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【読書百冊 8/100】ぜんぶ、すてれば。/中野善壽(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

中野善壽さんは1944年生まれの経営者で、伊勢丹を経て鈴屋で代表取締役専務を務めた後、台湾に渡り、現地の百貨店の要職を歴任した後、2012年からは寺田倉庫の代表取締役社長として天王洲エリアの再開発に大きな手腕を奮った、という方です。

それだけ聞くと、とても厳しい経営の鬼、みたいな人のようですが(実際そうなのかもしれませんが)ご本人の哲学は「執着しない」こと。

たとえば、車や時計には全く興味がなく、服も旅行に行って現地で買ったらすぐに捨ててしまう、という具合で、基本、何も持っていません。お金にも執着がなく、まだ社会人になりたてのころから、稼いだお金の3分の1は誰かに寄付してしまっていたそうです。

過去の思い出も、すべていらない、と言います。

しかし、仕事に対する実力は相当なものなのでしょう。

52歳の時、代表取締役専務を務めていた鈴屋をぽんとやめ、ほとんど何も持たずに台湾に渡ります。人脈も地縁も何もないところから、たちまちのうちに現地の人の信頼を勝ち得てしまいます。

社長になった寺田倉庫でも、朝礼朝改で相当部下の人を振り回したようですが、結果、大きな成功を収めています。

経営者といえば、お金に強い執着があり、強欲、身勝手、という側面のある人がほとんどです。が、たまに、こういう仙人のような、お坊さんのような経営者の人がいます。経営に成功する、というのはいろいろな形があるものです。

ちなみに、この本はMoonshotの 菅原 健一さんにおすすめいただいて読みました。

Clubhouseで「なんか、何目指して生きたらいいんですかねえ」みたいな漠然とした質問をしたときに、教えてもらいました。

何かを目指す、ということでいうと、この中野さんは特に何も目指していません。ただ、いまやるべきことをただ一生懸命に取り組んできた。という人です。なるほど、そういう生き方もありだなあと思いました。

すがけんさん、ありがとうございました。

購入はこちら ぜんぶ、すてれば

#読書百冊2021 #ぜんぶすてれば#中野善壽

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