見出し画像

一本のペンから覗く「私の世界」

少し前に買った、白いボールペンと色紙。


ここ1年ほどで
買ってよかった!ベスト・オブ・イヤーに上げるとしたら、コレ。

たった数百円だったけれど
思いのほか満足感がすごかった。


買おうと思ったきっかけの始まりは
数年前に見かけたイラスト。

たまたま辿り着いたとある方のブログで、素敵な手書きイラスト画像を見かけ、一目惚れ。「うっとり」に混じって、私の中に眠っていた何かがフツフツと湧き始めた。


子どもの頃から植物の『蔓』やモノの曲線美が好きで、植物を育てるのも好きだった。葉っぱで笛を作って遊んだり、食べられる雑草を母に教わって食べた記憶は、今でも楽しい思い出。

大人になってからも、蔓のような曲線や、蔓についてる葉っぱの形に惹かれる感覚は、ずっと変わらず。いいなぁと思った蔓や葉っぱを見つけたら、写真を撮る程度。

それが、たまたま見かけた素敵な手書きイラスト画像に、「描きたい・・!」という気持ちに気づかせてもらった。


そのイラスト画像は、色ハガキに白いペンでお城や可愛らしい絵が描かれたもの。白くて細い線が織りなす世界観を、自分でもつくってみたくなった。

と言っても、私の絵は、お世辞ぬきで下手な部類。
笑いを誘えるほどの独特ワールドさもなければ、うまいね!と言われたことは一度もない。

それでも、「描きたい」と思う自分のために、白いペンと色画用紙を買うことにした。

まず始めたのは、お気に入りの白いペン探し。インクの種類の違いもわからない私は、線の太さで選んでみることにした。


試しに、家にある黒ボールペンで、色々な線の太さを試してみる。
すると、家にあった一番細い0.5が私の好みと判明。

意気揚々と近所の文具屋に行ってみるものの、白の0.5は取り扱いがなかった。ネットで調べてみると、一本だけでの販売は少なかったり、送料もかかったりと割高。


買っても、自分の下手さに凹んですぐ使わなくなるかも?と思うと、そこは手が出せなかった。


それからしばらくして。
出かけた先の大きな街で、画材屋さんに立ち寄ってみた。

ハガキのサイズにカットされた画用紙も、様々な取り揃え。
さすがだなぁ・・!と感動。
けれど、バラ売りはピンと来る色や紙質がなく、好みのものは100枚単位。さすがに100枚はメモ用紙になるのがオチだな・・と迷っているうちに、予定の時間が来てしまい、その日は何も買わずに帰宅した。


それからまたしばらくして、隣街へ買い物に行った際、ダメ元で駅前の文具屋さんへ。

こちらの文具屋さん、本屋さんの中二階にあるような、こじんまり感。
けれど以前、結婚祝いの熨斗袋を探してアチコチ回ったときに、選りすぐりな取り揃えだったことを知って、密かに一目置いていた。
他にも、お気に入りペンの詰め替えを探して相談したとき、商品の把握ぶりにプロフェッショナルを感じて、感動した記憶がある。

とはいえ、こじんまりな文具屋さん。
まぁダメ元で・・と聞いてみたら、なんとあったんです・・!!


それも、私が探していた0.5ミリより更に細い0.4ミリ!!
「ぉおっ!!0.4ミリなんてのもあるんですね!」
感動する私を尻目に、テキパキと出してくださるお店の方。

ダメ元ついでにと、
「色画用紙のバラ売りなんてあったりしますか?」とたずねると、
「ここにあるだけになっちゃうんですけど」と案内してくれた棚は、私には十分な色バリエーション!

しかも、1枚30円!

おぉっ!これなら、試しに買って飽きても、罪悪感なくいられる価格!
良心的な価格に感動しながら色を選んでいると
「こちらが色見本になります」とお店の方が色見本を出してくれた。


私は、色見本が好きだ。

たくさんある色、それも似てるけれどちょっとずつ雰囲気や世界観が異なる色の中から、好きなものを選べるぜいたくさ。
これが、たまらない。

子どもの頃、100円持って駄菓子屋さんに行き、5円や10円のお菓子をどれにしようか悩んだ至福感と重なる。

色見本の中から、贅沢にも5色を選び(それでも150円!)、お店の方にお願いして購入させていただいた。

たったこれだけの購入だから、丸められちゃうかな~でもそれもしょうがない!と思っていたけれど、レジの方は当然のように、こちらの袋にされます?と丸めずに入れられる袋を用意してくれた。

その姿にまた感動・・!


予想外にお気に入り画材を買えた満足感だけでも、かなり幸せでした。


そうしてお迎えした色画用紙とペン。

色画用紙は適当な大きさにカットして、準備も万端。


家事の合間や、夜寝る前、気が向いたときに気が向いたまま、蔓や葉っぱを描いてみたら、これがまた、予想外に幸せだった。

それと、案の定、思うように描けなくてモヤモヤする日もある。
けれど、そんなときこそ!と「描きたいままに描く」をしてみたら、形にならない線とともに、自分の中に滞っていた感覚や、自分でも気づいてなかった気持ちが見えてくるようになった。


本当はアノ人のアノ言葉に引っかかってたんだな・・
本当は、アッチよりソッチが好きなんだな・・
本当は、やりたいんだな・・

とかとか。


自分でも気づいていなかった「わたし」が、見えてくるようになった。

見えてきた「わたし」も、そんな「わたし」に対して思うことも、全てそのままにしながらペンを走らせていくと、フっと抜ける瞬間も来ることがわかった。

あぁ・・このままでいいんだな・・!
あぁ・・気にしてもいいけど、気にしなくてもいいのか・・!
あぁ・・結果どうなるか考えず「やりたい」ようにやろう・・!

とかとか。


画用紙の上でペンを走らせていると、絡まっていた蔓が自然とほぐれるような瞬間がやってくるようになった。


そんなわけで。
この画像の画用紙は珍しくスッキリした葉っぱだけれど、ふだんはモリモリ茂った雑草のようなイラストになることがほとんど^^;

それでも、私好みの色画用紙と、私好みの細さと色ペンで戯れる時間は、たった数百円で買えたとは思えない満たされ感。

たった数百円、されど数百円・・!!


面白いなぁ・・!!


ちなみに、私が買った白いボールペン0.4ミリは、
PILOTさんの『LJP-20S4-W』

PILOTさんと隣街の文具屋さん
ありがとうーーーーーーーーー!!!


最近、あなたを幸せにしてくれたのは、どんな数百円ですか^^

明日も良い日になりますように^^

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?