母親の入院遍歴と現在~その1

母親は交通事故被害1回(車対自転車)、脳梗塞での緊急入院、そして電車での転倒事故1回による臀部骨折(JR止めました、その節はお騒がせしました…)の入院経験が計3回あります。本当は交通事故はもう一回ありますが、そちらは入院に至らなかったので今回はカウントしません。
この入院はほぼ等間隔でやってきたので、なんというか年回りでそういう感じだったのかなと思ったりしましたが、思えばそれぞれがつながっていた感じもするので再検証してゆきたいなと思ったのです。

最初の入院~交通事故

まず最初は交通事故、自転車で横断歩道を渡っているときの、右折車との接触でした。接触だけなら大したことがなかったかもしれないのですが、接触の衝撃で運悪く蓋をしていない道路わきの狭い側溝に頭から突っ込んでしまい、頭と胸骨を骨折してしまいました。特に頭は小脳の中で出血してしまい、頭を開いて手術する必要がありました。
これは日曜の夜のことで、当時私は自宅におり、警察からの電話で事故を知りとるものもとりあえず搬送先の病院に向かいました。

当時の母親は自転車で移動しながら朝から晩まで大変アクティブに働いており、その移動中の出来事で、これは神様から少し休みなさいという事だったのだろうと、良いように考えればそうです。
ただ当時は、父の仕事がバブル崩壊で業績悪化して、借金を残してたたんでまだ大変だった頃なので、必死で働かざるを得なかったのです。父も朝から晩まで働いていました。
しかしこの時母親が倒れて判明したのは、貯金がほぼないという事実でした。母親は働き者でしたが浪費家でもあったので、自分が働いた分も、父が稼いだ分も、マイナスにはならないにしろほぼ使ってしまっていたのです。
一応これから貯めてゆこうという形跡はあったのでそのつもりでいたのかもしれませんが、母の入院後、いかにも母好みだけど高そうな和箪笥が配達されてきて、動揺した私は受け取り拒否して追い返したりもしたので、あのままだとやはり貯まってはゆかなかったでしょう。
あの時母親は、あらゆる意味で止まるべき時期だったのだと思います。

加害者になってしまった方

救急車を呼んでくれたのは加害者となってしまった方でした。
老いたお母さまと、人のよさそうな息子さんです。
そろって頭を下げてくださり、最初は母が思った以上の重傷であったため私は目を合わせることができませんでしたが、冷静になってみると逃げることもできたのにちゃんと救急車を呼んで頭を下げてくださる、そして車を運転している以上、自分もいつ加害者になってしまうかもしれない、そう思うととても憎めなくなりました。お互い大変でしたね、と声をおかけするとさらに深く頭を下げてくださり、とりあえずはその場を離れ、母の手術の待合に向かいました。
後で聞いたところによると、その息子さんは、この事故以前にも火事を起こしてしまわれたり何かと災難に見舞われていたそうです。ご本人もですが、お母様のご心労もいかばかりだったかと思います。
母の浪費を止めるために起こった事故だったという思いも私にはあり、事故としては横断歩道を渡っているときの右折車によるものだったので弁解の余地はないのですが、巻き込まれて本当にお気の毒だったと、今となっては思っています。

お金の問題

当時は住宅金融公庫への返済のみがあり、それはそう大変なものでもありませんでした。こんだけ働いてたら返しつつ貯金もできます。
しかし母親の事故による入院により、こちらは被害者とはいえあちらとの交渉が成立するまでには、入院費や母親が働けないことによる収入減を何とかしなければなりません。
なのに家の通帳には15万しかありませんでした。
愕然とした私は家の箪笥の引き出しを片っ端から開けて何かないかと探しますが、どこを開けても母が大好きで買いあさってた着物ばかりがパンパンにつまっています。絶望しました。
ただ幸いだったのは、母はいろんな保険に入りまくっていたということです。加害者側の保険会社からの保険金のほかに、いろいろ終わってからでないと受け取れないとはいえ保障されるのは気持ち的にも助かりました。
でも相手の保険会社に請求する場合、領収書の類はすべて保管して整理しておかねばならず、これも結構大変でした。
後で出してもらえるから遠慮せずに使え、と親族に言われましたが、とりあえず先立つものがないのでこまかく計算しながら使うしかありませんでした。

保険金が受け取れるまでは何とかしなければなりません。
頭を開いて血種を取り出す手術はひとまず成功しますが相変わらずICUです。意識はあり、会話ができます。記憶もしっかりしています。
しかし果たして回復するのか、回復するにしてもどのくらい入院しなければならないのか、私も働いてはいましたが微々たる稼ぎで、母が倒れたことにより家のこともすべてのしかかってきて、さらに病院の事や相手の保険会社との話し合いもあります。
とても家計の足しになるような働きはできません。

ひとまずここまで、続きます。

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