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【音楽遍歴】1997年に行ったライブ


はじめに

1997年は音楽への興味を取り戻し始めた時期で、こちらの記事にも書いたようにそのときのシーンの音楽をリアルタイムで聴き始めた時期でした。それまでの数年と比べると、購入したCDの枚数も結構増えましたが、まだライブに足繁く行くところまではいかず、この年行ったライブはL⇔Rの1本だけ。

そして、初めて見に行ったL⇔Rのライブがキッカケになって付き合い始めた彼女との別れ話が出ている中、その彼女と一緒に見に行くという、今思い返すと中々ハードな状況でのライブになったのでした。

ライブ情報

アーティスト : L⇔R(Doubt Tour)
開催日    : 1997年5月31日
開催場所   : フェスティバルホール

出来事もろもろ

前作の"Let Me Roll It!"でブレイクを果たし、武道館や大阪城ホールといったアリーナクラスの会場でライブをするまでになり、さらには新作となる"Doubt"のリリース直後という絶好のタイミングでキックオフされたツアー。ただ、人気がバブル的に一気に膨らんだことが影響してか、新作のレコーディング中にメインソングライターでフロントマンの黒沢健一がメンタル的に不調な状態に陥ったという話が漏れ聞こえてくる中、何となくこれまでとは違う想いで見に行ったライブでした。

もちろん、一緒に見に行った彼女との別れ話が出ているというのも、これまでと違ったメンタリティの大きな要因です(笑)

このライブで印象に残っているのは、ステージ上に設置されたスクリーンに映し出される映像の使い方の巧妙さ。ライブ開始前には、会場内のレコーディングで使われたギターが展示されているブースのリアルタイムの状況が映し出されたり、バックステージに設置されたカメラではメンバーやスタッフの今の状況が映し出されたりしていて、ライブという非日常的な空間をどこか客観的に俯瞰して眺めているような感覚でした。

客席のライトが落ちると1曲目の"Pumpin' 92"が流れ始め、それと同時にステージ上のスクリーンにメンバーの顔写真とプロフィールが映し出されました。全員のプロフィールが映し出された後、画面がブラックアウトし、"Now Loading"の文字が表示されたかと思うと、その直後にステージにスポットライトが当たり、黒沢秀樹が"Talk Show"を歌い始めるという痺れる演出。スクリーンに目が行っていたこともあり、彼の登場には全く気付かず、思わず「おぉぉ」と声が出ました。

中盤を過ぎた頃、ライブデビューとなったインスト曲"Music Jamboree'95"(別名「岩しぶき」by 松本人志)が始まると黒沢健一は一旦ステージを離れました。しばらくすると、スクリーンはにロビーでくつろぐ黒沢健一の様子が映し出され、その後も演奏が続く中、受付の女の人と並んだり、タバコを吸ったり、パンフレットを買ったりとやりたい放題。この演出が、一風変わった楽曲と妙にマッチしていて、会場が異様に盛り上がりました。

アンコールでは黒沢健一はギターを指さして「これ?ギターを弾けって言ってるの?」というような戯けたジェスチャーで客席に問いかけ、その後メンバーがステージ上で打ち合わせをして、"Kansas City~Hey Hey Hey"を演奏。始まる前のモヤモヤは一時的に解けて、全体的にポジティブな印象の良いライブだったと思いました(この時点では)。

セットリスト

  1. Pumping '92

  2. Talk Show

  3. Tumblin' Down(恋のタンブリングダウン)

  4. Lazy Girl

  5. Knocking' on Your Door

  6. Hello, It's Me

  7. アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック

  8. Stranded

  9. Nice to Meet You

  10. First Step

  11. そんな気分じゃない

  12. Flying

  13. 直線サイクリング

  14. Stand

  15. Music Jamboree '95

  16. 7 Voices

  17. Hangin' Around

  18. Land of Riches

  19. Game

  20. Bye

  21. Chinese Surfin'

  22. Crusin' 50-'90's

  23. ブルーを撃ち抜いて

Encore

  1. Kansas City~Hey Hey Hey

おわりに

結局、このライブの後、L⇔Rは活動中止を発表し、2016年12月の黒沢健一の逝去によって、このライブが生で見たL⇔Rの最後のライブになりました。イマジネーションに溢れ、次はどんなことをしてくれるのだろうと思わせてくれたライブだったこともあり、本当に残念でなりません。

彼女もずっと楽しそうにしていて、途中で「やっぱり好きだなあ」とつぶやいた言葉に僕は都合の良い深読みしてしまったけれど、残念ながら「もしかしたら別れ話を撤回させられるかもしれない」という未練タラタラの一縷の望みは叶わず。日常の現実は残酷です。

この年のライブはこの1本だけでしたが、翌年から月1回くらいのペースでライブに行くようになります。ライブレポートのネタは手元にあるのですが、全部書くのは大変なので、面白い出来事のあったライブをピックアップして書いていきます。

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