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2020年エース有原航平、今期初勝利を掴む。二人のリョウが歩き出す、再びの始まりへー不振の底を蹴った渡邊諒ー主戦捕手を目指す道へ戻ってきた石川亮ー

ファイターズ2020 7/17 25試合目 札幌ドーム F×M 7対4

トップの写真は、リンク先のファイターズHP より みんな可愛いので飛んで見てみたらいいですよ😀

もう7年も前なのか…。2013年新入団選手の紹介。ドラ1渡邊諒(東海大甲府)非凡な打撃と脚力、総合的な能力を高く評価された攻撃型の内野手。2位はセガサミー浦野博司。即戦力ピッチャー。3位は明治大学の岡大海、走攻守そろった糸井嘉男2世…4位も大卒投手高梨(現ヤクルト)6位白村明宏訳あり慶應ボーイ、などなど実力と話題の選手が揃った中で、ラストに滑り込んだ8位石川亮(帝京高校)の目立つ話題は、プロゴルファー石川遼と名前がかぶるーことくらいだった。

1位の渡邊諒、7位の岸里亮佑(現沖縄ブルーオーシャンズ)8位の石川亮 リョウは3人いた。

ここまでの間には、そりゃもう様々なことがあったが、最初に頭角を現したのは、未子の亮の方だった。2年目に一軍昇格。意外のようだが帝京高校始まって以来の1年生レギュラー捕手として甲子園出場、大谷翔平要する花巻東と対戦し勝利するなど、結構な野球エリート(小学校5年時に空手の全国大会優勝経歴もあり)なのだし、まあなによりも先輩の杉谷拳士と同じくというか後を追うというか、やたらに元気がよくてホームベースからスタンドまで届く声の大きなところが、良かったのかもしれない(まあもちろん顔も良かったわけですけどお)。

ドラ1で期待の大きい諒の方は、期待が大きいだけに苦しんでいたのかもしれない。当時から金子誠、中島卓也に続く、ショートのポジションに抜擢されていく若手選手は、次々と脱落するばかり。渡邊諒も内野も外野も守ったし、最終的はセカンドに移行する。一軍の試合に出場しても故障があったり、順調とは言えないプロ生活だった。

キャッチャー亮も、順調に一軍定着へと進むと思いきや、3年目で肩を故障。二軍の試合にも出られない状態で、2016年大谷翔平フィーバー日本一のチームにも全く参加できず。すでに多くの亮くんファンは、心配と悲哀にかきくれていた。

そんな2人の野球人生が、クロスするのは、2年前、2018年の7月。

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札幌ドームのソフトバンク戦。一軍と二軍を行ったり来たりしていた渡邊諒にとって生き残りを賭けたゲームで、彼は見事にバンデンハークからホームランを放つ。それも勝負どころで。

「もう1本打て… なべりょちゃん。もう1本打てば…!」

たまたまその試合、スタンドで見ていたわたしは、1人ぶつぶつつぶやいていたた。したら本当に打ったから。二度と忘れられない痺れ感だった。やっとのことで1人のスター選手候補が、ついに開花した瞬間に立ち会ったんだもの。そこから渡邊諒セカンドレギュラー奪取の道は、開けていくことになる。

石川亮もまた怪我から立ち直り、同じ7月には有原航平のパーソナルキャッチャーとして名乗りを上げていた。当時のスポーツ新聞北海道版は一面扱い。早朝にコンビニへ自転車で走って買いにいきました。

あれから2年、渡邊諒はレギュラーとして一軍で過ごし、石川亮は有原さんと組んだり外されたり、吉田輝星にプロ初勝利をプレゼントしたり、また二軍に落とされたりしながら。そして昨夜、ファンから見れば、もどかしい時間を過ごしていた二人のリョウは、同じ試合で大きな岐路に立つ。

開幕から打撃不振に悩み続ける渡邊諒ー何度もチャンスを潰し、エラーで失点のきっかけを作りーこのままではさすがに栗山監督の我慢も限界、というよりなべりょちゃんの精神が限界になるかもーと目をつぶりたくなる間際に。

4回表2対2、マリーンズに同点にされたところで、内野ゴロゲッツーの場面。マーチンがセカンドに滑り込んだ。今は禁止ルールになっている守っている野手の足元へのスライディングで渡邊諒は、足が痛む様子を見せた。結果的に守備妨害を取られマリーンズは3アウトとなるのだったが。

きっと流れは変わるーそう直感できた。

もちろん根拠は何もない。でも、きっとなべりょちゃんを支配していたーやらなきゃー失敗できないー打たなければーみたいなマイナス感情、ダメダメ感は、いきなり途切れたはずなんだ。自らは意図せぬ事故ー足が痛いー怪我したのかも?ー足元へのスライディングは禁止やろ?ーといった意識と感情のスイッチ変換によって(全て想像です)

打撃不振に陥って守備にも影響していた、なべりょちゃんに出来なかったことは「気持ちの切り替え」だったんだから。

そうして4回裏に迎えたチャンスの場面、渡邊諒は放った。回生のタイムリー2塁打を。頭が切り替わって本来のタイミングの取り方を思い出したとしか思えない、きっぱり感がある打席だった。

そしてさらに、次のバッターボックスに立っていたのは、石川亮。今年は打席を見る機会がほとんどなかったんで、全く知らなかったんですが、バッティングフォームを大胆に変えている。以前は確か坂本勇人モデルだったはず。今年は、バットを大きく前に出しほとんど直立のようなスタイルで構える。どっかで見たことあるようなないような。

「落合さんみたいですね」

こないだの試合で解説してたの誰だったか思い出せませんが(昨日は建山さん)「落合打法!」ってgaoraの近藤アンカーもすぐさま乗っかっている。そうか落合か〜〜??

神主打法と呼ばれし、永遠の三冠王落合博満。打法をほんとにマネしてるのかどうかは、本物の記者さんに取材していただくとして。とにかく。亮たんも打った!打ったんやで〜!追加点のタイムリー。これまで打てなかったストレートを打ったんだよ! 打てないキャッチャーはレギュラーになれない。ここでも葛藤し努力しつづける石川亮がいた。

先日の有原登板試合では、エースとともにバッテリー交換されていた石川亮だったが、このゲームは最後まで任された。首脳陣からの信頼が一歩進む。有原の捕手だけでなくチームが勝利を得る。そこにいること。一度は、遠く離れてしまったはずの第一捕手への道筋が、再び開かれる。チャンスの神様の前髪は、一気に獲らないとならないよ!

大人しい性質で、感情を表に出さない傾向のある渡邊諒。明朗快活、誰とでも会話する感情豊かな石川亮。全くタイプの違う、二人のリョウ。

ファイターズで出会って7年目、ドラ1と末子の8位は、25才を向かえる大人になり、同じフィールドに立ち、明日なき明日を戦う。


ファイターズ 9勝14敗2分















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