ソルブ・プロトコルと新しいNFT
皆さんお久しぶりです!RICです。
仮想通貨にしばらく浸かっていれば、NFTという概念はもうすっかり馴染んでいるものだと思います。
NFTは、Non-fungible token (非代替性トークン)という略ですが、逆に$USDTや$BTC、$ETHはその逆のFT(ファンジブルトークン、代替性トークン)になるわけです。
代表的な例を挙げると、NFTとして有名なのはERC721規格、FTとしてはERC20規格が有名ですよね。
このnoteでは、ソルブ・プロトコルというプロジェクトの開発陣が新たに作り上げた規格「ERC3525」と、それが
SFT(セミ・ファンジブルトークン、半代替性トークン)
という新たな種類の金融資産としてクリプトとDefiにどのような影響を及ぼすポテンシャルを秘めているかについて書いていきます。
ソルブとは何か
いまのNFTはゲーム内アイテムやスキン、そしてデジタルアートを表現するために使われるケースが大半です。
しかし、NFTの「非代替性」に焦点を当てると、金融資産を定義する上で多岐に渡る性能が可視化されてくるわけです。
ソルブではこういったNFTを「金融特化NFT」(ファイナンシャルNFT)と名づけ、これらを作成し取引するための、業界で最大級のマーケットプレイスを構築することを目標としています。
ソルブは金融特化NFTのポテンシャルに共鳴する強力な提携先を多く獲得しており、バイナンスラボ(Binance Labs)を始め、ブロックチェーン・キャピタル(Blockchain Capital)、そしてスファーミオン(Sfermion)などに支持されています。
現在、ソルブのTVL(預入暗号資産総額)は80億円を超え、25以上のプロジェクトがソルブのツールを使用し、ソルブが提供する金融特化NFTのホルダーは七千を超えています。
この記事では、ソルブが提供する受給権クーポンとその購入方法、そしてその根幹をなす金融特化NFTの特性を示す技術について説明していきます。
まずは、ソルブの最大の商品である受給権クーポンについて説明します。
受給権クーポン(Vesting Voucher)とは?
受給権クーポンとは、トークンのロックアップなどを管理するためにソルブが開発した初めての金融特化NFTです。特定の解除スケジュールをあてがわれたロックされているトークンの収納容器として機能します。
ほとんどのプロジェクトにはトークノミクス配分において、ロックされているトークンが使われており、投資家や運営、そしてVCに対してアロケーションという形で配られます。
今までのアロケーションは取引したり引き渡したりできませんでしたが、受給権クーポンはアロケーションをNFTの形で配布することができます。つまり、NFTとして取引したり引き渡したりすることが可能になったわけです。
受給権クーポンを保持していれば、誰であっても解除スケジュールにしたがってトークンをクレームすることができます。
簡潔にまとめると、ソルブが開発した受給権クーポンによって、アロケーションの管理や取引を単純化でき、透明で不正のない配分が可能になります。
例を見てみましょう。これはDEX(分散型取引所)プロジェクト、DODOによって発行された受給権クーポンで、画像の右上から2,970 $DODO を収容していることがわかります。
解除スケジュールは画像下部の三か所でわかります。
まず解除パターンは緑の部分、「Linear 2 Years」ということで二年間の線形放出であることがわかります。
また、解除開始は左側「2021-09-29」から2021年9月29日、終了は同様に2023年9月29日であることがわかります。
受給権クーポンのホルダーはソルブのDappにてトークンをクレームすることができます。
受給権クーポンの使い道
Initial Voucher Offering (IVO) 新規クーポン上場
IDOやIEOと同様、IVOは投資家にトークンの購入機会を提供する方法の一つです。ほとんどのIDOプラットフォームが行う現物のトークンを販売する方式と違い、IVOではロックアップされたトークン先物を販売する方式を採用しています。
IVOのメリットは、
プロジェクト側:
長期的なサポーターを獲得できる。
現物解除された瞬間での暴落を防げる。(受給権クーポンのホルダーはすぐトークンを現物マーケット、例としてdexで売ることことができません。これは実質的にトークンの流通量をコントロールできるので売り圧の減少につながります。)
投資家側:
今まで機関投資家のみに限定されてきた投資機会を得られる。
ソルブのマーケットプレイスにていつでも取引できる。
過去のプロジェクトではソルブ・プロトコル自身とiZUMi FinanceがIVO方式を採用して成功を納めています。また、既に四つのプロジェクトがIVO方式でトークン販売を行う予定です。
IVOアロケーションはソルブの受給権クーポンとソルブのトークンホルダーに分配されます。クーポン及びトークンの保持量に応じて分配が行われます。
ソルブは、分散化されたCoinlistとしての位置を確保することを目指しています。
ソルブが際立つポイントとして、自身のマーケットプレイスを展開しており、そこでアロケーション取引が容易に行われる点が挙げられます。
投資家/運営(チーム)のためのアロケーション管理
プロジェクトは、ソルブのDappsを利用して簡単にカスタマイズされた受給権クーポンを作成できます。
具体的なシナリオを想定すると、ある仮想通貨プロジェクトが投資家に分配するために特定の受給権クーポンを作成するとします。投資家は解除条件が満たされた時点で簡単にトークンをクレームすることができます。
預け入れられた資産を保護するために、ソルブは4億円以上の保険に加入しています。
ソルブの受給権クーポンを使って完全なアロケーション分配を行ったプロジェクトとして、 Yin Finacnce, Clear Dao, Paragons DAO が挙げられます。
エアドロップ及びファーミング報酬
受給権クーポンは現物トークンを販売するよりも効率よく長期的サポーターを獲得する手段です。
Highstreet, Openswap, Vera Labs そして Lootex が過去に受給権クーポンを使ったコミュニティ開発をしています。
ERC3525規格と金融特化NFT
ソルブはNFTとDeFiの発達において金融特化NFTが重大な役割を果たすと考えています。これを実現するために、ERC3525規格がソルブのチームによって開発されました。この革新的なトークン規格が受給権クーポンの特異性の地盤になっています。
言い換えると、ERC3525は、金融資産を収容することに特化した、無限に細分化できるNFTと言えるでしょう。
金融資産には多くの種類があります。
(1).法定通貨、イーサリアムやBNBといったERC20規格で定義できるコインなどの代替性資産
(2). ゲーム内アイテムやスキン、コレクティブルやデジタルアートに当たるNFTなどのERC721規格の非代替性資産
(3). 例としては債券、譲渡性預金、そして保険証券などの有価証券(Voucher)が挙げられる、半代替性資産
有価証券(Voucher)のような半代替性資産を扱うためのトークン規格として必要な要素は、
①成熟時期、利率などの複数の情報を持ちうること
②有価証券によって異なる額面を表すために分割可能であること
が必要になりますが、歴史的に、上記①②を満たすトークン規格は存在せず、ERC20及びERC721のいずれも半代替性資産に完全に対応できる規格ではありません。
このソリューションとして、ソルブは仮想通貨業界で急激に拡大している「半代替性資産を扱うための規格」の需要を満たすためにERC3525を開発しました。ERC3525は高性能な規格であり、分割だけでなく合成も容易に行うことができます。
DODOが利用した受給権クーポンはERC2525によって成立していると言えます。クーポンを裏付ける資産額と解除条件は厳密に定義でき、金額を問わずに分割できます。OpenSeaといった大手NFTマーケットプレイスに出品できる他、ソルブのマーケットプレイスでも簡単に金融特化NFTを取引できます。
受給権クーポンがERC721で設計されていたとすると、複数の問題が浮上します。例えばAさんがERC721で設計された、1,000 $SOLVが裏付けられている受給権クーポンを買ったとして、Bさんにこれを分割して引き渡すことはできません。ERC3525規格では、500 $SOLVずつを裏付けるクーポンに二分割することでこの問題を簡単に解決できます。
更には、ERC3525はERC721にも完全対応しているため、OpenSeaといったERC721のためのインフラでも出品及び取引することができます。
プロダクト面では、ソルブの次の金融特化NFT、いわゆるConvertible Voucherも二月七日に公表されました。この新たな受給権クーポンは、特定の条件下であらかじめ決められた量のトークンやステーブルコインに変換できる金融特化NFTです。Convertible Voucherも、すでにImpossible Finance, Naos Finance, Perpetual Protocolに採用されています。ソルブはこれからも新しい金融特化NFTを積極的に開発していきます。
金融資産を表すという側面としてNFTの需要が増加する今、ソルブは金融特化NFTのためのツール開発だけではなく、金融特化NFTマーケットプレイスの第一人者としても成長を続けています。
ソルブトークンの購入方法
ソルブはまだトークンを発行していませんが、2021年12月をもって既にバイナンスのNFTプラットフォームとソルブ自身のマーケットプレイスでIVOを実施しております。現在のソルブの受給権クーポンの流通については以下のリンクで確認できます:
https://medium.com/solv-blog/announcing-the-solv-ivo-event-5658e0ad6bdd
ソルブの受給権クーポンはソルブのマーケットプレイスでも取引できます。
例えば、以下の例で出品されている受給権クーポンは571.42 $SOLVが入っており、$SOLV一枚当たり3.8 $BUSDの単価がついています。
受給権クーポンはERC3525規格の性質上分割されて取引できるので単価は該当するトークン一枚の価格を示していることにご注意ください。
トークンの放出開始日がIDOの日であり、必ず2022年9月30日以前になります。受給権クーポンに収容されているトークンは180日間かけて線形放出され、投資家はソルブのアカウントの自己資産ページからクレームすることができます。もちろん、受給権クーポンはソルブのマーケットプレイスでいつでも取引することができます。
追記:現在のソルブの受給権クーポンは、放出開始日時の定まっていない「フレキシブルクーポン」というカテゴリに分類されます。ソルブのチームが放出日時(2022年9月30日以前)を設定した時点で一般的な受給権クーポンになります。
以上がソルブ・プロトコルというプロジェクトと彼らが設計している新たな「半代替性トークン」ERC3525の説明になります。
比較的難易度の高い概念にはなりますが、今後のDeFi空間においては数多くの応用方法があり、ポテンシャルを見いだせる技術なのではないかと思います。
最後に、このプロジェクトについての解説などもYoutubeにて投稿していく予定ですので、将来的にソルブのトークン発行が行われた際にも最速で情報を得られるよう、是非チェックしていただきたいです。
Solvの各種リンク
公式ウェブサイト
https://solv.finance/home
Solv Protocol 日本公式ツイッター
https://twitter.com/SolvProtocol_JP
Solv Protocol 公式ツイッター
https://twitter.com/SolvProtocol
Solv Protocol ディスコード
https://discord.com/invite/tVFXN53F76
Solv マーケットプレイス
https://app.solv.finance/marketplace?network=bsc-mainnet
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