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ちょっと長いおはなし

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普段のショートショートよりちょっと長いおはなしをいれていきます。 ちょっと長い、といっても数分で読めるので暇つぶしでも。
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『箱』〘の〙【中】[には]〚宝物〛

『第一章』▤宝箱 おじさんはとても笑う人だった いつも笑っているのだが、にやにやと笑っているので親戚のひとが少し ひいていたのを覚えている でも僕はおじさんが大好きだった あるとき、おじさんの家に遊びに行ったとき、おじさんは机の上に薄い四角い板みたいなものを置いて、両手の指で沢山あるボタンを押していた 「それなぁに?」 僕が尋ねると、おじさんはにやにやしながら僕を見て答えた 「これはボクの秘密の宝箱だよ」 僕はきょとんとした あれれ?これって板じゃないの? ❒板か箱

ある日、雨の日、停留所で

ん? 何かが鼻先にあたって ふと上を見たら目に何かが入った 「ぎゃっ」 目をこすって前を見ると周りにいた人たちがこちらを見ていた どうやら声が大きかったらしい いや、それどころじゃない さっきまで降っていなかったのに急に雨が降ってきた 周りの人たちは全員何故か傘を持っていたがあたしは持っていなかった 辺りを見回すと屋根付きのバス停があったので全速力で走っていってバス停に駆け込むと中に誰かがいた やばいヤツと思われてないかなと思いながらふと相手を見ると知った顔だっ

あなたと私の夜

あなたと私================================== ある日、あなたは唐突に私に聞いた 夢って何なんだろうね え? 人はなんで夢をみるのか気になってさ うーん・・・ 次の日に眠くなるから? それは眠る理由でしょ そうじゃなくて夢をみる理由だよ ますます意味が分からない あなたは時々、意味が分からない質問を私に聞いてくる 大抵、私は相槌をうつだけで、あなたはどんどん話を進めていく でも、話を聞くのは嫌いではない あなたはどう思ってるんで