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ようこそダイソン/その2

偶然入った楽器店で、美しすぎるトロンボーンに出会い、惹かれ、恐縮し、逃げ出してしまった私(と、夫)。

とりあえずランチして、落ち着くことに…

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***

その頃、夫の妹さんが仙台在住だったので、誘って一緒にランチすることにしました。

いやはや、すごい楽器を見てしまったなぁ。
でも、落ち着こう。
あれは単なる、目の保養だ、うんうん。

だいたい私、今テンションがおかしいんだよ。
昨日初めてスガシカオのライブに参戦してさ。
その興奮も醒めやらぬ状態なんだから。
もう何見たって感動するような精神状態なんだ。

ほら、このランチのキッシュも、やたらと美味しいもん。

落ち着こうとしている私の向かいの席で、夫はさっきの楽器店やシャーゲルについてネット検索しながら、妹さんになぜ私のテンションがおかしいのか説明していました。

完全に面白がってるな?
でもほんとに!すごい綺麗だったんだよ!

「じゃあ試奏だけでもさせてもらえば良かったのに。購入検討してますって言っちゃってさ、吹いてみたらやっぱりちょっと違いましたってことにしたっていいんだから」と夫。

いやぁ…
それはちょっと…恐れ多いというか、
申し訳なさすぎるというか。

あれはもっと、上手な、すごい人が吹くべき楽器だよ…私の身の丈には合わないよ…

気持ちを切り替えようと、仙台旅行のもうひとつの目的であった、宮城県立美術館へ。

すると、展示されていた作品の中に、
シャガールの絵が。

シャガール…
シャーゲル……
さっきのシャーゲルの楽器、凄かったなぁ…

ああっ、なんか!
考えちゃう!あの楽器のこと、考えちゃう!
なんじゃこりゃ!恋か!?

このまま盛岡に帰っていいのか?
買わないまでも、買わないまでも!(2回言った)
もう一度見るくらい、いいよね?
もう二度と見れないかも知れないもん…

美術館から出た私は、夫と夫の妹さんに、モジモジしながら言いました。
「やっぱもっかい、さっきの楽器、見に行っていい?」

夫の妹さん「わー!なんか私も、話聞いてたら、見てみたくなってきたー!」

優しさに甘えて、再び街の中心部へ…

私「買わないよ!買わないけどさ!
見るだけ!ほんとに!」(うるさい)

***

結末は完全に目に見えていますが、次回、
「りえちん、楽器を買う」編です。
(「日村、時計を買う」みたいな言い方)

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

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ようこそダイソン/最終話

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