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ようこそダイソン/その1

自己紹介に、趣味でトロンボーンを吹いていると書いていながら、トロンボーンに関する記事をまだひとつも書いていないことに気がつきました。

今メインで使っている楽器(通称ダイソン)との出会いについて書きます。

掃除機の話ではないです、あしからず…

***

2016年9月、仙台にて。
高校生のころから大好きなスガシカオさんのライブに初参戦し、一泊して翌日。

夫と街をぶらぶらと…

夫はファゴットという楽器を趣味で吹いているのですが、このころは、程度の良い中古ファゴットがどこかにないかしらと、日頃からネットで探したり、楽器店や人のツテや、色々なところにアンテナを張っている時期でした。

仙台は盛岡よりも、中心部から徒歩圏内に多く楽器店があります。
私はファゴットのことは詳しくないけれど、人が好きなものについて語るのを聞くのは好きで、夫の街ブラに着いて歩くのも、なかなか楽しんでいました。

夫「あ、ここの2階も、管楽器扱ってるっぽいな。ここ見たら、お昼食べに行こうか。」

エスカレーターでのぼっていくと、視界に飛び込んできたのは、金色の林!…のような、
スタンドに立てられたトロンボーンの数々!!

「展示数すごくね?」

中でも、真っ先に私の目に飛び込んできたのは、シャーゲルというメーカーのもの。→これです

中古というのが信じられないくらいピッカピカ。
ハンドメイドのメーカーで、ショーケースの外から見ても、仕上げの丁寧さ、精緻さを感じました。

トランペットで有名なメーカーなので、知識不足の私は、トロンボーンも作っていることすら知らず、そこから驚き。

しかしそれよりも何よりも。

元々所有していたBachの36BOと比較してもらうとわかりやすいと思うのですが、

↓36BO

↓通称ダイソン



支柱が、ない!?
チューニング管も、ここじゃない!?
トロンボーンの上半分あたりの形状が、とっても珍しい!!

トロンボーンという楽器は、構造自体とてもシンプルなものです。

テナーバストロンボーンという、主管(B♭)とは別にF管という通り道を追加したものだと、
主管よりも長いF管をどんな巻き方でおさめているか、もしくは、なるべく巻かずに、はみ出させているか(先述の36BOは、はみ出させているタイプ)、各メーカーや型式で個性があり、自由度が高いところになります。

違う言い方をすると「トロンボーン」と呼べるものになるためのルールが少ないので、ルール以外の部分のやりようがたくさんある、という感じです。

もちろん音色や吹奏感、操作性に影響するので、見た目だけでなく、狙いがあっての工夫、設計、こだわりです。
(私はそこまで詳しくないので、とりあえず見た目で食いついてしまいますが)

それまでも、楽器店のフェアなどで、様々なメーカーの楽器を見たり、試奏したりしたことがありましたが、それらとは一線を画す、圧倒的なシンプルさ。
それを実現するための、パッと見ではわからない色々な工夫と技術について、店員さんからお聞きしました。

衝撃度を他のもので例えるなら、ガラケーしか見たことのなかった人が、初めてスマホを見た感じ、かも知れません。

ビックリでしょ?ビックリですよね?

は?ボタンそれしかないの?
それで電話とかメールとかできんの?
って、なりませんでした?なりましたよね?

もう、夫のファゴットの話はどこへやら。

ショーケースの外から、眺めに眺め、
うぅ、すごすぎる…さ、さ、触ってみたい…
吹いたらどんな音がするんだろう……

勇気を出して、店員さんに尋ねてみました。
「これ…試奏って、できますか?」

店員さん「マウスピースはお持ちですか?」
私「持ってません…」

そりゃそうです。
仙台には、スガシカオのライブ参戦のために来たんです。

店員さん「購入をご検討ですか?」
私「えっ……」

購入?このスゴスギ楽器を我が物に!?
そそそそそんな恐れ多い!
大体、楽器ならもう36BOがあるじゃん!

私「いや…そこまででは…」
店員さん「購入をご検討であれば、マウスピースも含めて試奏していただいても良いのですが…」

私「わかりましたそうですよねすみません図々しくてアハハハ!お昼!お昼食べに!行こうか!ね!!」
夫「えっ、いいの…?」
私「いいのいいの、アハハ!!」

逃げるように店を出た私。
長くなってしまったので、とりあえずこのへんで…次回へ続きます。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

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続きはこちら↓
ようこそダイソン/その2

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