ギャングース

観てきた!!!ギャングース!!

「22年目の告白~私が殺人犯です~」とか
「太陽」とか「ビジランテ」とか
「サイタマノラッパー」とかを撮った入江悠監督の最新作。

わたしは「太陽」で入江悠監督のファンになったんだけど、あれ好きなんだよね…太陽…
あれの何がいいって、キャストとあの「どうしようもねえ」感なんだよね。
神木隆之介と門脇麦って最高オブ最高。
しかも二分化された世界っていう難しい設定なのにしっかり話に引きこまれるし、
その世界にもがく神木君も見られるし、麦ちゃんのいなかっぺっぷりも可愛いし。
あの考えさせられるラストも好き。

「22年目の告白」もキャスティングがすごく良くて。
犯人役が藤原竜也で刑事役が伊藤英明だよ。
絶妙すぎんでしょ。
役にぴったりの俳優をガンガンぶっこんでくる感じが好きなんだけど、
絶対こういうのに土屋太鳳とか浜辺美波とか選ばなさそう。

「ビジランテ」はまだ観てなくて(ハードそうなのでメンタル強いときに観ようと思っている)
どういう感じか分からないんだけど、
観た友達は「どうしようもねえ!」って言ってたから多分同じく入江節強めなんだと思う。
15禁だし。

「太陽」「ビジランテ」はミニシアター系の映画で、
「22年目~」はシネコンでたくさん上映されて金ローにまで放送された大ヒット映画。

公開規模で言ったら幅広い映画を作ってるんだけど、
入江悠監督の映画ってわたしが思うに、
なんていうかすごい暴力的で、がむしゃらで、怒りとか憎しみとかをパワーにしていて、
でもやっぱりその中心には愛とか想いがあるみたいな…
一言で言えば人間くせえ映画を作ってるなって思う。

そんなわけでかなり期待して観てきたギャングース。

超~~~~~~~~~~~良かった…!!!!
良かった点、3つ。

キャスティングが完璧だったことと、
ロケーションが良かったこと、
細かい演出にまでぬかりがなかったこと。

この3つが重なって、もうね、一言で言えば「ありそう、いそう、怖い」の三重奏だった。
なんだそれは。

キャスティングが最高

やっぱり入江監督の映画だなって思った、キャラが良かった。
配役が完っ璧だった。

まずビビったのは、
えっ、渡辺大地 誰ですか????????ってこと。

てかこれ本当に渡辺大地なの?
わたしのイメージって「まれ」のダサい同級生役か「勝手にふるえてろ」の二(に、という名前)役だったから、
なんかこんなグーフィーみたいな顔してたっけ…?て思った。
意外と背高くて痩せっぽっちのでくの坊みたいな感じで、渡辺大地だってわかってても全然渡辺大地に見えなかった。
眉毛とか髪型でだいぶ変わるな。あとたぶんスッピンだ。

でも本当に見た目も演技もどピッタリだった。

渡辺大地は、詐欺グループが稼いだ金の窃盗をして暮らしている主人公3人のうちの1人で、
コミュニケーションが苦手であんま喋らないんだけどハンドル握らせたら最強、みたいなキャラなんだけど、
演技力がすごくて本当にいそうな存在感。。。

(ていうか本当に何度も言うけど渡辺大地に見えない。)

それをはじめとして、凶悪詐欺グループ「六龍天」側の人たちも本当にいそう。
いそうすぎて日本こええ…ってなる。
普通に生活できてることに感謝すらしてしまう。

六龍天のボスがMIYAVIでその部下が金子ノブアキ、その愛人が篠田麻里子。
良すぎだろ…!!!!!!!

主人公3人の情報屋は林遣人なんだけどこれまた本っっっ当に絶妙だった。
中国人とのやりとりも本当にありそう。

途中出てくるヒカリという名前の女の子、どっかでみたことある~と思ったら
「湯を沸かすほどの熱い愛」のあの子だった~~~~~~~~~~そうだ~~~~~~~
どうりであんな不憫な役ぴったりなんだわ…
伊東蒼ちゃん、ああいう役本当に似合う(と言っていいのか?)。

ロケーションが絶妙

廃バスでの生活のシーンとか、
3人でモメる河原のシーンとか、
キャバクラ裏の細くて汚い路地とか、
タタキのターゲットとなる詐欺事務所とか、
3人が牛丼を食べていた個人経営のお店とか…

何回も言うけど、
この映画は本当に現実にありそうな感じだったからそのリアルさがとにかく、とにかく怖かった。

変に誇張して現実味がなくならないようちょうどいいロケーション。
リアルだった…。

このリアルすぎて怖い感覚は「ヒメアノ~ル」でも感じたんだけど、
ヒメアノ~ルも本当にありそうすぎて怖かった。
あの安っぽいアパートとか掃除するシーンとか。。
あんなにジャニーズに見えない森田剛を見たのは初めてだった…

すみずみまでリアルな演出

はい、ギャングースの話に戻るけど、
その2つに加えて細かいところまで演出のぬかりがなくて、
とにかくありそう感がすごかった。

窃盗したお金を缶に入れてそうだし
iPhoneじゃなくてどっかで拾ったみたいなスマホ使ってそうだし。
みんな箸の持ち方汚いし。

あとさりげないシーンなんだけど、
3人が(というかカズキが、だろうけど)ヒカリ宛てに折り紙を枕元に置いてて、
のちのバス内のシーンで何気なく折り紙の輪飾りが飾られていたのにはグッときた。
きっと3人がタタキをやっている留守中にヒカリが作ったんだろうなぁ。

あ、あと、トラックの運ちゃんが提供してくれた倉庫みたいなところで皆がいろいろ作るシーンで
後ろの方でヒカリがキックボードをしていたりとか、
別のシーンなんだけど(どんなシーンか忘れちゃったんだけど)
中華料理のオッサンが後ろの方でお手玉をしてたりとか。

そもそもストーリー自体がずっとジェットコースターみたいに興奮要素バリバリなんだけど、
そういう風に画面の隅々まで細かい動きがあったから最後までまったく退屈しなかった。

アクションもキレキレでダイナミックで何度もビクッてなったし声も出た。
周りに人がいなくて良かった。。
MIYAVI意外とすごい動けるんだなーって思った。

(てかMIYAVIの役どころ最高だった。「加藤。加藤ー。加藤ー。」のヤバみがヤバみ。ヤバみ。)

ギャングース観てくれ

あ、そうそう、
こないだ東京のトークショーで入江悠監督を見にいったときの話で、
隣に座ってた人がまさかの出演者だったから、トークショーの後で話しかけたんよ。
「わたしまだ観てないんですけど、どういうシーンで出てこられるんですか?」って聞いたら、
「3人が少年院を出た後もなにかと邪魔をするみたいな役なんですけど…坊主なんですぐ分かると思います」
ってすごい控えめに言われたんよね。

その人は細身で静かそうな方だったから
「映画で見つけられるかな~!」とか思ってたんだけど、
いざ映画を観てみたらけっこうがっつり出てて、しかもね、かなり(かなり)怖い役で、
そのギャップに超絶びびった。
役者ってすごい…。

たぶん皆も観たら分かると思う、坊主なので。
実際すごく優しい方でした。

ああ、そんなわけで、ギャングース。

これは社会の底辺にいる人たちの話なんだけど、
わたしって簡単に感情移入しちゃうたちだから本当にしんどかった(褒めている)…。
これからの3人を思うと泣けてくる。
最後のシーン良かったなあ。

本当にめちゃくちゃ楽しませてもらった映画だったな~~~~~
見た目も内容も味が濃い。

もうこれ絶対、絶対!牛丼食べたくなる映画だから、お腹ぺっこぺこにして観て下さい。
板チョコは持って行ってね!!!!!

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