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タワマンに賃貸で4年間住んで分かったこと

32歳くらいの時に彼女と同棲するために引越しをすることになり、タワマンという選択肢に出会った。
以来、賃貸という形で都内湾岸エリアにあるタワマンに、気づけば4年間住んでいる。(その間に彼女とは無事結婚した)

そこで、住みたいと思った時の期待値や不安と、住んでみてわかったことをまとめてみようと思う。
タワマン住みを検討している人の参考になれば幸いだ。

マンションのスペック

私が住んでいるタワマンはざっと下記のようなスペックだ。

エリア:都内湾岸エリア、入居時新築
大きさ:約40階建て(1000戸)
部屋:1桁階の1LDK(約40㎡)
家賃:約21万円

それまで住んでいた一人暮らし(家賃11万円)の部屋と比べると、1LDKの割に家賃が高いなぁと思いつつ、ミーハーにもその豪華絢爛さに惹かれ、彼女と「今までの2人の家賃を合わせたと思えば大丈夫か」と訳の分からない正当化ロジックを用いて入居を決めた。

結論、最高だった

契約を2度も更新して4年以上住んでいるという時点でお察しだが、結論として私たちはこのタワマン生活に非常に満足している。
期待通りの点もあれば「意外にもここが良かった」という点があるので、私の満足度を向上させた上位のポイントを紹介する。

交通や周辺環境が最高

いきなり「いやそれタワマン関係ないやん」と思われるかもしれないが、やはりタワマンがある場所というのはどのエリアであれ周辺環境が整いすぎている。
タワマン自体が大量の人が理想とする場所にしか建たないので、タワマンである時点で交通の便は優位性があることに加え、多くの住人を抱えるタワマンには、住人特化の交通機関が発達する。

私のマンションは最寄り駅までのシャトルバスが運行しているし、マンションの目の前に公共のバス停も出来た。
さらにはショッピングセンターやスーパーも周辺に多く、少し遠いショッピングセンターからもお迎えのシャトルバスが出ているほどの好待遇だ。
住む際にも「これだけ電車やバスがあれば便利だな」と思っていたが、その想定の2倍くらいの選択肢が存在したのだ。

ちなみに飲みに行ってタクシーで帰るときも「ああ、あのマンションね」と運転手に通じやすいほか、タクシーの車止めからエレベーターでマンション内に入れる利便性も感動ものだ。

ファシリティ(特にジム)が最高

そしてこれはタワマンに住みたい理由の上位にもランクインすることだろうがやはりファシリティ(設備)は普通のマンションとは段違いだ。
コンシェルジュが常駐し宅配やクリーニングをお願いできるほか、ラウンジや勉強スペース、広い庭にはバーベキューエリアまである。

個人的にはジムの設備が充実しているおかげでそれまで通っていたジムを解約できたことが大きい。
部屋で着替えてジムに直行できることで「行くこと自体が面倒」ということもないのでジムに行く頻度も増えるし、在宅ワークであれば仕事の前後や昼休みに筋トレという普通ではなかなか実現が難しい筋トレライフを送ることもできる。

ディスポーザーと食洗器で自炊に革命

タワマンは炊事環境も強い。
食洗器やコンロ周りの設備は想定の範囲内だが、予想していなかったのはディスポーザーだ。(正直、私はタワマンに入居するまでディスポーザーという存在すら知らなかった。)
これがめちゃくちゃ良い。というか今後はディスポーザーがついているかどうかがマンション選びの重要な指標に変わったといっていい。

一応(私のように知らない人もいるので)ディスポーザーの説明をしておくと、キッチンの排水溝に取り付けられたシステムで本来生ごみとなる食べ残しや野菜や肉の切れカスを排水溝にそのまま放り込んでスイッチを入れると、自動的に細かくそれらを粉砕してそのまま流してくれる装置だ。
これにより生ごみを分ける必要も、取っておく必要もない。

タワマンでないとディスポーザーがついていないということはないだろうが、大量の住人がいないと設備として投資効率が悪いので大規模なマンションでないとなかなかついていないこともありこれも「タワマンのメリット」と言っていいだろう。

民度が高い

年収と民度は比例する。
なんといってもタワマン住民は前提として収入が高いので民度も高い。
常識を欠いた行動で人に迷惑をかけるような人間が住んでいないので日々快適に過ごすことが出来るし隣人とのトラブルが起きる可能性も低い。

港区のタワマンなどでは民度の低い成金が住んで夜な夜なパーティーで大騒ぎということもあるようだが、私の住んでいる湾岸エリアは基本的にファミリー層が住んでいるのでそのようなパターンも少ない。
ただ、最近の日本の高所得者層には中国人の割合も増えてきているので中国人の住民コミュニティもあるようだ。
彼らの国民性である「大声で早口でまくし立てるような会話」をマンション内で耳にする機会も時々あるため苦手な人は注意が必要だ。

私の考えとしては、周りの民度というのは自分の体験を大きく左右する。
金持ちが飛行機や新幹線のシートを高い料金を払ってアップグレードするのは、広いとか座り心地がいいということ以前に「周りの民度を高く保てる=心理的平穏を得られる」からだ。
「民度を買う」というとひどく聞こえは悪いが、私の中では非常に優先順位の高い項目である。

タワマンのデメリットやよく聞く話

ここまでタワマンの利点と、結果として最高だという話をしてきたが中には期待外れ、あるいはタワマンあるあるとしてよく聞く話の実態を解説する。

玄関までが遠い(時間がかかる)

多くの住民が住むタワマンではエレベーター渋滞や物理的な距離により「出入りに時間がかかる」というのはよく聞く話だ。

まず物理的な距離だが、これは間違いない。
多くのファシリティや広い敷地を有するタワマンは一般的なマンションと比べてエントランスまでが物理的に遠いので歩く距離は3倍くらいあると思う。実際に面した道路に出るまででいうと5倍以上あるかもしれない。
そしてエレベーターの待ち時間だが、これは少なくとも私のマンションでは不便に感じたことはない。
階層ごとに分かれているし合計8台のエレベーターが設置されているので割とすぐに乗れるし、一般的なマンションと比べても遅いと感じたことはない。
しかし前述の理由で、部屋を出てからマンションを出るまでにかかる時間は、一般的なマンションで1-2分とすればタワマンは3-5分程度かかる印象だ。

自転車が取り出しにくい

タワマンの自転車置き場はだいたい地下にまとめられていることが多い。
となると当然出入りは地下から地上の行き来が発生する。
コンベアなどが設置されているとはいえ、通常であれば「家を出てすぐ駐輪場」であるこの動線がタワマンの場合は「地下の駐輪場に行って地上に上がってゲートを開けて」と絶望的なアクセスの悪さとなる。
自転車を生活の中心にしているママさんやシティボーイにとっては結構懸念ポイントといえるだろう。
私ももともと自転車をかなり使う生活スタイルだったがこの絶望的なアクセスのせいで今では徒歩とバスを駆使する移動スタイルにならざるを得なくなった。

階数マウントはあるのか

最後に、よくネタとして目にする「高層階の住人によるマウント」だが、これは少なくとも私の見える範囲ではそのような光景は目にしたことがない。
そもそも高層階と低層階の住民ではエレベーターが分かれているので低層階住民の私は高層階住民とエレベーターなどで会うことがない。
そしてエレベーター以外ではその住民の居住階を知る術がないので「あら、あなた低層階なのね、かわいそうに」という事象自体が起きえない。

ただ、子供が同じ学校などの知り合いが住んでいる場合はこの限りではないのかもしれない。
エレベーターホールで知り合いに居合わせた場合に「あ、あの家族はあの階に住んでいるのか(あるいはあっちのエレベーターを使っているのか)ということが分かるので、中には「勝った」「負けた」と思う人もいるかもしれない。

事実として、タワマンでは高い階の部屋は低い階の部屋に比べて値段も高いし家賃も高い(なぜか共益費も上層階ほど高い)ので傾向として「上の階ほど高所得」というのはあり得るだろう。
私は子供もおらずこういった「見栄っ張り競争」の外にいるのでそのようなマウンティングバトルを感じないだけかもしれない。

そんなマウンティング競争の蚊帳の外の私の考えはこうだ。
・低層階のほうがエレベーターに乗っている時間が少ない
・低い共益費で同じファシリティを使えるのでコスパがいい
・「部屋からの景色がいい」ということに何の魅力も感じない

つまり、上層階の人に維持費をおごってもらう形でスムーズに出入りできる低層階が圧倒的に有利だと考えている(少なくとも賃貸であれば)。
むしろ高層階住民の人を見かけたら「いつもありがとうございます、おかげさまでジムを活用させていただいております。」と感謝したいくらいだ。(嫌味ではなく、本当に)

なのでこの高層階マウンティング問題については、子供の学区などで多くの知り合いが居合わせるという場合は多少の懸念点はあるかもしれないが、我々のような子なし夫婦やカップルとしては全く無視してよいだろう。

子供がいない間に住めるなら住んだほうが良い

改めての結論だが、タワマン生活は最高だ。
住めるなら住んだほうが良い。少なくとも人生経験としてタワマンがどのようなものかを経験することはお勧めだ。

しかし最後に触れたように子供がいる場合は教育上注意が必要だ。

・居住階で見栄の張り合いが発生する懸念がある
・親が気にしなくてもそれが子供どうしで発生した場合は最悪
・近所の子供と「共有スペースでゲーム三昧」という状態が頻発

私が親ならタワマンは選ばないだろう。
結果論だが、子供のいない時期に住めたことは運が良かったと思う。
もちろん設備や周辺環境は子育てにも非常に優しいので、子供がいても上記の懸念を払しょく出来たりするのであれば、全然アリな選択肢だろう。

ということで、つらつらと書いてはきたが結論として私は今後もタワマンに住み続けたいし(子供がいないなら特に)経済的に余裕があるのであればぜひお勧めしたい。



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