見出し画像

【マガジン80】『(無料公開)計画経済的思考のアナタは仕事ができません』(2021/10/31)

今回は、『計画経済的思考の恐ろしさ』というテーマについて書いていこうと思います。

最近まで私は会社で経営戦略を考えさせて貰える立場にありました。

その中で、「今我々が考えている成長戦略は、いくら儲かるのか?」という話し合いを何日、何カ月に渡ってさせられ、プランや数字目標をかなり具体的に決めさせられるということがあります。

私はこれが盛大な茶番にしか感じられないのですが、多くの会社員というのは「これを決めないと何も前に進まない」という、社畜的諦めなのか、こういった計画が本気で必要と考えているのか、大多数が煮え切らない意見を言うものです。

しかも当の本人は「これからはVUCAの時代だ!」とか言い出したりしますから、私は苦笑いが止まりません。VUCAの割にスピード遅すぎますけどっていう・・・。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


VUCAの時代

画像1

Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity

IT社会による変化のスピードが異常に早いこの時代は、「VUCA」、すなわち、未来は曖昧で不確実な時代と言われるようになっています。

「これをやれば確実に儲かる」
「これさえやっておけば大丈夫」

こういった安心に繋がるような言葉に人は騙されがちなのですが、実際はそうは行きません。

やれることを何でもやってみて、その上で上手く行きそうなことにリソースを一気に投下し、それが儲からなくなったらまた別のことをフットワーク軽く舵を切っていく。

それくらい変化に柔軟に対応出来なければ、VUCAの時代における勝者にはなかなかなれません。

日本人の誰しもが通る道ですが、誰かのアドバイスを聞いて、「これさえやれば自分は大丈夫なんだ!!」と思考停止してしまうのがこの国の教育システムの弊害なんだと思います。

答えは必ず誰かが教えてくれるものだと本気で信じているのは、自分もそうでしたし、後輩の新入社員も漏れなくそうです。

しかし、そこから「誰も明確な答えは持ち合わせていないんだ」ということに気付けるかどうかがこれからの時代は大切です。

そこに気が付くことが出来た人は、「学びを止める」というのは自殺行為だということを理解しています。

そしてVUCAというのは投機や投資の考え方が分かっていなければ、本当の意味でVUCAを分かっているとは言えないとも思います。

そうでなければ、

「これからはVUCAの時代だから、どんどん新しいことにチャレンジしないといけないんだ!!!」

と威勢良く言いつつも、どう考えても期待値が1以下のことに全力投球してしまうという、向こう見ずな「えいや!」をしてしまう人の完成です。


アクションプランと売上目標金額を決める

画像2

成長戦略を考えて行く中で、なぜかアクションプランや売上目標金額を決めるという茶番がよく起こります。

これは私の会社だけではないと思います。

SWOT分析というこれまた茶番なフレームワークでの分析をし、(フレームワークからイノベーションは生まれない。頭が悪い人に視覚的に説明するときに使える便利なツール)「これだ!」という事業領域を決め、そしてお客に行ってもないのに、明確なニーズを掴んでもいないのに、その事業がどのくらいの売上を生むかを資料に纏めるという茶番を行うことになります。

「あれ、VUCAの時代では無かったの??」

というツッコミはどうやら禁止のようです。

資料を作らなければ、トップが意思決定が出来ず、投資が出来ないというのは日系企業の社員(雇われ社長含む)の特徴で、もちろんスピード感が失われてしまいます。

「これをやれば〇億円の売上になります!」

という計画経済的な考え方がうまく行くはずがありません。

これはすでに人類の歴史が証明しています。


肩書きに囚われる日本人

画像3

戦後の日本人は「何を言っているか」ではなく、「誰が言っているか」を非常に気にします。

だから会社の中でも、論理的に正しい意見を言うことが出来ず、「いや~、〇〇くん、社会はそうは出来ていないんだよ~」とさえ言い出す人もいる始末です。

ゼロリスクを求めた計画経済的思考をしているのは「そっち側」の人間なのに、間違っているのは「こっち側」だと本気で信じている人が日本人の8~9割です。

センシティブな話ですが、某ウイルスのワ〇チンについても同じです。

感染率が全国民の1%以下と低く、特に若者は死にはしない病気なのですが、それでも全員が接種しなければならないという風潮を世間は醸し出しています。

むしろ打ちたがらない反ワク派を、「ワ〇チンというのはどんなものでも副反応があるから!ゼロリスクのワ〇チンなんて無いのに反ワク派は馬鹿だ!」と断言する人も一気に増えました。

果たして、打つのがゼロリスクを求めている人なのか、打たない人がゼロリスクを求めているのか。

私は、「その人の個人の立場や状況に寄る」としか言えません。

現に私は1回打っただけで左胸が不定期に痛み続け、たまらず2回も病院に行き、医者が「原因不明だけど大丈夫!死んでる人殆どいないし!メディアの陰謀論に騙されるな!」と言われて帰ってきました。

果たして、打つのがリスクなのか、打たないのがリスクなのか。

私は日本の感染率と自分の身体の異変を踏まえて、「2回目を打つ方がリスク」と判断しました。医者の説明があまりにも非論理的過ぎて、さすがに従うことは出来ませんでした。

もちろん、この判断が裏目に出る可能性もありますが、様々な状況を踏まえて、打たない方が優位性は高いものと考えた次第です。これは私にしか当てはまらない意思決定と言えます。答えではありません。


剥き出しの資本主義の到来

画像4

日本は計画経済化が順調に蔓延っていますが、残念ながら計画経済的思考で物事を動かしても、スピード感が遅く、現実との乖離も激しいので成果は出ません。

しかし、世界経済は繋がっているので、成果が出ないというのは許されていません。

日本人は総じて社会主義的思考回路ですが、会社というのは資本主義競争の場です。

成果を出せない思考回路で会社を運営すると、もちろん成果が出ず、それはつまり売上と利益の減少に繋がってきます。

その結果、経団連の会社でも「年功序列は限界」と言い出し、ジョブ型雇用という欧米型の雇用形態が導入されるようになってきています。

年功序列はどんどん廃止されていきますし、成果が出せないのであれば容赦なくリストラをしていかないと会社が潰れてしまいますので、成果の出ない思考法、つまりは社会主義・共産主義的思考から脱却する必要があります。

だからこそ、会社で行われている茶番劇にいちゃもんを付ける人を「会社はそういうもんだから」となだめるような人は、思考法が間違っているので、成果が出ない可能性が高いと思います。

仕事した気になっているだけで、生産性の低い社員というのは今後どんどんあぶり出され、非常に厳しい立場に追いやられていくのかなと思います。


おわりに

画像5

ここから先は

565字
このマガジンを購読すると科学技術の知識やビジネスに必須の知識が身に付きます。これらは真の投資家になるためには必要な素養だと考えています。

製造業の最前線で戦うマーケッターでもある筆者による経済(グローバルマクロ)の勉強マガジンです。マクロ思考が出来るビジネスマン・投資家向け。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?