りーすひぇん

ドイツ在住 ドイツの文化財保護(Denkmalpflege/ heritage con…

りーすひぇん

ドイツ在住 ドイツの文化財保護(Denkmalpflege/ heritage conservation)専門 猫さん1匹と仲良く暮らす ポテチが大好き

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文化財は誰のもの

始めたばかりで設定もほとんど終わっていませんが、昨日からもやもやと考えていることを形にしようと思って、とにかく書き始めました。 ドイツでドイツの文化財保護を勉強して、文化財の修復に携わる会社に運良く滑り込み、文化財のありがたみを感じることはありませんが、文化財のために仕事をしています。アフガニスタンでの政権交代が起こってから1日たった今、色々な記事が目につき、ちょっと一言言わせてくれ、という心境になったわけで、急いでnoteを登録しました。 専門といっても文化財保護って色

    • ドイツ語作文コースに参加した話

      4月中頃から2ヶ月間、ドイツ語作文 (Textproduktion) に特化した短期のコースに参加してみました。自分のドイツ語の得手不得手を考えた時、日常的にドイツ語を使って仕事をしているので、人の話を理解して、ディスカッションもしているので(文法や表現の間違いはたっくさんあるけど)、聞くや話すことに苦痛はなく。わからなすぎて頭の中が真っ白のになってしまうということもなく。「うまくできないなぁ」と感じるのは主に文章を書く時。仕事で文章を書くことがほとんどなく、最近になってよう

      • ドイツ語教室を卒業した話

         先日、一年ちょっと参加したドイツ語教室を卒業した。今住んでいる街にB2以上のドイツ語コースを受けられる学校がなく、仕事の後に電車で大きな街へ移動しての受講は現実的ではなかったので、ドイツ語コースの受講自体を諦めていたところに、オンラインでC1コースが受けられるとのことで、飛びついた。講師指定の教科書を使って細かい文法の用法を確認したり、その場で即興でテキストをまとめたり、他の参加者と口頭で課題をこなしたりと、久々の語学コースがとても楽しかった。  C1用の本が終わったタイ

        • 色々と滞ってる話

          滞ってます。正確には、滞ってました。プライベートですったもんだの大騒ぎがあった挙句、インターネットの契約延長がうまくいかずに、1ヶ月インターネットなし生活を送ることになりました。スマホのパケット(死語)で生活していたんだけど、Zoomを使ってのオンライン授業や読書会には参加できず。ひたすら本読んだり、ぼんやりインスタ見て1ヶ月が過ぎ去っていきました。 滞ってたことは、 ・ドイツ語のオンライン授業 ・Zoomを使ったオンライン読書会(しかもオーガナイザー) ・西洋建築について

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        文化財は誰のもの

          ドイツ語の本を読む読書会を始めてみた話

           昨年末、参加していた読書会「ドイツ語でモモを味わう会」の課題本『Momo』が読み終わりました。その会がとても楽しかったので読書会自体を終わらせるのがもったいないなぁと思い、2冊目からは読書会「ドイツ語で読書を味わう会」の運営(といっても開催日のお知らせくらいですが)を始めました。先日第1回のセッションを行なったので、その時に感じたことなんかをまとめてみたお話。  ドイツ語でも英語でも何語でも、外国語で本を読むって大変なことです。一通りの文法が終わったので教科書以外の本でも

          ドイツ語の本を読む読書会を始めてみた話

          知識共有の場を始めてみた話

           りーすひぇんによる西洋建築史談義、というタイトルで西洋建築・美術を紹介するプレゼンを初めて開催したのが10月初め。最後のキャッチアップ会を含めて全6回、12月中頃に完走することができました。講義ではなく談義にしたのは参加者の皆さんが知っていることや知りたいことなんかをその場でわーわーと議論したかったからなのですが、如何せん私がしゃべりすぎててそれどころではなくなってしまいました。媒体はZoomでしたが、迷いに迷って無課金を貫き、40分ごとに参加者の方々に入り直していただくと

          知識共有の場を始めてみた話

          文化財は誰のもの⑤

          今回でやっと最後です。私なりの結論をつらつらと書いていきたいと思います。5回にも渡ってしまった。その中で文化財の様々な種類についてざっくりとグループ分けして、これはどんなもんだ、という話をしたかと思います。さらにざっくりまとめて、タイトルの問い「文化財は誰のもの」ってのに答えてみようかと思います。 文化財の種類としては不動産か動産か。そして不動産のなかでも観光地化している花形の文化財(城、教会、大聖堂など)と生活圏の中に溶け込んでいる文化財、その中でも戦争記念碑の問題点なん

          文化財は誰のもの⑤

          文化財は誰のもの④

          前回は戦争記念碑について。今回は紛争地域の文化財についてです。たぶん、というか絶対に私よりも詳しい人いるし、なんなら講義すら受けたことなかったんだけど、私なりの考えというか、タイトルの質問の答えが出たらいいと思っておりまする。 前回の記事で、文化財となっている建造物ってその時の為政者が偉さを誇示するために作らせたもん、のようなことを言いました。近代国家になってからはその規模も格段に大きくなって、政治的な思惑と結びつけられるようになりました。ナチスドイツが台頭した時代、「ドイ

          文化財は誰のもの④

          文化財は誰のもの③

          ②の続きです。本当に続く。今日はちょっと重ためのテーマです。 それと、冒頭に言い訳を毎回一応書いておこう。何があったわけじゃないんですけど。発言するからには責任持ちたいのですが、目下勉強中ということもありまして、絶対絶対これが正しいとは言えないし、言わないです。本で読んで論文としてまとめたことというよりも、大学院での勉強や仕事で感じたことから導き出された私論ですよぉ。 今回は「戦争記念碑」について。「戦争記念碑」って言葉聞いただけで、あれやこれやと思い浮かぶかもしれません

          文化財は誰のもの③

          文化財は誰のもの②

          続きの②です。毎日書くことにしたわけじゃないけど、言いたいことに辿り着くまでに時間がかかってしまうので一気に書き切ってしまいたい…飽き性だから… 文化財とは関心を寄せてもらってこそ存在していける、というところからの続きです。文化財にも色々と種類があって、いわゆる花形二枚目文化財と、地味だけどいい味出してる文化財があります。花形は大体観光地化してますね。大聖堂なり、教会なり、城なり、山城なり、宮殿なり…街並みそのものが文化財ってところもありますね。レーゲンスブルク、バンベルク

          文化財は誰のもの②