へなちょこで良かったこと。

初めて知った。
「へなちょこ」には漢字があったらしい。

「埴猪口」
埴(ヘナ)の土で作った猪口だから、へなちょこ。

意味は、”未熟な人や役に立たない人をあざけっていう語”だそう。


改めて意味を見ると、自分にちょうどいい言葉で。
しっくりやら哀しいやら。

ちょっぴり哀しいけれど、それも含めて愛おしい。

たぶんそれは、へなちょこな自分が好きだから、じゃなくて。
へなちょこな自分だからこそ触れられた世界や人の温かさが、そう感じさせてくれてるんだと思う。


へなちょこだった分、人の温かさに触れさせてもらえたことが、多かった気がする。
それと、へなちょこだった分、心の内を聞かせてもらえたことも、多かった気がする。

自分以上に悩んできたんだろうなぁと誰の目にも明らかな存在の前なら、気張らずに済むからなのかな。

「今まで誰にも言えなかったけど・・」と打ち明けてくれた人も、何人も。

話す前より、表情のこわばりがゆるんだり
会う前より、ちょっとだけ表情に前を見る目線が戻ったり。


へなちょこなりに役に立てたことも、嬉しかったけど、その人が本来の生気をとりもどしてゆく姿が、何より嬉しかった。

それと、その人それぞれの大切な世界に触れさせてもらえた気がして。


現実は映画よりドラマチック。


みんな、いい人生を生きてるなぁ。

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