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第2の感情を感じると相手は理論武装が始まる。

第1の感情と第2の感情について、今回は考えてみたいと思います。

部活動指導のなかで、当然ですが生徒のことを肯定的に見ていられる場面だけではありません。

安全を疎かにする行為、他人の人権を侵す行為、反社会的な行為等等、それらに対して指導者としては強く指導をしなくてはならない場面もあります。時には語気を強めて重要性を印象付けることもあるでしょう。

しかし、ここで注意しなければならないのが、感情的に怒っているという部分だけが伝わって、肝心の中身、「何がいけなかったのか」が伝わらないことがよくあるということで。やはり、叱るときの言葉の選び方は重要なのです。

言葉を選ぶ際に、第1の感情と第2の感情についての認識があることで適切な言葉選びの助けになると思います。

では、第1の感情と第2の感情とは何か。
例えば、第1の感情は、自分が最初に感じる感情で、映画を見て悲しいと思う感情などです。第2の感情は、第1の感情の次に来る感情で、ある一定以上高まった第1の感情を癒す、または解消するために表現方法で、怒りとして表現されるケースが多いです。

よくあるのが、第1の感情としての悲しい感情が溢れて、それを解消するために、怒鳴る、ふてくされる、悲しい顔で同情をさせるといった第2の感情による行動を取るということがあります。

ここで、同じ内容を伝えようとしている2種類のセリフを紹介します。「希望」も基本感情の1つと言われていますが、この3つのパターンそれぞれで、「希望」という第1の感情が、「怒り」という第2の感情に変わってしまっている点に注目して下さい。
パターン1
「きちんと参加して欲しい」→第1の感情
「どうして、遅刻ばっかりすんだ!」→第2の感情

パターン2
「この仕事を頼みたい」→第1の感情
「さ、さとやれよ!」→第2の感情

パターン3
「ここはこうし欲しい」→第1の感情
「何やってんだよ。違うだろ!」→第2の感情

相手をコントロールしようという第2の感情が言葉になってしまうと、往々にして相手は対抗しようとしてきます。その結果、本来希望している第1の感情は伝わらず、耳を傾けるというより自分を守るための理論武装を始めてしまいます。

大切なのは、自分の気持ちが本当に望むことは何なのかにフォーカスし、相手をコントロールすること以外の手段を考える解決策を練ることに集中することなのです。

つまり、あなた、もしくはあなた方は敵ではありません。私がしたいのは、コントロールすることではなく、これです。と理解してもらうこと。あなたを言葉で潰すことなんて興味ありません。私の目的はこれです。ということを理解してもらうための言葉を選ぶことが大切です。

相手を自分の思い通りにコントロールしようと思うとかえって本当に望むところから遠ざかってしまい、袋小路に入ってしまうことがあるのです。指導の言葉を選ぶときには、本来は何を希望しているかについて振り返り、意識を向けるといいかもしれません。

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