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現場の沸騰経済学

製造業の最前線で戦うマーケッターでもある筆者による経済(グローバルマクロ)の勉強マガジンです。マクロ思考が出来るビジネスマン・投資家向け。
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#株式投資

【2Q決算分析】オムロン(2023年10月)

今回はオムロンの2Q決算説明会資料を読んでいきます。 オムロンと言えば京都に本社がある大手FA機器メーカーであり、センサー技術を核としたオートメーションのトップカンパニーです。 そんなオムロンの2Q決算ですが、純利益は前期比76%減で24年3月期は565億円の下振れ予想という結果に終わりました。 得意の制御機器事業が中国経済の減速を受けて大失速。欧州経済も戦争の影響からか上向かず、非常に厳しい状況を強いられています。 半導体とEV投資が減速していることで工場の設備需要

【2Q決算分析】フロイント産業(2023年10月)

チョイスが渋すぎる、という声が聞こえてきそうですが。そもそもフロイント産業をご存じの方はどのくらいいますでしょうか。 この会社はハードである機械事業(造粒・コーティング装置)とソフトである化成品事業(医薬品添加剤、食品品質保持剤)の両利き経営でグローバル展開している研究開発型のメーカーです。 2023年2月期の決算は売上高196億円、従業員は476名の伏島社長によるオーナー経営型の中堅企業です。 しかしながらグローバルに展開している会社で、グループ会社は様々な国に渡りま

【2Q決算分析】ルネサスエレクトロニクス(2023年8月)

まさか上場企業の大半の記事を作成する気はありませんが、なるべく川上の業界から決算を見て記事にしていこうと考えてました。しかしながら、今回は先にルネサスエレクトロニクスの決算説明書を読んで記事にしていきたいと思います。 個人的に数年前にBEVの夜明けが始まったくらいから注目していた会社で、「なぜルネサスはトヨタに車載チップを安く売り続けるのか?早く値上げした方がいい」と思っていました。その後、那珂のファブの火事もあって危機的状況であったルネサスですが、最近は「合理的な思考にな

【1Q決算分析】日本郵船(2023年8月)

今回は商船三井に続き、三菱グループの日本郵船の第1四半期の決算説明会資料をチェックしていきたいと思います。日本郵船はコンテナバブルにより2年連続で1兆円を超す経常利益を上げ、「数十年の利益をたった2年で稼いだ」とされています。オワコンと思われたコンテナ船事業の大逆襲が見事に決まり、ボーナスもとんでもないことになったという噂です。 そんな日本郵船の2023年の1Q決算ですが、売上高5,675億円、経常利益894億円(利益率15%)という結果でした。物流事業も航空運送事業もどち

【1Q決算分析】商船三井(2023年8月)

今回は商船三井の決算を確認していきます。エネルギーと来たらそれを運ぶ海運というわけです。この次の記事は日本郵船になると思います。 2022年の通期決算は売上高1.6兆円、経常利益8,000億円という恐ろしいコンテナバブルの恩恵を受けた商船三井ですが、2023年1Qの決算は以下の通りでした。 売上高3,851億円 経常損益903億円(経常利益率23.4%) コンテナバブルが終了したとは言いつつも、1Qの利益率も堅調です。 ①ドライバルク事業:石炭船を除くバルク船 ②エネ

【2Q決算分析】INPEX(2023年8月)

株式会社INPEXの四半期決算分析をやっていきます。INPEXの場合は12月決算ですので、今回の8月の発表の決算は2Q分になります。 細かい数字等は、IRや他の方の決算分析関連記事をご覧ください。当方は本業がSales&Marketingであるため、ビジネス的観点を割と定性的に見ていきます。そのため、本記事を基に行う投資結果については一切の責任を負いませんので予めご了承ください。 さて、INPEXという名前ですが、まだ馴染みの無い方もいるかもしれません。2021年に国際石

【1Q決算分析】ENEOSホールディングス(2023年8月)

今回は川上のエネルギーセクターであるENEOSの第1四半期の決算書を読んでいきます。独自の視点での解説となりますので、1度ご自身で分析されてから本記事を読んでいただきますと、理解が深まるように思います。 尚、本記事はあくまでも独自の見解に基づくものであり、投資を推奨するものではございません。本記事を基に行った投資結果については当方は一切の責任を取りませんのでご了承ください。 さて、ENEOSホールディングスの2024年3月期の1Qの結果ですが、売上高3,2兆円の営業利益9