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井村雪菜ちゃんSSRを見て、全てのSSRはこうあってほしいと願う松尾千鶴Pのnote

注意

このnoteは既存のSSRやそのアイドル、そしてプロデューサーの方々を否定する意図はありません。全てわたし川翡翠リド(かわせみ りど)の個人的意見です。

はじめに

地中海Vtuberの川翡翠リドと申します。地中海らしさが微塵も感じられなくて申し訳ないですが、海の写真などもう少し上げていきたいところです。

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話は変わり、わたしはアイドルマスターシンデレラガールズの松尾千鶴のプロデューサーをしております。
そして私のすたっふには(規模が小さいですが)スマートフォンゲームの会社で働いている者がいて、ざっくりとした絵作りの話を聞くなかで、わたし個人にとって良いカードの条件とは「そのアイドルのことがよく考えられており、手間とお金がかけられている」と感じられるものだという結論に至りました。
その後、恒常で井村雪菜ちゃんのSSRが追加され、これこそが私の考えていたクオリティの高いカードだと感じました。
そこで、すべてのSSRカードがこうあってほしいという要素をしたためました。

中には自分の担当しているアイドルだったらどんなSSRでも嬉しいはずだ!というプロデューサーの方もいるでしょう。とても素敵な考え方ですね。ただ、わたしとは考え方が違います。

イラストの書き込みの多さ

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特訓前について、全体の物量が多いです(テーブル、花瓶マネキン、コスメスタンドなどなど)また、最近デレでは複数アイドルを一枚のカードに出して関係萌えを推しています。人間は透けないので、隠れる部分の背景は少し手抜きができます。しかし雪菜は鏡に映っている方は、中心は透けていないものの輪郭は透けていてその背景にあたる部分のオブジェクトがきちんと描かれているのがわかります。(プレゼントボックスなど)

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雪菜SSRは特訓後もコスメが山盛り描いてあって更に密度が高まっています。コスメ自体はコピペもありますが色が変えてありますし、コスメは現実でも同じブランドなら容器の形が同じなので、コピペでも特に問題は感じません。

物量が多いと言っても、単色サイリウムや手がコピペで賑やかしされていることもよくあるので、そういったコピペがなく、密度が高いイラストは手が込んでいると感じます。

構図、レイアウト

デレステはいろいろな機種に対応するためか、見切れてもいいように画面の上部になるべくオブジェクトを置きたくないという強い意志を感じるカードが多いです。よって屋内ステージ、屋外ステージをやや下カメラから映すような構図が多くなっています。当然その空いている上部は密度が感じられないことがほとんどです。
雪菜SSR特訓後も彼女はやや画面中央下に配置されていますが、画面上部はコスメやリボンによって密度があるので、物足りない印象はありません。

一般的に特訓後はライブステージというのがよくあるパターンであり、特に野外になると大部分が空になります。空は背景イラストレーターなら、建物と比較して割と誰でもよく描けます。ちょっと描くのが難しいと思う構図・レイアウトは満足度に繋がります。

また、昨年ごろからアイドルが中央にどーんと置かれる構図が少し増えました。Pとの距離感を詰めているように感じられるのは嬉しいポイントですが、絵の密度としては低い印象を受けます。特に特訓前は3Dモデルがなく、全身が見えないため、せっかくデザインされたお洋服をなるべく見たいのでアップよりもやや引きが個人的に好みです。

目が開いている

顔の可愛さはカードの魅力の大部分と言ってもいいですが、それだけ描くのが大変です。昨今のイラストでは、目を閉じている、閉じ目笑顔(^^)、ウインクを使ってなるべく省エネでかわいくしようとしていますが、今回の雪菜は特訓前後、鏡の中も含めてすべて開眼していて力が入っていることを感じます。

衣装のクオリティ、本人のキャラクターを踏まえた新規デザイン

大体の恒常初回SSRは初期衣装のアップグレードが多く、これ自体は成長を感じさせるエモさもあるものの、200人近いアイドル達で同じコンセプトを乱発させられると少し萎えます。雪菜は初回モバマスの悪役で出てきたこともあって、紫や黒のヴィラン風の衣装が多かったのでPさんたちはヒヤヒヤしたと思いますが、今回のSSRは完全新規デザインで「コスメが大好き、かわいくなりたい」という雪菜の性格をピッタリ表現したオリジナル衣装であした。私の良いSSRの判断基準は「手間を掛けた」であるので、一から考えられた点は非常にポイントが高いです。

特訓後の彼女らしいアイドル活動

前述の通り、特訓後はライブシーンであることが多いが、このSSRはコスメのイメージキャラクターを担当したポスターである(らしい)。日本のアイドルはライブも重要ですが、活躍範囲は多岐にわたるアイドル活動の中でこれは彼女にピッタリの仕事が表現されたことに感動しました。

テキストのクオリティが高い

カード名、「私に恋する私」というのはコスメのキャッチフレーズとも取れますし、自信がなかった彼女がアイドルを通じて自信を持てたとも実感できるということでTwitterでもかなり評価が高い印象を受けました。SSRを引くと一緒に貰えるルーム用ポスターの説明文は毎回ちょっと臭い(けどそれがいい)ポエムがあり、P達を感動させていますが、そのポスターフレーズの雰囲気がカード名にも入ってきた印象を受けました。
またスキル名 「私のためのコフレ」もすばらしいですね。コフレというのは日本だと化粧品セットを指します。お化粧に興味がない人、あるいはまわりに興味がある人がいない場合わからない人もいるのではないでしょうか。デレステは非常に多くのユーザーが居るコンテンツなので、自分が運営の立場だったら「コフレという言葉はピンとこないプロデューサーが多い」と思ってボツにしたと思います。しかしデレ運営は雪菜にとってぴったりだと思い、そして雪菜Pは受け入れてくれていると確信して、このスキル名にしたのではないかと(勝手に)感動しました。

(比較すると)特訓後の方がクオリティが高い

絵の密度、デザイン性などを考慮すると、私の判断基準としては雪菜SSRは特訓後のほうがクオリティが高いと感じます。
運営も予算と戦っているので、全てのクオリティを完璧にすることは厳しいと思いますが、特訓後のイラストの方が力が入っている方が嬉しいです。特訓前のほうが表情も構図も密度もいいのに、特訓をしたら密度が減り、画面上にいつものステージのライトや空が広がっていると個人的にはがっかり感があります。

ここから下は雪菜ちゃんのSSRに関係なく最近わたしが考えていることです。

密度が高いカードが絶対いいのか?

作業としてのコストは高くなりますが、密度を高くすることはわかりやすくカードのクオリティを上げられる方法だと思います。

シャニマスのカードは密度に関わらず全体的にクオリティが高いですが、これはアートディレクターや管理者レベルの人が、カードイラストの知識以外に現実世界のトレンド加工や表現をカードに盛り込むようディレクションしているような気がします。(わたしは社内のことは全く知らないので、あくまでアウトプットを見ての印象です)それはそれで、有能な人をディレクターとして雇うということはコストが高くなります。そもそも探すことが難しいです。

今のデレステチームにはそのような人がいらっしゃらないと感じるので(わたしは社内のことは全く知らない……以下略)単純に作業する人のコスト増でクオリティが上げられる高密度作戦がマッチするのではないでしょうか。

番外編: 同時実装はクオリティを揃えてほしい

同時実装されるアイドル同士はクオリティを揃えてほしいです。これは単に私が他人と常に比較する人生を送っているからというのはありますが、担当外でも「このカードはクオリティ高いけど、同じタイミングで追加されたこっちのカードとの差があるな……」と悲しくなることが度々あります。

番外編: やわらかい光を感じる塗りを増やしてほしい

去年から枚数は多くないものの、塗りが他のカードと違い、やわらかい光を感じるカードが何枚かあります。光を操れるとクオリティがぐっと上がります。
また現実世界だと逆光は避けられがちですが、イラストだと雰囲気が出ます。

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