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アメリカの大会に行ってきた話 〜ギラティナの結論〜

こんにちは。ダイチと申します。
普段は池袋・秋葉原を中心にポケカを遊んでいます。
今回NAICというアメリカの大会に参加してきたのでその振り返りをしようと思います。
ゆるく書いていくので最後までお付き合いいただけると幸いです。

NAICとは

IC(International Championships)とは年に3回行われる国際的なポケモンの大型大会で、NAIC(North America International Championships)はシーズン最後のICです。
今回の開催地はNew Orleansという場所でした。

この大会は誰でも参加可能で、優勝者には25000ドルの賞金が与えられます。
ICについて詳しくはnoteを書いている方がいるのでそちらをご参照ください。

バッジ

準備編

準備といってもやること自体は簡単です。
・大会に参加登録する
・デッキを用意する
・会場に行く
この3つだけです。そのハードルが若干高いのは否めませんが。

参加登録

今回のNAICから大会の登録方法が変わりました。専用サイトができてそのページ経由での登録になりました。変更点としては、

今まで:登録ページをリロードしつづけて入れたら15分以内に支払いを完了する

今回:登録ページから先着順で支払い情報を入力して定員に達する前に提出できたら成功

これによって、根気強くリロードしてタイミングが合えば誰でも登録できるという仕組みから回線とタイピング能力が足りない人は登録できないという仕組みに変更されました。その結果、参加予定だった人の多くが参加できずに終わるという事態が発生しました。

デッキ用意

ICに参加する上で英語版のカードの用意は大きな課題です。というのも、ICは新弾発売直後に開催されるため日本でカードを用意することができません。ICは日本語で参加することもできるので必ずしも英語のデッキが必要というわけではないのですが、新弾直後ということもあってテキスト確認される場合が多いため英語の方が楽です。
例えば今回使用したデッキだとハッサクは使用するたびにテキストを確認されました。これが日本語だった場合はジャッジを呼んで説明することになるためタイムロスになります。

英語版のカードの入手はICごとに以下の方法で行いました。

LAIC:
・デッキ60枚をebayで購入
・最新弾のカードを日本在住のアメリカ人に貸してもらう

EUIC:
・海外のカードを扱っている日本の店で探す
・海外を旅行していた友人に最新弾を一箱買ってきてもらう
・足りないカードを会場でトレードにより入手

NAIC:
・足りないカードを海外在住の日本人プレイヤーに貸してもらう

見ての通り全て他人頼りです。一年を通して本当に多くの人に助けられました。本当にありがとうございました。

おすすめとしては出来る限り英語でデッキを組み、足りないカードを現地で揃えるという方針で、万一揃わなかった場合に備えて日本語で同じデッキを持っていくというのがいいと思います。

旅行編

今回初アメリカということで色々と大変でした。旅の思い出として記録に残します。

ESTA申請忘れ

アメリカに入国するためにはESTAという簡易ビザのような書類が必要なのですが、それを飛行機の搭乗手続きの時に知りました。2時間で審査が終わるとのことで速攻申請しましたが、審査が完了した時には飛行機は行ってしまい、便を変更することになりました。
また、これも知らなかったのですが、飛行機の券は往復で買った場合、往路を使わず復路だけ使うということはできないそうです。つまり仮に行きの便を新たに買うことになれば帰りの便も同時に買い直すことになります。
ANAのカウンターで聞いてみると最安値で往復110万という絶望的な金額を提示されました。
主導権のあるアメリカン航空に聞いてみると便の変更は可能とのこと。ただし組み合わせの関係で行きの便のみを変更する場合は追加で40万以上かかるとのことで帰りの便も合わせて変更することになりました。結果次の日の便になり滞在が1日伸びることになりました。

ということで、この件で追加でかかった費用は以下の通りです。

・変更差額4000円
・変更手数料25ドル
・電話代35分
・ホテル代1泊
・有給1日

ブラジルでもイギリスでも特に追加で書類が必要なかったため確認を怠ったのがいけませんでした。初めて行く場所は今後しっかり確認するようにします。

物価が高い

日本と同じ感覚で消費を行うと倍ぐらいのお金がかかります。自販機のファンタが2.5ドル。今のレートで400円ぐらいです。円安の影響を抜きにしてもなかなか高いです。現地の方々と一緒に食事に行ったりしたのですが、アメリカの方が給料が高いためか金銭感覚に差を感じました。

移動手段がタクシー

アメリカではタクシーのUberが盛んで、移動のほとんどにタクシーを使用しました。呼ぶと1〜2分で到着し、名前を伝えると目的地まで連れていってくれます。支払いもアプリ内で行うためとてもスムーズでした。

現金を使わない

今回の旅で一度も現金を使いませんでした。コンビニ、自販機、レストランなど全ての支払いがカードで行えました。トレードなど一部現金があると便利な場面はありましたが必須ではありませんでした。日本も見習って欲しいものです。

対戦編

ここから大会での対戦について話していきます。
使用したデッキとマッチングは以下の通りです。

使用したデッキ

安定重視で構築

2ターン目にロスト7到達を最優先に考えて構築しました。このリストに至った経緯は後で話します。

マッチング

day1
サーフゴー ⭕️⭕️
リザドラパ ❌❌
ロスト古代 ⭕️❌➖
ロストドラパ ❌⭕️➖
未来イサハ ⭕️⭕️
ルギア ⭕️⭕️
ネイティオドラパ ⭕️⭕️
サナ ⭕️⭕️
ピジョビーダルリザ ❌⭕️⭕️
計20pt

day2
ルギア ❌❌
サーフゴー ⭕️❌⭕️
ロスバレ ❌⭕️❌
古代 ❌❌
古代 ⭕️❌➖
ドラゴ ❌❌
計24pt 239位

概ね想定通りのデッキにあたりました。

反省

負けた対戦についてはデッキ構築の段階で割り切っていた動きをされて負けたので甘んじて受け入れています。
特にday2は
“You are too good!”
“I'm not gonna complain.”
というような会話を何度もしました。アンフェアスタンプやツツジを使っても止まらない人は止まらないんだと改めて気付かされました。

今回の大会における最も大きな反省点はタイ(引き分け)を何回もやってしまったことです。25分のBO1であれば片方が急げば大体間に合いますが、50分のBO3はお互いの協力なしには最後まで終わりません。これについて少し詳しく話します。

タイ(引き分け)の頻発

事前練習の段階で全く考慮できていなかったことがありました。
それは勝敗によるマッチングの変化です。
ICのルールでは
ポイント=3x(勝利数)+ 1x(引き分け数)
となります。
同じポイント同士がマッチングするため、引き分けが1回または2回の人は同じく引き分けが1回または2回の人と当たることになります。つまり

・時間がかかるデッキを使っている人(サナ、ロストなど)
・プレイ速度の遅い人

と当たる確率が高くなります。2-1で勝利するプランでデッキを構築している都合上引き分けが発生しやすく、一度引き分けが発生すると次も引き分けが起きやすくなるということです。

それに気づいたのが、2回連続でロストに当たり2回目の引き分けがついた後でした。
この時のスコアは1-1-2。
day2へ進むためには19ポイント必要で、ここから19ポイントになるためには6-1-2を目指す必要があり、これ以上引き分けになることができません。
もうお互い後がないということで、これ以降は対戦準備の段階で積極的に会話をするようにしました。
「世界行く?」「ポイント必要?」
「できるだけ急ぐから3ゲーム終わらせよう」
「もしタイになりそうだったらサイド差とかで決めよう」
結果それ以降の相手は全員快く話に乗ってくれ、引き分けになることなくday1を6-1-2で抜けることができました。
ポケカをする上で言語の壁は無いと思っていましたが、甘かったと再認識させられました。
言葉の通じない対戦相手の多い場所に行く場合は2-0や1-0を狙うデッキを選択した方がいいかもしれません。

おまけ

NAICに挑むにあたって考えたことなどを少し話します。

デッキ選択について

正直に打ち明けると、よほど環境的に無理がない限りギラを使う予定でいました。1年を通して使い続けた相棒であり、唯一持っている英語のデッキでもあるため、シーズン最後の大きな舞台に連れて行かなかったら、きっと後で後悔することになると思いました。そのため、一応他のデッキも候補にしつつ、ギラの構築をメインに考えました。

まず、環境については以下のような予想を立てました。
・ライコ、ルギアがシェアトップ
・それ以外は満遍なくいる
・旧環境デッキ(リザなど)も一定数いる

これらを倒すためのデッキに必要な条件は

・コスパのいいサイド交換
・先2アッセンブルスターに追いつく手段

これらを満たすデッキとして候補にあがったのは以下の2つでした。

・雷入りロスト
・サナ

先述した通り、ギラを使うつもりでいたため、
これらのデッキについては対戦が進むと当たる確率が上がっていくと考えて対策する側に回りました。

よって今回の仮想敵は
・ライコ
・ルギア
・サナ
・ロスバレ
・ドラパ
・リザ
としました。

デッキ構築段階の見立てはこんな感じです。

ライコ

・ギラ、ガチグマを取るためにエネが4枚必要
・手札干渉されると4エネ用意することが困難
・1ターン攻撃されないターンを作ることができればサイドレースで追い抜くことができる

ルギア

・先2アッセンブルスターが2連続で決まることはない(願望)
・決められてもチラチーノを用意されていなければ先2ストームダイブを神殿インパクトで返してゲームができる

サナ

・後2手裏剣を決めればほぼ勝ち
・ジラーチの採用が無い
・アンフェア+ロストマインからサナへのレクイエムまでつなげることができる

詳しいサイドプランやドラパ、リザ、ロスバレなど他の対面への見立ては割愛します。気になる方がいたら聞いてもらえればお答えします。

構築理論

この環境においてギラティナが勝つために必要な条件は2ターン目にミラージュゲートから攻撃に転じること。それに必要なのは2ターン目までにアクロマを使うこと。という考えのもとデッキを構築しました。
アクロマを毎回初手で引けているとは考えられないので、最低保証としてアビスシークに繋がるカードをたくさん積み、後手を選択することにしました。最低限day2に進むために必要な勝率は7割で、それを満たすためにはデッキパワーを上げるよりも、安定感を上げて手札干渉により相手の動きを阻害した方が分がいいと考えました。
というのもギラティナのカードパワーは他のポケモンと比べて高くはなく、デッキ全体として最大値を比較した時に勝てないためです。相手の動きを妨害しながらタイミングを見て切り札のスターレクイエムを使い、アタッカーの無い空白のターンを作りだすという方針が最も勝ちやすいというのが今回僕が出した答えです。

答え合わせの結果、day2に進むことはできましたが、相手の強い動きに対応することができず、期待していたよりも低い順位で終わってしまいました。見積もりが甘かったです。
また、このプランには2つ誤算がありました。
1つは先述した引き分けの発生、もう一つは思ったように後攻が取れないことです。こちらの選択権で後攻を選択すると、それを踏まえて次のゲームで相手に後攻を選択されるというケースが多発しました。
ドラパルトが後攻を選択した時は驚きました。

ギラティナの結論

結論から言うと、今は(変幻の仮面環境では)ギラティナを使うべきではありません。理由は簡単です。ギラティナのスペックがデッキに要求する特性「重いカウンター」が現環境に合っていないからです。
ギラティナは進化、2色、3エネという重たい要求によって基本的に後手に回ることになります。そして後手に回る都合上1体でサイド3枚以上の働きをする必要があります。しかしそのための耐久が足りません。今回は耐久を擬似的に上げる手段として手札干渉による妨害を行ったのですが、盤面だけで完結するデッキも多く必ずしも有効ではありませんでした。
単体スペックはインフレしていく一方でなのでギラティナの性能を十分に活かせる環境が今後訪れることはあまり期待できません。
勝てないデッキではありませんが、トップを狙えるデッキになることはないだろうと感じています。
WCSで言うとday2の要求は8戦中6勝、つまり勝率7割5分。この程度ならギラティナでも満たせると思います。その先を目指せるビジョンは僕には見えません。
ギラティナ使いの皆さん、あとは頼みます。
僕は今日をもってギラティナ使いを卒業します。

ギラティナはベスト64入れず



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