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シシリー・メアリー・パーカーが描く花の妖精と植物の世界

プールの帰り道、道路沿いに植えられた木が、ころっとした花を付けているのを見た。ショッキングピンク色の花だった。

その後も、自転車に乗りつつ、花を探しながら家に帰る。黄色の水仙、濃い紫色のヒヤシンス、家に着くと、玄関にある花もつぼみになっていた。オレンジ色したクンシランだ。

今日目に入ってきた春を告げる花々は、しっとりした質感で、色鮮やかなものばかりだった。

イギリスの児童文学・挿絵画家のシシリー・メアリー・パーカーが描く、花の妖精たちを思い出す。

初めて行ったロンドン、一人寒い中コヴェンドガーデンを歩き、小さな本屋さんで出会ったのが彼女の本だった。それは手の上にのるほどの小さい本で、小さい頃集めていたピーターラビットの本と同じサイズだった。

季節の花とその花にまつわる妖精がページごとに登場するという、なんとも心躍る世界だ。植物をきちんと観察して描かれた絵もうっとりするほど美しい。そこに添えられた言葉も美しい。

それに、こういう、植物と妖精が共存している世界に弱い。なにせ幼稚園の頃の夢が、こびとだったもので、その手の世界が大好き。

今でも、葉っぱの下が気になるし、日の当たるコケをズームで撮っちゃうし、スズランのような花を見ると、下から中を覗いてしまう。

小さい頃夢中になっていた世界。好きだったことすら忘れがちだけど、どうやら大人になっても夢中のままだったようだ。

最後までお読み頂きありがとうございます。 いとうれしです。