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金曜の夜は、はしゃいでいる
平日の緊張感
平日は常に緊張感に包まれている。周囲の人々はまるで2倍速で動き回っているように感じ、自分もそれに追いつこうと必死に話しかけたり業務をこなしたりする。しかし、実際には9割方1.5倍速程度のスローペースでしか動けていない。体調が悪い日にはさらに状況は悪化し、目も当てられないほどの速度差に、冷や汗をかき、めまいに襲われる。
体調が悪い時は、社会生活を送る難易度が極端に上がることを学んだ。そこで、少しでも体調を万全に保つために、平日は徹底した体調管理を心がけることにした。
朝活と決まった食事
朝は5時に起床し、24時間営業のスーパーで夕食の準備をする。朝は緊張で食欲が湧かないが、昼前には必ず空腹になることを知っているため、無理やりバナナを1本食べる。食べ過ぎると体が重くなり、さらに動きが鈍ってしまうため、あくまで軽めに済ませる。
昼食は毎日同じお店で同じメニューを注文する。同じものを食べれば体調に変化が起こりにくく、安心して過ごすことができるからだ。夕食は満腹になりすぎて眠りにつくのが遅くなり、翌日の体調に影響を与えることを懸念し、栄養素を考慮しながらほどほどに抑える。
金曜日の解放と葛藤
こうして平日の緊張を乗り越え、金曜日の夜が訪れる。帰宅すると壁に寄りかかり、大きく息を吐き出し、胸をなでおろす。ラジオパーソナリティの言葉を口ずさみながら、「よくぞよくぞよくぞ金曜日までたどり着きました。」と自分に語りかける。
しかし、金曜日の夜はただの休息ではなく、平日のルーティンから解き放たれ、思い思いに過ごす時間でもある。普段は睡眠の妨げになるイメージがあり、黒い色と苦い味が苦手という理由で敬遠してきたコーヒーを、あえて夜に飲む。
張り詰めたルーティンから外れたことに心が弾み、むかむかしたり心臓がドキドキしたり目がぎらぎらしたりして、結局一睡もできない夜を過ごす。コーヒーが体に合わないことは分かっているが、今夜は緊張から解放されていることを確認するための行為だから、と自分に言い聞かせる。
体調不良にもかかわらず、心は満たされる。しかし、その充実感は一時的なものであり、時間の経過とともに後悔の念が押し寄せてくる。いつも通り22時に寝て5時に起きれば、もっと体調も気分も良かったはずだと。
健康的な解放への模索
このように、金曜日の夜を充実させようと試みるも、毎回失敗してしまう。健康的に、最も健康的な平日のルーティンから解放されるにはどうすればよいのか。難しい課題である。
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