた。
その際殆どのイス人は、子ども達が遊ぶ麓の方で見張り役として待機していた。
人間が宇宙船に近付かないように誘導していたのである。

その際 わざと捕まって後からこっそり脱出するような事もしていたのだが、ここで想定外の事が起こった。

日本まで彼らを追って来たシャロンや高山達が地元の住民や子ども達を買収し、自分達の元へカブトムシを持ってくるように仕向けたのである。

後から逃げ出せると高を括っていたイス人達は、あっという間に大半が捕えられ、とうとう残っているのは宇宙船を修理していた15人のメンバーと『M4730-4898』だけになってしまった。

そして既に仲間の大半が捕まっているとは知らない『M4730-4898』は、街に来て早々運悪くシャロンと高山に見つかってしまう。
追い詰められた『M4730-4898』は咄嗟に自らの肉体を一部変化させ、人間の声を出せるようにした。そして人間の女性のフリをして周囲に助けを求めたのであった。

NPC紹介

ミキ

【STR】2 【CON】3 【SIZ】1 【INT】24
【POW】13 【DEX】18  
【HP】2 【MP】13 【DB】該当せず

【技能】<回避>75%、<目星>50%、<図書館>70%、
    <機械修理>80%、<隠れる>50%
【武器】<噛みつき>35%、ダメージ1D2

個体識別番号『M4730-4898』。
ヘラクレス社から人工ショゴスを奪取する際 シャロンに追撃され、宇宙船の壁に空いた穴から外に放り出されて1体だけはぐれてしまったイス人。
現在は人工ショゴスを細分化・変化させたメスのカブトムシ型の肉体に憑依している。
人工ショゴスの材料にされてしまった『K3622-7106』とは仲が良かった為、シャロン達に対して激しい怒りを覚えている。
なおこのシナリオ内のイス人達は本来特に性別は無い。
ミキの物腰が女性的なのは、精神が現在の肉体の性別に引っ張られている為である。

シャロン・ベイカー

【STR】9 【CON】10 【SIZ】12 【INT】18
【POW】15 【DEX】17 【APP】12 【EDU】21
【HP】11 【DB】±0

【技能】<目星>50%、<生物学>80%、<精神分析>70%、
    <医学>50%、<信用>60%、<日本語>60%
【武器】<電撃銃>85%(効果については後述の【廃工場】の項目を参照)

32歳・アメリカ人女性。
アメリカの機械・製薬メーカー『ヘラクレス社』の生物研究部・部長。
常に冷静沈着で研究者としてはかなり優秀だが、非情な部分も持ち合わせた女性である。
本編の約5年前 偶然にもイス人達と接触、知識交換を目的とした交流を行うようになる。
しかし人工的にショゴスを造り出す方法を知った彼女は己の知的好奇心に勝てず、交流のあったイス人の内1体をショゴスの材料として犠牲にしてしまった。
この事が他のイス人達の怒りを買い、造り出した人工ショゴスを奪われてしまう。
イス人達の乗っていた宇宙船を自社のミサイルで撃墜したシャロンは、急ぎ社内から日本語が堪能な研究員を集めて人工ショゴスの回収の為に日本へと向かう。
なお彼女もミキも、人工ショゴスには「長時間強度のストレスに晒されていると変化が解けてしまう」という欠陥がある事をまだ知らない。

高山 清治

たかやま きよはる
【STR】11 【CON】10 【SIZ】12 【INT】16
【POW】10 【DEX】10 【APP】9 【EDU】18
【HP】11 【DB】±0

【技能】<目星>60%、<信用>70%、<生物学>70%、<英語>60%

45歳・日本人男性。
『ヘラクレス社』の生物研究部・副部長で、シャロンの部下の男性。
シャロンは人工ショゴスの回収の為には現地の人間の協力が必要だと考え、日本での活動に不自由しないよう日本語が堪能な研究員を集めた為 嫌々ながら日本に連れて来られてしまった。
中間管理職の苦労人ポジの男。

シナリオ本文/導入

ある暑い夏の日の深夜。
探索者の暮らすこの町で流れ星が目撃された。

夜空を駆ける閃光は町の一部の住人たちに目撃されたが、これといって話題にならず、すぐに忘れ去られてしまった。

それから2週間後。

探索者は今日も仕事や学業を終え、帰宅している最中である。時刻は19時頃で、日が沈みかけ辺りは薄暗くなって来ている。

そんな時、「きゃあああ!!助けて!!」と女性の悲鳴が聞こえてくる。
聞こえてきたのはすぐ近くの公園からだ。

探索者が公園に入り辺りを見回すと、茂みの方に2人の男女がいる。
男性の方は「おい!大人しくしろ!!」と怒り、女性の方は「全く、手間取らせおって」と呆れたように言う。
そしてもう1人分、姿は見えないけれど「いや!!離して!!」と、今 姿が見えている女性とは別の女性の声が聞こえてくる。

探索者が声を掛ける等 何らかの行動を取ると、男女は探索者の方を振り返り慌てた様子を見せる。

女性「しまった…!引き上げるぞ!!」
男性「は、はい!!…痛っ!?」
女性「どうした高山!?」
男性「噛み付かれて逃げられました!!」
女性「何をやっている!!」
男性「も、申し訳ありません!」
女性「全く…、警察を呼ばれる前にさっさと逃げるぞ!」

女性は男性に指示を出し、急いで公園から逃げて行く。
すると茂みの方から「あの…」ともう1人の女性の声が聞こえてくる。
「ありがとう…、助かったわ」と礼を述べるが、女性の姿は全く見えない。
探索者が茂みの中を覗いてどんなに探しても女性の姿は見当たらない。

探索者が女性の姿を探していると「こっちよ、隣の木の方を見て」と再び女性の声が聞こえる。探索者が木の方を見ると、木の幹に何かが止まっている。
それはやや大型なカブトムシである。ツノが無いので恐らくはメスだろう。
「あ、やっと見つけてくれたわ」とカブトムシから女性の声が聞こえる。

気のせいかと思ったが、「相手がカブトムシで驚いた?」と言ってきたので気のせいではないとわかる。
喋るカブトムシを目撃した探索者はSANチェック(0/1)

探索者はカブトムシに喋りかけるかもしれないが、喋っていると何だか周囲から視線を感じる。振り返ると、いつの間にか周りに人が集まっていた。
恐らくは先程のカブトムシの悲鳴を聞いて集まって来たのだろう。

子供「ママ〜、あの人カブトムシに話し掛けてる〜」
母親「しっ!見ちゃいけません!」
とか言う声も聞こえてくる。

カブトムシは「……話すのは良いけど移動しない?」と探索者の肩に止まりながら小声で話しかけます。

探索者がカブトムシを連れて自宅など人目の無い場所に移動すると、堂々とカブトムシに話しかける事ができる。

〔カブトムシとの会話〕

Q.名前は?
A. 私は…個体識別番号はあるけど名前は…う〜ん…、…あ、そうだわ。
最初にあなたに会った時に木の幹に止まってたから…『ミキ』で良いか。じゃあ、これから私は『ミキ』って名乗るわ。

Q.君は何者?なんで喋れるの?
A. 私はイス人…あなた達からすると『宇宙人』って事になるのかしら?見た目はカブトムシに似てるけど、中身は全然別物よ。

Q.さっきの人達は何だったの?
A.アメリカでイス人の研究をしてた研究員達よ。
あいつら、アメリカからずっと追いかけてきてて…。あいつらのせいで乗ってきた宇宙船が撃墜されて、仲間ともはぐれちゃったのよ…。

Q.仲間や宇宙船の事について
A. 宇宙船が撃墜されたのは2週間前なんだけど、私は墜落する前に壁に空いた穴から外に放り出されちゃって…。だから宇宙船や仲間達が今どうなってるのかわからないの。宇宙船の進行方向はこっちの方角だったから、2週間かけて何とかここまで1人で来たのよ。

Q.もしかして2週間前の流れ星と関係ある?
A. うん。この街に来る途中で街頭のテレビとかラジオとかで情報集めてたんだけど、2週間前にこの街で目撃情報があった流れ星は、不思議とすぐにメディアでの情報が途切れたの。だから多分それが宇宙船で情報規制されたんじゃないかと思う。

ひとしきり会話すると、カブトムシ改めてミキは「いきなりこんな事を頼むのは迷惑だとわかってるけど、カブトムシ1匹で情報を集めるには限界があるの。だから仲間を探すのを手伝って!お願い!」と探索者に頼んでくる。

探索者がミキの頼みを聞き入れると、ミキはお礼を言って喜ぶ。

本格的に探索が始まるのは翌日からだが、その間ミキは探索者の自宅で寝泊まりする事になる。探索者が2人いる場合、どちらかの自宅で厄介になる。
なお探索者同士は同じ家で寝泊まりしても構わない。

2日目以降


探索者は以下に記載されている場所を1日に2ヶ所まで選んで探索する事ができる。
最初は【商店街】【図書館】【小学校】の3ヶ所のみだが、探索を進めると新たな探索箇所が増えたり、特定の条件を満たすとイベントが発生したりする。

探索にはミキも同行するが、基本的には服や荷物の中に隠れている為 人目は気にしなくて良い。

またスマホで調べられる情報に関しては、【図書館】の項目に記載してあるのでそちらを参照する事。

【商店街】

パッと見た感じ、普段と特に様子は変わりない。
<交渉系技能>で聞き込みをする事が可能。
成功すると、以下の情報が手に入る。(判定は1回だけで構わない)

〔商店街での情報〕
▼最近 白衣を着た人間をよく街で見かける。
▼白衣の人達のリーダーと思われる外国人女性は、「生物研究の為に大きなカブトムシを探している。捕まえたら買い取るので是非連絡してほしい」と商店街の店主達に話していた。また連絡先が記載された名刺も貰った。
▼名刺には日本語で『ヘラクレス社 生物研究部 部長 シャロン・ベイカー』と書いてある。

(KP情報:この名刺はシャロンが日本人向けに用意した物である。またシャロンは日本での活動に不自由しないように、自分以外の研究員は日本人を連れて来ている。導入でミキを捕まえていた男(高山)も日本人である)

〔調査を終えて移動しようとする〕
商店街から移動しようとすると、ミキが突然「〇〇!(探索者の名前)止まって!」と大声を出す。
探索者が立ち止まると、ミキは「あそこ…、『あれ』が欲しい!」と言い、一直線に飛んで行く。

ミキが止まった先にあったのは、リサイクルショップの店頭で売られているポータブルラジオである。値札には『1200円』と書かれている。
(※ラジオを購入する場合、<値切り>に成功すれば1000円で買える)

購入後、ミキは「ありがとう〇〇!(探索者の名前)」と喜び、続けて「…あ、あと工具あったら貸してほしい」と言う。
(※工具に関しては持ち物欄に記載が無くても、持っていてもおかしくない職業なら無条件で自宅にある事にして構わない)

その日の夜、探索者の自宅にて『探知機イベント・その①』が発生する。

【図書館】

図書館では資料やパソコンでの調べ物ができる。
パソコンで調べられる情報は、図書館以外の場所でスマホを使って調べる事も可能。

〔パソコンでネットの情報を調べる〕(※スマホでも検索可能)
<図書館>または<コンピューター>で判定し、成功すると以下の情報が手に入る。

▼流れ星について調べる
→SNSを調べると、「あの流れ星実はUFOなんじゃないか?写真見ると煙出てるっぽい」という書き込みが数件と、添付されている流れ星の写真を見つける。
書き込みの内容通り、確かによく見ると流れ星らしき物体から煙が出ているように見える。

▼ヘラクレス社について調べる
→ヘラクレス社はアメリカにある機械・製薬メーカーだが、民間軍事企業でもあり、兵器の開発も行っている事がわかる。
また最近では生物兵器の開発にも乗り出したという噂もあるらしい。

〔資料を調べる〕
<図書館>で判定し、成功すると以下の情報が手に入る。
▼流れ星が目撃された日の新聞に、小さいが気になる記事を発見する。
 内容は以下の通り。

【宇宙人の仕業?米国『ヘラクレス社』に謎の大穴が】
現地時間〇日(流れ星が目撃される2日前の日付)、アメリカの『ヘラクレス社』の研究施設の天井に大穴が空いているのが発見された。
まるでくり抜かれたかのように綺麗な円形の大穴で、災害や事故で空いたとは到底思えない。
一部では「宇宙人の仕業ではないか?」との噂もあるが、真偽は定かではない。
なお、ヘラクレス社はこの件に関して固く口を閉ざしている。

(KP情報:この大穴はミキ達が人工ショゴスを奪取する為に宇宙船のレーザーで開けたものである)

〔調査を終えて移動しようとする〕
探索者が図書館から出ようとすると、「おや、あなたも宇宙人に興味おありですか?」と声を掛けられる。
振り返ると、オタクっぽい見た目の男がいる。

男は「失礼、わたくし子供の頃から宇宙人が好きでして、周りからは『UFOマニア』って呼ばれているんですよ〜!さっきちらっと横目で見たらヘラクレス社の記事を熱心に読んでらっしゃったので、もしかして同志かな?と思いまして!」と言う。

そして声を潜めて「実はここだけの話、この街にもUFOが墜落したんじゃないかって噂があるんですよ〜。ここから数km先の山の中なんですけどね〜」と言い、探索者が興味を示すと詳しい場所を教えてくれる。

これ以降、探索者は【UFOの墜落現場】を探索する事ができるようになる。
UFOマニアは同志を見つけたと思って上機嫌なので、探索者が余程邪険に扱わない限り快く情報を教えてくれる。

【小学校】

既に夏休みに入ってはいるが、学校周辺には遊んでいる子ども達がちらほらいる。
子ども達に<交渉系技能>を使って聞き込みをする事が可能。成功すると以下の情報が手に入る。

▼最近学校の【裏山】で大きなカブトムシが大量に取れていたが、もう取り尽くしたようで今日探しに行っても全然見つからなかった。
▼捕まえたカブトムシは『白衣のおじさん達』に買い取ってもらった。
▼おじさん達から名刺も貰った。名刺には日本語で『ヘラクレス社 生物研究部 副部長 高山 清治』と書いてある。

これ以降、探索者は【裏山】を探索する事が可能。

【UFOの墜落現場】

墜落したとされる日から2週間も経っているせいなのか、周囲には誰もいない。
場所は山の中の開けた場所で、地面に焦げた跡がある。
跡の大きさは大体 学校の教室1部屋分程度である。
この跡に対して<目星>を振る事が可能、成功すると以下の情報が手に入る。

〔焦げた跡〕
辺りに細かい金属片がいくらか散らばっているのが見える。
金属片を調べる場合、<地質学><博物学><知識1/2>を振る事ができる。

成功すると、この金属片の材質が地球のものではないとわかる。
ミキに見せると、「あっ!これ、宇宙船の壁に使われてる金属だわ!」と言う。

金属片の発見後、更に焦げた跡に対して<アイデア>を振る事ができる。
成功すると、焦げた跡に対して散らばっている金属片がかなり少ないと感じる。

その事をミキに伝えると、「もしかしたら…、仲間達は宇宙船をどこかに移動させたのかも」と答える。

ひとしきり調べ終え、『金属片』を入手している場合 ミキが「ねぇ。その金属片、私がもらってもいい?」と聞いてくる。

(KP情報:この『金属片』は『思念探知機』の改良に必要なアイテムなので、探索者が渡したがらなかったら素直に必要な理由をミキに答えさせましょう)

探索者が金属片をミキに渡し、なおかつ【商店街】で『ポータブルラジオ』、【裏山】で『折れたカブトムシのツノ』を入手している場合、その日の夜に『探知機イベント・その②』が発生する。

【裏山】

普段は子ども達の遊び場になっているようだが、暑さのせいと既にカブトムシを取り尽くした為か、周囲には誰もいない。
ここで<目星>で判定し、成功すると『折れたカブトムシのツノ』を発見する。

〔『折れたカブトムシのツノ』について〕
人間の人差し指位の大きなカブトムシのツノ。
ミキに見せると、「…!それ、仲間のツノだわ!きっと人間達から逃げる時に折れたんだわ…」と言う。
そして「〇〇(探索者の名前)、それ私がもらってもいい?」と聞いてくる。

(KP情報:【UFOの墜落現場】で入手出来る『金属片』と同様に、『思念探知機』の改良に必要なアイテムなので、探索者が渡したがらなかったら素直に必要な理由をミキに答えさせましょう)

『折れたカブトムシのツノ』を発見後 探索者に<聞き耳>を振らせ、成功すると複数人の男性の話し声が遠くから聞こえる。

声のする方を見れば、白衣を着た男性が数人こちらの方に近付いてくる事に気が付く。
その内の1人は1日目の夜にミキを捕まえようとしていた、『高山』と呼ばれていた男だと気が付く。

〔逃げる場合〕
高山達に気付かれないように逃げるには、<隠れる>または<忍び歩き>での判定になる。

成功した場合は見つからずにその場を離れて身を隠す事が出来る。
失敗した場合は高山達に見つかり、高山達(DEX10)との対抗ロールになる。(判定は1回で構わない)

成功の場合は何とか身を隠す事に成功する。
失敗した場合は逃げ切れず、探索者は捕まってしまう。

〔逃走成功の場合〕
前述の〔逃げる場合〕にて無事に逃げ切れた場合は、以下の会話を物陰から盗み聞きする事になる。

手下「くそっ、もう見つからねぇな…。この辺は取り尽くしたか」
高山「子ども達に頼んだおかげで早く大量の『ショゴス』を回収出来たのは良かったが、まだ全体の8割しか回収出来ていない。何とか残りのショゴスも見つけなければ…」

高山達は移動しながら会話をしている為、これ以降の会話は<聞き耳>の判定が必要になる。成功すると追加で以下の会話が聞き取れる。

手下「それにしてもあのイス人共、生物兵器なんて盗み出して何する気なんですかね?」
高山「全く…それもこれも、あの女がイス人共の恨みを買ったせいだ…!」

会話を聞き終えると、ミキが探索者の肩に止まる。

〔逃走失敗の場合〕
前述の〔逃げる場合〕にて判定に失敗した場合、探索者は高山達に取り押さえられる。
逃げずに高山達に話し掛けたりした場合も同様である。
1日目にミキの捕獲を邪魔された高山は探索者に対して怒りを隠さず厳しい対応を取る。

ただし捕まった場合は高山達と直接 会話が出来る為、探索者が知りたい情報をピンポイントで知る事も可能である。

〔高山との会話〕
Q.何故ミキ達を追う?
A.奴らが我々の開発した生物兵器を盗み出したからだ。

Q.生物兵器って?
A.あのカブトムシ達の体そのものだ。

Q.何故ミキ達は生物兵器を盗んだ?
A.それは…。あの女…、シャロンが奴らから恨みを買ったせいだろうな。

Q.『恨み』って?
A.あの女、奴らの仲間の一体を『ショゴス』…、生物兵器の材料にしたからだ。

ある程度会話が終わると、遠くからパトカーのサイレン音が聞こえてくる。
そして「お巡りさん!!こっちです!!こっちで男性が暴行されてます!!」と叫ぶ女性の声が聞こえる。
探索者にはわかるが、女性の声はミキの声だ。

高山達はそれを聞いて慌てて探索者を置いて逃げて行く。

高山達が逃げた後、スマホを持ったミキが探索者の元に飛んで来る。
「〇〇(探索者の名前)、大丈夫だった!?」と、心配そうな声で尋ねてくる。

それに答えると「よかったぁ…。…あ、これ返すね」と、探索者のスマホを渡してくる。いつの間にか持ち出していたようだ。
ミキは「ちょっと貸して貰ってたわ。あのパトカーのサイレン、動画の音声なの」と答える。

〔ミキの異変〕
ミキが探索者の肩に止まったタイミング(探索者が捕まっていた場合はスマホを返したタイミング)で、探索者に<聞き耳>を振らせる。

成功すると、探索者の耳に微かにだが「てけりり、 てけりり 」という不穏な音が聞こえてくる。しかもその音はミキの方から聞こえてくる。
この音を聞いた探索者はSANチェック(0/1)

ミキは「どうしたの?」と平常と変わらない声色で尋ねてくる。
どうやら自分の体から聞こえた異音には気が付いていないようだ。

(KP情報:ミキもシャロンも把握していないが、人工ショゴスには「長時間強いストレスに晒され続けると変化が解けて元の姿に戻ってしまう」という致命的な欠陥がある。この場面でのミキは「自分や探索者が敵に捕まるかもしれない」という強度のストレスが掛かった為、変化が解けかけたのである)

〔ミキに質問する〕
【裏山】でのイベント終了以降、好きなタイミングでミキに色々と事件の真相を問い正す事が出来る。以下はその一例である。

Q.『ショゴス』って何?
A.あいつらが作り出した生物兵器よ。

Q.『ショゴス』ってどんな生き物?
A.元は不定形で、巨大なアメーバみたいな姿をしているわ。あいつらはショゴスに命令する事で、様々な生物に変身させられるようにしたの。

Q.生物兵器を盗み出したってどういう事?
A.…!…そこまで知ってるなら、もう隠し事は出来ないわね…。
あの女…、シャロンは『ショゴス』を人工的に作り出す方法を見つけたんだけど…、それには人間か、それに匹敵する知的生命体を『材料』にしなければならなかったの…。
そのせいで『K3622-7106』…、私達の仲間の1人が犠牲になったの…。
だから私達は、せめてあの子の亡骸でもあるショゴスを奪い返して弔ってやろうとしたの。すぐにシャロン達が追いかけて来たからそんな暇もなかったけど…。

Q.高山やシャロンとの関係は?
A.シャロンと私達のグループは、5年程前から知識交換が目的で交流していたの。…そのせいでこんな事になっちゃった…。

Q.どうして今まで本当の事を黙っていたの?
A.今 自分の目の前にいるのが只のカブトムシじゃなくて、生物兵器だなんて知ったら多分 協力してくれないだろうと思って…。…怖い思いをさせてごめんね…。

また探索者が『折れたカブトムシのツノ』をミキに渡し、なおかつ【商店街】で『ポータブルラジオ』、【UFOの墜落現場】で『金属片』を入手している場合、その日の夜に『探知機イベント・その②』が発生する。

探知機イベント

〔その①〕

※【商店街】にて『ポータブルラジオ』を入手している場合に発生する。
その日の探索を終えて帰宅すると、ミキがポータブルラジオを工具で弄り始める。
何をしているの尋ねると、「これを改造して探知機を作るの!」と答える。
放っておいても完成するが、探索者が手を貸せばミキは素直に喜ぶだろう。

2時間程作業すると、ミキは「出来た!『思念探知機』よ!」と得意げに完成を伝える。
そして「これは仲間の思念をキャッチして、私との通信を可能にする物なのよ!早速動かしてみましょう!」と、ラジオのダイヤルを回してチューニングをする。

しかし聞こえるのノイズ音ばかりで、一向に何も聞こえない。
ミキは「う〜ん…、まだ改良が必要ね…」とガッカリする。

〔その②〕

※〔その①〕発生後、【UFOの墜落現場】で『金属片』、【裏山】で『折れたカブトムシのツノ』を入手すると発生する。
その日の探索を終えて帰宅すると、ミキが再びポータブルラジオを工具で弄り始める。
聞けば「探知機を改良するの!〇〇(探索者の名前)が見つけてくれた『金属片』と『折れたカブトムシのツノ』を使えばもっと探知機の精度を上げられるかもしれないわ」と答える。
2時間程作業すると、ミキは「出来た!!これで今度はきっと…!!」と言い、ラジオのダイヤルを回してチューニングし始める。
数分後、ラジオのスピーカーから「…けて…」と、微かにだが声が聞こえる。
ミキがダイヤルを微調整してチューニングを続けると、はっきり声が聞こえるようになる。
声は「助けて…」という呟きを繰り返す。
ミキは「こちら『M4730-4898 』!!今どこにいるの!?」と呼び掛けます。
声は「街外れ…廃工場…」と答えたきり、そのまま途切れる。
その後 探索者とミキが廃工場の場所を調べると、探索者の自宅から車で1時間程度の距離の場所だとわかる。
これ以降【廃工場】の探索が可能になる。【廃工場】の探索は夜時間でも可能。
(ちなみに【廃工場】について詳しく調べると、現在はヘラクレス社の所有地になっている事がわかる)
【廃工場】に行くと、いよいよシナリオはクライマックスに突入する。

【廃工場】

廃工場の周辺は民家が無く、人気は全くない。夜に行くなら明かりも着いておらず真っ暗で、不気味なまでに静まり返っている。
廃工場自体はそこまで大きい建物ではない。
しかし窓が全く無く、出入りできるのは正面にある両開きの引戸のみである。

(KP情報:この時点でシャロンや高山などの研究員達は外に出ており、中には誰もいない)

探索者達とミキが中にでは中に入ると、広い空間の真ん中辺りに蓋付きの水槽のような物が数十個置かれている。
水槽の中にはミキのような大型のカブトムシが優に100匹は入れられている。
ミキは「いた!みんな!!助けに来たわよ!!」と言う。

(KP情報:水槽の蓋には罠が仕掛けられており、開けようとすると電流が流れる仕組みになっている。探索者が無理やりにでも開けようとした場合1D3のダメージが入る)

その時、真っ暗だった倉庫に明かりが灯る。
背後から「やっと来てくれたな」と女性の声がする。
振り返ると、初日にミキを捕らえようとしていた女性が探索者達の方に向かってゆっくりと歩いてくる。
ミキは「シャロン…!」と憎しみの籠った声で呼び掛ける。

シャロンは「我々も忙しいからな。お前が自分からイス人を返しに来てくれるのを待っていた。さあ、そいつを我々に引き渡してくれ。勿論謝礼は出すぞ?」と探索者に持ち掛ける。

(KP情報:もしこの時に探索者がミキをシャロンに引き渡すと、この後のショゴスとの戦闘でミキが協力しなくなる為、生還は絶望的になる)

仲間達の変容
探索者がシャロンの申し出を受け入れた・拒否したに関わらず、シャロンが右手を上に掲げる。すると唯一の出入り口から続々と高山を筆頭に、白衣を来た男達が20人程入って来る。

しかしその直後、異変が起こる。

「てけりり…てけりり…」
水槽から多数の声ではっきりと、この背筋に寒気を覚える音が聞こえるようになる。
「てけりり…てけりり…」「てけりり…てけりり…」「てけりり…てけりり…」
声は段々と大きくなる。
水槽の中のカブトムシ達の姿が段々と解けていき、ドロドロとした玉虫色の液体へと変化していく。

「てけりり…てけりり…」「てけりり…てけりり…」「てけりり…てけりり…」
交わり溶け合った玉虫色の液体は、どんどん膨れ上がり、遂には水槽をいとも簡単に破裂させてしまった。

「てけりり…てけりり…」「てけりり…てけりり…」「てけりり…てけりり…」
そして玉虫色の液体は全てがひとつに混ざり合い、巨大なひとつの塊になった。

「う、うわあああ!!!」「逃げろ!!」
白衣の男達が慌てて逃げ出そうとする。

しかしそれよりも速く塊となった『ショゴス』は、出入り口に我先にと群がる男達に向かって転がり、男達を飲み込んでしまった。
「うわああああああああああ!!!!」

「高山!!お前達!!」
部下達を失ったシャロンが叫ぶ。

(KP情報:人口ショゴスに取り込まれたイス人達は正気を失っており、本能的に動くものを追い掛けるようになる。この時 研究員達は一度に大勢で動き出した為、人口ショゴスの気を引き付けてしまったのである)

ショゴスに変容したミキの仲間達を目撃し、更にはそのショゴスが人間を喰らう場面を目撃してしまった探索者はSANチェック(1D6/1D20+3)

(KP情報:もしここで探索者が発狂した場合はシャロンに<精神分析>を振らせて発狂解除を試みる事も可能である)

起死回生の一手
ショゴスが唯一の出入り口である両開きの引戸の方へと転がって行った為、探索者とミキ・シャロンは廃工場の中に閉じ込められる事になる。

部下達の死に一瞬狼狽えたが、冷静さを取り戻したシャロンは「この状況を何とか出来そうな手段ならある。万が一に備えてこの廃倉庫内には、ショゴスを溶解させる薬を噴射する装置が取り付けてある。だが運が悪い事に…装置のスイッチはあそこだ」と、出入り口の横の壁にあるスイッチを指差す。
それを聞いたミキは「…私が行くわ。私ならあそこまで飛んで行ける」と言う。

ミキの言葉を聞いたシャロンは「これを使え」と探索者全員に大型の銃のような物を渡してくる。

ミキ「…!それ、電撃銃?」
シャロン「ああ。しかも素人でも扱いやすいように、我が社が改良を加えた物だ。これを使って彼女を援護するんだ」

電撃銃のデータは以下の通りである。

電撃銃(ヘラクレス社改良型)

【基本命中率】使用者の<DEX×5>の値
【ダメージ】1D10
【1ラウンドの攻撃回数】4発。
1回の射撃で何発でも好きなだけ発射してかまわないが、1度に撃つのが4発を超える場合には、4発を超える分の1発ごとに銃を焼いてしまうチャンスが5%ずつあって、チャンスは累積的に高くなる。
【装弾数】32発分のエネルギー・パックが備わっている。再装填には1ラウンドの時間がかかる。
【基本射程】100m。
それを超えると100mごとに命中率は20%低くなり、ダメージ・ロールの結果から3を差し引く。
【その他 特殊効果】
使用者はMPを1消費する毎に命中率を10%ずつ上げる事が可能である。
ただしこの効果は1発撃つと解除されてしまう。
1ラウンドに複数発撃つ場合は、1発毎に幾つMPを使用するかを宣言する事が可能。

シャロンから電撃銃を受け取ると、人工ショゴスとの戦闘に突入する。
探索者が1人しかいない場合は、シャロンがお助けNPCとして電撃銃を使って戦闘に参加する事になる。

また、前述のシャロンとのやり取りでミキをシャロンに引き渡していた場合、ミキは戦闘に参加せずにどこかへ飛び去ってしまう。

人工ショゴスとの戦闘

特殊ルールがある為 以下の内容をよく確認して進める事。

〔戦闘ルール〕
▼ミキがスイッチに辿り着くまでに最低3ラウンドかかる。
(スイッチを押すのは4ラウンド目になる)
▼ショゴスはミキを最優先で攻撃する。自分の手番でミキに向かって触肢を1ラウンドに1D6本伸ばしてミキを捕まえようとしてくる。
▼探索者(及びシャロン)はショゴスの触肢を攻撃、命中すればミキへの攻撃を防ぐ事が可能。またミキ自身も1ラウンドにつき1回だけ<回避>で判定可能。
▼もしミキが触肢に捕まった場合、次のショゴスの手番までに触肢を攻撃し、命中すればミキを逃がす事が可能。ただしミキが触肢に捕まっている間はスイッチに向かって移動する事が出来ない為、その場に留まる事になる。

人工ショゴス

【STR】63 【CON】42 【SIZ】50
【INT】7 【POW】8 【DEX】3
【HP】46 【MP】8 【DB】+5D6

【武器】
<触肢>80%、1ラウンドに1D6回攻撃。
この触肢に捕まった犠牲者は次のラウンドから1ラウンド経過する毎に体を消化され、SIZを1ずつ失う。

(※ミキが戦闘に参加しない、あるいは死亡した場合は↓の攻撃も使用する)
<押しつぶし>70%、ダメージ:DB

【装甲】なし。ただし(1) 火と電気の攻撃は半分のダメージしか与えない。
 (2) 物理的な武器、たとえば火器は、貫通したしないにかかわらず1ポイントのダメージしか与えない。
 (3) ショゴスは1ラウンドに耐久力を2ポイント再生させることができる。
【呪文】なし
【正気度喪失】ショゴスを見て失う正気度ポイントは1D6 / 1D20

(KP情報:【装甲】の項目に記載してある通り、電気は半分のダメージしか与えない為 電撃銃でショゴスを倒すのは困難である。また物理攻撃もほぼ効かない為、ミキの協力なしでは探索者の生還は絶望的である)

〔探索者のHPが0になった場合〕

探索者のHPが0になった場合は、残念ながらロストとなる。
描写は以下の通りである。

まとも立つ事すら出来なくなったあなたの頭上から、ショゴスがまるで津波のようにその体を叩き付ける。

そうしてショゴスの体内に取り込まれたあなたの耳には、輪唱するかのようにあの声が響く。

──てけりり、てけりり、てけりり…

鳴り止まない悪夢のような歌を聴きながら、あなたの体は段々と溶けて、ショゴスの一部へとなっていく。

──てけりり、てけりり、てけりり…

ショゴスが奏でる葬送曲を聴いている内に、あなたの意識は遠のき、眠るように途絶えた。

〔ミキがスイッチを押す事に成功した場合〕

ミキはスイッチを押した後、開けっ放しになっていた出入り口の隙間から素早く外に退避した。その直後、天井に取り付けられ装置から霧が吹き出す。これが溶解液なのだろう。
霧を浴びたショゴスは苦悶の声を上げ、跡形もなく消えていく。

5分ほどして溶解液の噴射が終わり、ミキが探索者の元に戻ってくる。
ミキはショゴスが横たわっていた辺りを見つめながら、「みんな…、助けられなくてごめんね…」と呟く。

エンディング

──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

廃工場の天井の方から、地響きのような音が聞こえる。上を見れば、天井が綺麗な円形に削り取られ、中に浮いていく。

ミキ「これって、まさか…」
シャロン「…“あの時”と同じだな」

そうして切り取られた天井の部分が消えたと思ったら、ぽっかりと空いた穴から何か光る物が見える。
目を凝らして見ると、大多数の人間が想像するようなUFOと思しき物体だ。

そしてUFOから「『M4730-4898』!そこにいるか!?」と声が聞こえる、
それを聞いたミキは「…!私の仲間達だわ!!良かった…、生き残ってた子がいたのね…!」と喜ぶ。

探索者に別れの言葉を告げたミキは、宇宙船に向かって飛んで行く。
そして宇宙船はミキの体をゆっくりと吸い上げ、ミキの姿が完全に見えなくなると高速で飛んで去って行く。

シャロンも部下を失いこれ以上の活動が困難になった為、ショゴスの回収を諦めてアメリカへ戻って行く。

──それから半年後、冬。
まだ夕方だというのに辺りは既に薄暗く、空には一番星が見えている。

探索者は今日も仕事や学業を終えて帰宅していた。
その時。
「〇〇(探索者の名前)!!久しぶりね!」と、聞き覚えのある声で背後から呼び掛けられる。
振り返ると、そこには見知らぬ女性が立っていた。

少し会話をすればわかるが、この女性はあの『ミキ』と同一人物である。

ミキは「あれから私、『人間型ボディスーツ』を開発したのよ。安全に人間との交流が出来るようにね!」と笑う。
続けて「だからこうやって、時々〇〇(探索者の名前)の所に遊びに来てもいい?」と尋ねる。

その後の探索者とミキの関係については、KPとPLに委ねる事とする。

〔クリア報酬〕

生還報酬:1D10
人工ショゴスとの戦闘で一度もミキが触肢に捕まらなかった:1D6

※ 本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。 Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc. Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc. PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」


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