地方でジャズピアニストやってます18

地方でジャズピアニストと言ってもジャズだけでは当然食えないわけで。
でも基本なんでもありなスタンスなので呼ばれると行き、頼まれるとなんとか熟し一つ一つを丁寧にやってきたつもり。たまにダメをいただくこともあるがそれは自分が勉強不足だったせい。
自分は聴いてきたレコード、CD、見たライブなど全てが先生であり師匠と思っている。

CD1枚目と2枚目の演奏に差があるという話を前にした。これはクラシックを始めたから。
夜店でソロピアノを始めて自分の演奏をより確実なものにしたくなった。何を隠そうほとんど独学で来たのだから。
奏法も見よう見まねで探りながらだったので一度はちゃんと習いたかった。
その時に私としては本当にいい先生に巡り合った。
仙台の「渋谷篤」先生。芸大からジュリアード卒というちょーエリート。月一で盛岡にレッスンしに来ているところに潜り込ませてもらった。
最初はツェルニー30番、これが効いた。それまで探りながらのことが一気に解決できた。
音楽家としてのスタンスや振る舞いなどもレッスンの合間に話してくれた。
当然クラシックの楽曲もレッスンしてもらった。人前で弾くことはないが教養としてこれくらいはできてもいいんじゃない?というレベルで見ていただいた。
どのみちコンサートピアニストになれるはずもないし。
それまで弾いたことのなかった楽曲を沢山弾くことができた。
何度か盛岡でのコンサートを聞きにいったり言ってみれば世界レベルの演奏。
ある日のレッスンではお手本を弾いてくれた。目の前で世界トップレベルの音を聴いた時はあまりの違いに衝撃を受けた。

クラシックを習ったこと、色々お話を聞かせてもらったことはその後のミュージシャンとしての立ち振る舞いなどにずいぶん影響をうけた。
習ってなかったらきっと中途半端ないけていないピアニストだったに違いない。
ピアノを弾くということについての意識が相当変わった。

そんな演奏をしたCDを聞いたキャットのアッキーが開口一番「音が変わったね」と気がついてくれたのは今でも覚えてる。

習ったのは20代後半から。普通に音大卒なレベルの人は幼少の頃から1日何時間と弾いている。そんな人には到底及ばないがせめて昔やってこなかった事を取り返そうと日々練習に明け暮れる様になった。

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