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【導入地域の声】兵庫県香美町 松岡様

兵庫県の日本海側に位置する人口1万8千人ほどの人口を抱える香美町。

海、山、里の豊かな自然に恵まれたこの町で、建築塗装業を営む傍ら、NPO法人・TUKULUの理事長として地域課題の解決に取り組む、松岡大悟さんにお話を伺いました。

Ridilover事業を導入する前の課題感

ー企画力と発信力の不足ー

 実はリディラバと協業する前から、TUKULUとして、独自の移住交流ツアーを企画していました。京阪神から移住に興味のある7名に来てもらって、一泊二日で、香美町を見て回って、良い景色や美味しいものを楽しんでもらいました。

 すごく大満足して帰ってもらいましたが、ツアー参加者に見てほしかったのは「町民のリアルな日常」だったんですよね。しかし、結果的にはただの観光ツアーになってしまって。自分たちに何が足りなかったのかを洗い出したところ、やはり『企画力』を全く持っていないという結論に至りました。企画力に加えて、町外の若者に対して「こういうツアーあるよ」って伝える『発信力』も持っていないことにも気づきました。

Ridilover事業を導入して(1年目)

ー町外の人と一緒に地域課題に取り組むー

 自分たちの弱みである企画力・発信力をカバーしてくれる外部の人がいればいいのにと感じていた時に、ちょうどリディラバのことを知人から聞いて。うちみたいなNPOと出来る事ありますかね?とメールを送って、リディラバの社員の方とオンラインで話をした後に、香美町に来て町を見て回ってもらうと、話が盛り上がったんです。町からも無事予算も取れ、リディラバとツアーを企画することが実現しました。

 第1弾のツアーは、私自ら企画に携わった「カスミペイントワークショップ」ツアー。特に若い世代に来てもらって、田舎でも毎日充実した楽しい日々を送っていることを知ってもらいたいと思って企画しました。あと、一緒に空き家の壁を塗ってリノベーションをすることで、空き家問題などの地域課題に対して「こういう解決の仕方ができたら面白いよね」という話が町外から来た人と一緒にできればいいなとも思っていました。

 リディラバと出会い、一緒にツアーを企画することで、地域を盛り上げていくために自分たちにもできることがたくさんあると気づいていきました。私自身も、子供を持つ親として、嫌々仕事に行って帰ってきて飲んで寝てという生活を繰り返すよりは、自分がやりたいことをやっている姿を背中で見せたいなと

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(第1弾ツアーで壁を塗装した空き家。現在はTUKULUがカフェ兼コワーキングスペース「glass」として運営している)

Ridilover事業を導入して(2年目以降)

ー「たびづくりスクール」を通じて地域住民の主体性を向上ー

 でも、リディラバとTUKULUが協業するだけでは、香美町住民のまちづくりへの参画はまだまだ不足していましたね。田舎の悪いところで、まちづくりのために頑張っている人を遠目で見て「何かやっているらしいな」と傍観してしまうんですよ。でも、今この町に住んで、働いて、結婚して、子育てしているだけでも、めちゃくちゃまちづくりの一員。「自分自身がまちづくりの一員である」という意識が住民のなかで薄れ、まちづくりに対して無関心な住民が増えると、町から人が出て行き、町は無くなってしまう。

 だから、より多くの香美町住民にまちづくりに関わってもらうために、2年目以降は「たびづくりスクール」を開講して、TUKULU以外の地域住民の人にもツアーを企画してもらっています。TUKULUとしては、事前準備や後片付けなどを手伝うことで、住民が企画したツアーをスムーズに進めるためのバックアップの仕方を学んでいます。

旅づくりスクール」はリディラバが自治体より委託を受け、地域住民に対して実施する、住民の想いや問題意識をツアー化するための研修。このスクールで住民によって企画され、催行が決定したツアーは、販売〜実施までリディラバがサポート

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(香美町でのたびづくりスクールの様子。スクールの運営ノウハウもリディラバからTUKULUに移譲を進め、3年目からはスクールの進行の一部をTUKULUが担った)

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(スクールで、香美町住民・伊藤さんと2019年10月に催行されたプチサバイバルキャンプツアーの企画に一緒に取り組む松岡さん)

日本全国の地方を変えるために大切なこと

ーそれぞれの年代ごとの適切な役割を担うー

 まちづくりにおいては、30〜40代が特に頑張ってほしいですね。TUKULUを立ち上げた当初、メンバーの年齢は30~40代くらい。この世代が今までにない一歩を切り開く必要があると思っていました

 田舎町は年代別の役割が割とあって、香住では60代が町の中心で、30〜40代は若手、20代は居ないものにされる。本来は、30〜40代が中心となって動いて、50〜60代はオブザーバーとして見守る。20代は、30〜40代をしっかり見て、「もう少し歳いくとこんなことできるんだ」と鼓舞される、という図が正常だと思っています。年配の世代が自分たちで打ち破れないものを、若い20代がやれというのは難しい話で、まず30〜40代がどんなことできるかを見せていくべき。そうすれば、20代はもっと気楽に地域に関われると思うんです。

 でも、この考えを50〜60代の人に言うと怒られるんです。50〜60代の参画を否定してるのではなく、年代ごとの適切な役割があるだけという話。年配の人たちは元気でマンパワーはあるけど、昔のことを引きずっている部分があって、新しいことに一歩踏み出すのに躊躇しがち。だから、地域でまちづくりに取り組んでいる人たちには、自分の年代に合った役割を頑張ってほしいですね。それによって、日本全国の地方は変わっていくと思います。

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編集後記

 本業の傍ら、民間の立場から香美町のまちづくりに積極的に取り組む松岡さん。リディラバとの協業をきっかけに、他の地域住民も巻き込んで、まちづくりを進めています。

 リディラバは松岡さんのように、「地域の課題を解決したい」「地域外から人の流れを生みたい」と考えている皆様の想いを、旅づくりを通じて応援しています。

住民の想いを活かして、関係人口を増やしていくまちを一緒に作りませんか?

リディラバ 地域協働事業部は「住民の力で関係人口(移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々)をつくる」ことを目指し、地方自治体・地域のみなさまと一緒にツアー企画、催行を行なっています。

(過去取引自治体)
福島県南相馬市、兵庫県香美町、長野県信濃町、広島県世羅町 等

リディラバが地方自治体に提供する価値:

①地域住民の主体性の向上
住民対象のツアー作り研修「たびづくりスクール」を企画。ツアー企画を通じて地域の魅力を再確認してもらうことで、参加した地域住民が、地域課題解決の新たな担い手として活躍していくきっかけを作ります。

②関係人口の創出
地域住民が企画したツアーを実現するため、リディラバが地域外に向けて参加者を募集。ツアー当日も同行し、参加者が住民の想いに触れ、その地域へ深く関わる関係人口となっていくサポートを行います。

③ツアー企画を自走するプロジェクトにするべくノウハウ委譲
将来的に重要なのは、地域の力のみで関係人口を生み出していくこと。リディラバが蓄積してきたツアー企画・コンテンツ作成ノウハウを、複数年かけて地域住民や地域の団体等に委譲し、ツアーが自立的に生み出せる地域づくりを目指します。

リディラバのツアーに興味のある自治体の方はこちらよりお問い合わせください
パンフレットダウンロードはこちら


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