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明晰夢から生まれた多分、スピリチュアルな物語「冬の子」

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何年もかけて見た明晰夢をもとにした、異世界ファンタジー系の小説です。 マガジンとして、少しずつアップしていきます。 物語の内容 **〜**〜**〜**〜**〜** 全知全能…
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#スピリチュアル小説

第1章 出会い 04

4 ケン  サザンクロスの4人の司令官の最後の1人は、ケン・アシリア・ロータルミラト情報科学大佐だ。  現国王の弟、ロータルミラト公爵の次男で第4位王位継承権を持っている。本来ならば、国を離れ外界に出っ放しになるサザンクロスへの着任など、あり得ない身分だ。しかし、幼い頃から親しい王女の理想に共感し、一緒に未来をつくるために、この任を引き受けた。  そしてケンは今、司令官執務室で王女に送る報告書を作っていた。  その内容は、今日、自分たちが見つけて拾ってきた「冬の子」のこと

第一章 出会い 02

2 カイ  基地にもどり、偵察機から降りるや、カイは回収してきた敵の脱出ポッドに向かって走った。中の人間を自ら確認するためだ。  エアポートの吹き抜けの3Dスクリーンにユーゴが映っているのが見えた。  遠目にも険しい顔をしているのがわかった。無断外出の件でキレているのだろうと思ったが、それより捕らえてきた敵兵の方が重要だった。  メタリックに光る球状の脱出ポッドの周りには、メカニックスタッフが5人ほど集まっていて、ポッドの表面を焼き切ろうとしていた。  「お? ボタン操

第一章 出会い 01

アシリア王国 外界軍 移動基地「サザンクロス」1 ユーゴ  アシリア王国とラククス神皇國は互いに遠く離れた場所にあるため、戦闘の場は領界の外、有害光線があふれる場所「外界」だ。  そのため、両国はそれぞれ多くの外界基地を設けている。  サザンクロスはアシリア軍の中で唯一、固定型ではなく移動型の外界基地だ。  また、そのメンバーは全員、通常の軍組織には属さないアシリア王女直属の部隊だ。  色々と特殊だが、同階級の司令官が4人いるのと、その全員が20代後半の若者というのは、