見出し画像

母の病院

在宅看護での母の血液検査の数値が悪く、心配なこともあったため、大きな病院でさらに採血とCTを撮ることになった。介護タクシーを頼み、車椅子を借りて朝からあっち行ったりこっち行ったり。

最初は「ごめんね。いろいろありがとうね。」と朗らかだった母だが、時間が経つにつれ不機嫌になる。「まだなの?」「わたしだったら、まだなのか、あとどれくらいなのか聞いてくるのに!」「もう、いや。うちに帰りたい。」を延々と繰り返す。なんなら、検査を入れたわたしが悪いような、意地悪してここに連れてきたような言われよう。

母はこだわりが強い。帰りたいとなったら、ずっと帰りたいし、呼ばれるものがなかなか呼ばれないのがどうしても我慢ならない。「わがまま言ってごめんなさい。よろしくね。」と、言葉は丁寧だが、いついかなる時でも、自分の要求が通るまでこっちの都合関係なく何度も言われる。

これも認知症なのか、老化現象なのか、もともとの性格なのかわからない。考えてみたら、母がもともとどんな性格なのか、実はよくわかっていなかったりする。

診察後、「CTの結果は2度手間になりますが、後日ご家族の方に来てもらいますか?」の問いに「早く帰りたいのでそうしてください。わたしは行かない。もう帰りたい。」と即答。わたしの都合を聞かないの?と思うけど、この後結果聞くまで「まだなの?」攻撃を受けることを考えたら、別日に1人で来た方が楽。

その後も、トイレに行くのに「あなたには迷惑かけないから。ついてこないで!」と大声を出しつつ、車椅子で勝手に行ってしまい、ドアの前に車椅子を乗り捨てる。会計している間に、またまた勝手に出口まで行ってしまい、探しまわっていると「こっち、こっち!」と手を振る。

もし大変な病気だったら…と、できるだけ悪くならないうちに…と、いろいろ手配していた時は母への温かい気持ちがあふれていたが、もう2度と連れて行きたくないと思う。「なんでそうやって自分勝手なことばっかりするの⁈」と病院のロビーで怒ってしまい、帰りの介護タクシーではお互い無言になってしまった。その後「薬はまだ買ってないの?晩ごはんはよろしくね。」と言われて、わたしはお手伝いさん⁈と思ってしまってモヤモヤ。

でも今日はわたしよりもずっと心広く、優しい気持ちで介護している方や、わかりやすく老人介護の実態について描いている方のnoteを読んで心を落ち着かせることができた。

わたしも親の歳になったら、こうやって子どもたちを困らせてしまうのか…と不安になるのだけど、なるべくそうならないようにして行きたいなと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?