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1,000回以上通って気付いた「コメダのモーニング」の魅力

社会人になってから幾度となく転職や引越しをしているが、縁があるのか私の周りにはいつもコメダ珈琲がある。
平日も週末もモーニングを食べながらコメダで過ごす時間が好きで、気付けばもう10年以上コメダのモーニングとともに生きてきた。

好きすぎてコメダのジオラマのおもちゃを全種類集めて自宅のデスクにコメダを作ったくらいだ。

完成させたミニチュアコメダ

これを機会に自分がどれくらいコメダのモーニングにお世話になったのか数えてみたが、軽く1,000回は超えていた。
根拠となる計算は下記の通りだ。

三重コメダ期(鈴鹿、津):週2回ペースで約2年間→約200回
大阪コメダ期(肥後橋):週5回ペースで約2年間→約500回
東京コメダ期1(三軒茶屋):週1回ペースで約4年間→約200回
東京コメダ期2(豊洲):週3回ペースで約2年間→約300回

平日メイン、週末メインとライフスタイルやコメダの立地によってペースは変わりながらも上記の通り合計で推定1200回以上コメダのモーニングを利用している。
もちろん朝以外に使うこともあるが、少なくともモーニングだけで50万円以上は使っていることになる。

そんな無自覚に「コメダの大ファン」になっていた私が、なぜコメダにはこれほどまでに人を中毒にする魅力があるのかを消費者として言語化してみようと思う。

魅力① 戦略的な「優雅」の演出

コメダの時間の流れは遅い。
朝のカフェというと、スタバでもドトールでも、頻繁に人が行き交い慌ただしい雑踏の中でコーヒータイムを済ませる使い方が多いが、コメダではそのような慌ただしさを受け付けていない。
コメダの時間を優雅でゆったりとしている要素は私の見立てでは下記の通りだ。

・店舗(席数)が広い
・人通りが落ち着いた立地であることが多い
・木製の内装や椅子、食器に代表されるレトロかつ清潔感のある雰囲気
・レジではなくテーブルで注文する「喫茶店」スタイル
・急いでいないように見える客層

こうして挙げてみると、ほかのカフェ大手とは飲食店のセオリーとして取っている戦略がまるで逆である。
人通りの多い駅前に小型の店を出すのではなくあくまでも敷地面積を担保した「郊外型」のモデルであったり、注文の手間や人件費を抑えるための「レジ会計」ではなく「テーブルオーダー制」を取っていたりと、コストをかけてでもこの「優雅さ」の演出にこだわっていることが分かる。
そしてその結果、集まるのは「優雅」を求める落ち着いた客層となり、客層がさらに店の落ち着いた雰囲気を作るという循環が出来ているのだ。

そして今や人気チェーン店のコメダは昼になると行列ができる店が多いが、昼はミーハーな客層が多いため、逆に朝から使うというファンはまだ少ない。
人の少ない朝のコメダは、ほかの人気カフェにはない優雅さをまだ保っている。

魅力② シンプルで洗練されたメニュー

そもそもコメダのモーニングというのは、ドリンクを注文すればパンとサイドメニューが無料でついてくるというものだが、パンの種類やサイドメニューもいくつか選べるようになっている。
私が結局行きついたのは
コーヒー+食パン(バター)+ゆで卵
という最もシンプルでオーソドックスなメニューだが、これは私に言わせれば朝食として原点にして頂点である。
炭水化物とタンパク質、脂質のバランスの良さもさることながら、あえて「サラダ」などというものが除かれている点も高評価だ(オプションで追加できるが)。
正直、朝食にちょこんと付いているサラダなど、食べた気にならないしチェーン店で出される野菜の質などたかが知れている。
だったら最初からなくてよいのだ。

そして、メインであるパンのクオリティは他店と比べて群を抜いている。
食事という意味においてのモーニングの最優先事項は
「パンとコーヒーがおいしいこと」
これ以外にないことをコメダはよくわかっている。

朝起きた瞬間に
「ああ、はやくコメダでパン食べたい」
と私のような中毒者が生まれるのも当然なのだ。

魅力③ 座席の設計が「書斎」

私が朝コメダで何をしているかというと、読書や執筆(このnoteも)、勉強といったいわゆる「意識高い系の活動」である。
それを1時間程度ストレスなく継続するために必要な設備は

・席のクッションと広さ
・充電
・荷物がおけること
・ほかの席との断絶

である。
そしてコメダはこのすべてを満たしている。
そう、コメダは利用者に「書斎」を提供しているのだ。
私はコーヒーにでもパンにでもなく、この書斎の利用料を支払い続けている。

魅力④ 「コメダに行ってる」という優越感

いろいろと機能的な魅力を並べてきたが、最も大きいのはこの情緒的な魅力かもしれない。
「自分、毎朝コメダでモーニングしてますねん。」
という(別に誰に言うわけでもないが)感覚自体が、なんともいえない恍惚とした自己肯定感を生んでいる。

これは「ピラティスに通っている」とか「キックボクシングに通っている」みたいな感覚に近いかもしれない。
「いろいろあるなかでそれを選んでいる自分のセンス、いいでしょ?」
みたいな感覚だ。

これがスタバだとそうはいかない。
「自分、毎朝スタバで勉強してますねん。」
は、ちょっとイタイというか、なんかこう見返りを求めて行ってる浅い感じが漂う。
これがコメダになると、別に見返りを求めずにただただ好きで行ってるという無償の愛みたいな雰囲気になる。
※決してスタバをディスるつもりはないし、私自身スタバのヘビーユーザーではある。

この何とも言えない情緒的な自分のセンスの肯定感がたまらない。
これがコメダに通うユーザーの心理だろう。

コメダがコメダじゃなくなる日

とはいえ、ある調査によると「好きなカフェランキング」でスタバ、マックに続きコメダは3位にランクインしてくるほど、その魅力の認知度は全国的なものになっている。
私の行きつけのコメダも休日には行列が出来るほどなのでゆったりした時間を楽しめるのは朝の早い時間くらいだし、今後さらにその魅力に気付く人は増えていくだろう。

そんななか私が最も恐れているのは「人が少なくて優雅なコメダ」が「人が多くていつも並んでるコメダ」になってしまうことだ。
満席のコメダなど、私の好きなコメダではない。
飲食店として満席状態を目指すという利益追求と、空席があるようなゆとりがもたらす優雅さの背反したジレンマにはコメダ自身も頭を悩ませているのかもしれないがファンとしてもそれは非常に悩ましい問題だ。

いちユーザーの私にはこんな場所で叫ぶことしかできないのだが、是非コメダには今のこのコメダ人気上昇への対処としては「値上げ」による混雑抑制と治安の維持を望んでやまない。
私はそのためなら客として喜んで高い金を払う。

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