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Amazonprime配信記念!ドラマ『おいしい給食』の魅力について

松重豊さん演じる井之頭五郎がひたすらに美味しそうなご飯を食べる『孤独のグルメ』から始まった空前のグルメドラマブーム……というより飯テロドラマブームは現在ではワカコ酒やめしばな刑事など食事のジャンルや職業が枝分かれして制作され、まさに群雄割拠状態となっています。
そんな中『給食』というほとんどの人が通ったであろう食事体験に焦点を当てて飯テロドラマとして昇華させたドラマ『おいしい給食』が面白いんですよ。

『おいしい給食』の魅力とは
『おいしい給食』は親の作るご飯がまずいということで唯一それ以外のご飯が食べることが出来る給食が大好きな教師、甘利田幸男と同じく給食が大好きで、より美味しく食べるために様々なアレンジを思いつくアイディアマンこと神野ゴウがバリエーション豊かな給食を喰らい尽くすドラマです。

このドラマの魅力はやはり食のテーマが給食ということにあるでしょう。
給食は先程も言った通りほとんどの人が食べたことがあると思います、そしてこのドラマに出てくる給食もカレーライスやソフト麺など飾り気のないごく普通の給食です。だからこそ「あ、このメニュー好きだったな」とか「こんな風に食べたな~懐かしいな」と昔給食を食べた記憶を思い起こしながら、楽しそうに食べる教師と生徒に共鳴しながら見ることが出来ることだと思います。
これは『孤独のグルメ』などの実際にあるお店で撮影した飯テロドラマにはない魅力だと思います。
そうやって、懐かしの給食を見ていくうちにどんどんこのドラマにはまっていきます。

このドラマの魅力は懐かしの給食だけではありません、それは先生甘利田先生と神野が繰り広げる壮絶な給食バトルをメインに添えた学園ストーリーである。
給食バトルと言っても、余った給食を手に入れるために肉体派の市原隼人が争うようなドラマではありません。
舞台は1980年の田舎の中学校、給食大好き甘利田先生を演じるのは熱血だけどどこかクールなイメージを漂わせる市原隼人さん。校則に反した生徒がいないか厳しい目で朝校門に立ち容赦なく叱責する、現在のコンプラだとちょっと処罰くらいそうだなと突っ込みたくなるようなところもありますが、実は誰よりも公平な目線で生徒を見守っている先生です。
そして、給食が何より大好きで、職員室にいる時は給食の献立を眺め、食べるイメージを膨らませる、生徒の事を考えている時間よりも給食のことを考える時間のほうが長い先生というキャラです。
食事前の校歌を腕を振るいながら高らかに歌い準備運動は完了、給食シーンでは飯テロドラマではお馴染みとなっている表情豊かに、しかし黙々と食べながら、ハイテンションで食べ物の感想を語るナレーションをつける演出をしており、普段は厳しい先生が給食シーンではウキウキで食事をする振り幅の大きい役を演じる市原隼人さんがとてもいいです。

もう一人教室には給食大好きな人がいます、それが生徒の神野ゴウくん。
神野ゴウは真面目で大人しい生徒だけど、彼もいつも給食の事を考えているせいで口角が緩んでいます。休み時間は友達と話すことはなく給食をどうアレンジしようかイラストにして考えていて、そんな姿をミステリアスに思い、結構女子には話しかけられているシーンが多い不思議な少年です。
そんな少年は給食になると、休み時間中に思いついた給食アレンジ法を実践します。例えば第2話で筑前煮が出る回では筑前煮の具材をスプーンで細かくしてから余った食材を美味しそうに食べます、神野がどうアレンジするのかはドラマを見て欲しいので紹介しませんが、毎回完成をするとどや顔で甘利田先生に見せつけ、先生は「うまそげじゃないかーーー!」と、とんでもなく驚きます。
甘利田先生が出された給食を食べながら「また神野が変なことをしている」と小ばかにしていると、食べ終わった時に自分も実践したくなるようなアレンジメニューを考案して見せつける神野に敗北するという構図は自由な発想を持った子どもの神野が正義役として、甘利田が凝り固まった価値観や経験則で動いてしまう悪役ともとれるような大人を倒すという皮肉もかかった流れになっているが面白いです。
さらに、交通安全教室やクラスのレクレーション、同級生の転校など学校のイベントに絡めた話が2人の対決にも繋がっていて物語としての1話あたりの完成度が非常に高く30分ドラマとは思えない充実感があります。
特に9話の話は同じく新世紀エヴァンゲリオン9話でアスカとシンジが心を通わせて使徒を撃破する『瞬間、心重ねて』に通じるシーンがあり非常に熱い展開でした(笑)

まとめ
『おいしい給食』を見て一つ後悔が生まれました、それはもっと給食を食べておけばよかったなと思う事です。正直私は給食を残すことがありましたし、そこに罪悪感はありませんでした。しかし、ドラマを見てからはなんであんな楽しい顔で食べなかったのだろう、たしかに給食は栄養重視でお店や家の味には劣ることもあるかもしれないけど、楽しみ方1つで変わってくるのかなと気づかされました。
その経験の食育を吸収して、何かに活用していきたいと思います。また、コッペパンに頬擦りするなど甘利田先生のオーバーな食事シーンや、そのアレンジはアリなのか?と反則気味なアレンジをする神野くん回などありますが食育として学校現場でも是非見て貰いたい作品です。

今年の10月にシーズン3も放送されるみたいなので、Amazonprimeでシーズン1と2が配信された今をきっかけにしてご覧ください。
p.s.映画もありますが、こちらもストーリーが凝っていて面白いです。




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