『西洋骨董洋菓子店』全4巻 よしながふみ(新書館)
漫画好きの同僚がいる。彼女にだけ「最近BLにはまっている」と、勇気を出して告白したら、次の日早速この4冊を貸してくれた。
表紙を見て、中をペラペラとめくり、わーこれは好きなタイプじゃないかも! と、ずっとほったらかしにしていた。(よしなが先生ごめんなさい。今は心の底から大ファンです。本当に!)
2週間くらい経って、さすがにもう返さなくてはと読み始めたら、その面白い事と言ったら・・・・一気に4冊読んでしまった。その上、よしなが先生の本を探し回り、買いあさってしまった。
物語は、アンティークという一軒のケーキ屋さんが舞台。
突然会社を辞めてケーキ屋を始めた橘は、子供の頃に誘拐されたという過去がある。そこへ、最高のケーキ職人と紹介されやってきたのは、高校の時に橘に告白してきた小野だった。その告白にボロクソいって振った橘の前に、今は魔性のゲイとなって現れた。
そんな二人が立ち上げたアンティークに、元ボクシングチャンピオンの神田くんが見習いパティシエとして、何も満足に出来ない橘の家の居候千影が接客として加わり、男4人のケーキ屋が町に馴染んでいく。
勿論ケーキも美味しそうで、つい食べたくなってしまうが、4人のやり取りや、それぞれの過去などかとても興味をそそる。
アンティークへやって来る客達の人生も交差して、様々なドラマが展開していく。
まるで今自分が生きているこの空の下のどこか近くに、この店があって、同じ時間を生きているような、そんな気持ちにさせてくれる漫画だ。