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「作るもの」と「創られるもの」 [9]

9.神が創られた計画を退け、新たな神・計画を作ろうとしたイスラエルの民


神はモーセとイスラエルの民に、エジプトを脱出する前に語られました。

出エジプト記 3:17
「それでわたしはあなたがたを、エジプトの悩みから導き出して、カナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの地、乳と蜜の流れる地へ携え上ろうと決心した」。

■  生存への危機感

神が創られた計画によって、エジプトを脱出したイスラエルの民でしたが、彼らが導かれた先は、飲み水も食料も無い荒野でした。

彼らは不安になりました。 

そして、「主は私たちの中におられるのか、おられないのか」と言い、不信感を露(あらわ)にしました。

神は怒られました。

出エジプト記17:1-7

■  リーダー不在

モーセがシナイ山に40日間籠っていた時、イスラエルの民は、新たな神・偶像を作りました。

この時も、不安になったからです。 

「さあ、われわれに先立って行く神々を、われわれのために造ってほしい。われわれをエジプトの地から導き上った、あのモーセという者がどうなったのか、分からないから。」

出エジプト記32:1-4

■  強い敵

神の命令によって、カナンの地へ偵察隊を派遣し、強い敵や巨人たちの存在の知らせをイスラエルの民が聞いた時、「エジプトへ帰ろう」というプランを作りました。 

これも不安から始まったことでした。 

「われわれはエジプトの地で死んでいたらよかった。あるいは、この荒野で死んでいたらよかったのだ。なぜ主は、われわれをこの地に導いて来て、剣に倒れるようにされるのか。妻や子どもは、かすめ奪われてしまう。エジプトに帰るほうが、われわれにとって良くはないか。」そして互いに言った。「さあ、われわれは、かしらを一人立ててエジプトに帰ろう。」

民数記13-14章

不安が生まれると、イスラエルの民は、改善策を考えました。

そして、神に選ばれた神の民でありながら、新しい神、新しい計画を作り出すのでした。

ここでも、神は怒られました。

そして、やがて彼らは荒野で滅びました。

なぜでしょうか?

それは、既に語られていた神の約束の言葉、

「それでわたしはあなたがたを、エジプトの悩みから導き出して、カナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとの地、乳と蜜の流れる地へ携え上ろうと決心した」

この神の言葉と約束を見失っていたために、新しい神、新しいプランを「作り出そう」とし、神と約束の言葉に信頼しなかったからです。

目の前に広がる不安な環境や出来事によって、人は改善策を考え、作り出します。

この社会では、それは普通に、当然のこととして、繰り返されています。

危機が訪れれば、回避策を考え、行動することは大切なことです。

けれども、一度、神の言葉が語られ、神の計画を聞かされたならば、事態は変わるのです。

普段から、「語られた神の言葉」と「約束」を忘れないように心に留め、信じて信頼することが、神から求められます。

そして、不安に感じたら、それを覆い包む神の言葉が、聖書に記されています。

その言葉に目を向け直し、状況とは関係なく、神の言葉と約束に信頼することが、私たちに求められている生き方です。

神は、信頼する者たちに、神の約束の言葉を実現させるからです。

今日、教会の中で人の争いが起きたり、経済的な困窮が訪れたり、難しい問題が発生したとしましょう。

これらに対して改善策を考え続け、改善に向かって進むなら、それは荒野で滅んだイスラエルの民と同様の歩み方・生き方になっていきます。

むしろ聖書には、キリストの教会に対する、力強く、不動の神の言葉と約束が、幾つも記されています。

そこに目を向けて信じ、信頼することです。

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