【マガジン82】『(無料公開中)文系向けに”人工光合成”についてざっくり解説します』~CCUS~(2021/11/15)
今回は、最近ニュースや特集でも話題になっている「人工光合成」について、文系でも分かるように解説していこうと思います。
「人工光合成」はまだまだこれからの研究内容で、商業化ベースに乗るにはまだ十数年は掛かるのではないかと言われています。
しかし、二酸化炭素を使ってプラスチックの製造に必要なエチレンなどを作ることが出来るというイノベーション技術で、三菱ケミカルや三井化学、富士フイルムやINPEX(旧・国際石油開発帝石)、TOTOなどがプロジェクトチームに参画しています。
そんなわけで、見事なまでのイノベーション技術ですから、皆さんも取りあえず知っておいて損はないと思います。
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人工光合成とは?
(https://media.qikeru.me/)
人工光合成は、光合成を人為的に行う技術。 自然界での光合成は、水・二酸化炭素と、太陽光などの光エネルギーから化学エネルギーとして炭水化物などを合成するものであるが、広義の人工光合成には太陽電池を含むことがある。(Wikipediaより)
まず、皆さん植物の「光合成」はご存知ですよね??
よく小学校や中学校のときに「ひかりごうせい」と読む人がいてみんなに笑われていたあの「光合成」です。笑
光合成は植物が、二酸化炭素を吸収して酸素を出すというもの。
もちろん木々は人間と同じように「呼吸」もしていますが、水と日光があれば「光合成」をします。
実は老いた木は呼吸の方が多く、光合成が多いのは若い木・新芽の木というのは豆知識です。(今回の話は関係なし)
そして、「人工光合成」ですが、勘違いしやすいんですけど、
植物は関係ありません!
共通部分としては、
「二酸化炭素を使用して別の物質を作る」
この点です。
もう少しだけ正確に書きます。理解出来なければ読み飛ばしてください。笑
「太陽光の力で水を分解することで水素(H2)を作り出し、
そのH2とCO2を反応させて有用な物質を合成するのが”人工光合成”である。」
二酸化炭素を資源にするという意味で、今まで脱炭素で解説してきた「CCUS」の一種ですね。
三菱ケミカルの人工光合成
この記事を読んでいただければ十分なのですが、長いので本記事でも解説していきます。
とりあえずはこの画像をしっかり眺めてください↓↓
①光触媒
②分離膜
③合成触媒
人工光合成にはこの3つが必要です。
まず太陽光を感知するのは「光触媒」です。
水と日光に光触媒が反応して、水(H2O)を酸素(O2)と水素(H2)に分解します。
これを「明反応」とも言います。
もう1度書きますと、
H2O(+太陽光) → 光触媒 → O2 + H2
ちなみにこれは気体、ガスで分解されます。
中学理科の実験を覚えている人がいれば、あれをイメージしていただければ良いです。
ちなみに光触媒は「光半導体」の一種です。電気なしで水を水素と酸素に分解できるので、人工光合成以外のテーマでの水素エネルギー論点でも登場します。
次に、その気体を分離するために「分離膜」に通します。
「人工光合成」に必要なのは水素ですので、分離膜から水素を取り出します。
そして最後。
水素と二酸化炭素を「合成触媒」に通して、エチレンなどの炭化水素化合物を作り出します。
ここまでの過程を「人工光合成」と言い、エチレンが出来れば、ここからプラスチックを作ることが出来ます。
製造過程でCO2を出すどころか、逆にCO2を使って生産していることが分かると思います。
普通に石油から1kgのプラスチックを作ると6kgのCO2が排出されるのに対して、人工光合成ではCO2を3kg吸収できることが分かっているので、まさに脱炭素分野でのイノベーションとも言えるでしょう。
あとは効率UPの研究を進めてコストダウン→商業化というプロセスです。
おわりに
すでにご存じの方には非常に物足りない内容で大変申し訳なく思いますが、殆どの人は「人工光合成」というワードを知りさえしなかったでしょうから、今回は読者の方々の知識の足並みを揃えるためにもご了承いただければ幸いです。
こういった理系分野は、文系だらけの金融業界人はアレルギー全開で、勉強する気は殆どないので、知れば知るほど大勢の方にリードできると思います。
よくこういうことを聞いたことないですかね?
「ホリエモンは大衆の一歩先を言っているファーストペンギンだ。彼の言うことは3~5年時代の先を行っている。」
ホリエモンは先端技術を勉強しているので、大衆はそのように感じるわけです。
ビットコインが数万円のときにすでに買っていて、2017年など盛り上がったころには忘れていて、今では数百倍になったのにパスワードを紛失してしまって、換金できなくなっています。
ただ、それもブロックチェーンという先端技術を知っていたから、それだけ早く投資が出来たのです。
昨年のバイデン大統領就任につき、脱炭素の技術を知っていれば、例えばプラチナが水の電気分解に使われることを知っていれば、プラチナを飛び付き買いしてボロ儲けだったわけです。
それと今回の「人工光合成」は同じことだと思います。
10年後なのかは分かりませんが、いつか商業化が成功すれば間違いなくイノベーションでゲームチェンジャーですので、関連企業の株価は爆騰します。
というわけで、先端技術を学んでおく大切さ、理系分野を知っておく大切さをこの記事から読み取っていただければ私としては大変幸いです。
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