2章■RIG-Iヒト肺細胞において RIG-I が SARS-CoV-2 に対する自然免疫センサーであることを発見。

細胞内ウイルスセンサータンパク質LGP2が、RNAサイレンシングの促進因子であるTRBPと相互作用することで、特定のマイクロRNA群の機能を一斉に制御する TRBPは特定のマイクロRNA群と結合していることを明らかにした それらのマイクロRNAは特定の遺伝子群の発現を一斉に制御

SARS-CoV-2のNSP5とNタンパク質が、 抗ウイルスストレス顆粒(avSG)の形成を抑制することを見出した。


ストレス顆粒
細胞が低酸素、感染、異常蛋白質の蓄積、熱ショックといったストレス状態下に置かれた際にストレスに応答し、細胞質中に生じる100nmから200nm程度の凝集体

RLRが、ウイルス感染時に一過的にウイルスRNA及び抗ウイルスタンパク質と共にストレス顆粒( SG)に局在 SG 形成を阻害するとRLR を介した I 型 IFN 産生を含む抗ウイルス応答が著しく抑制 avSG、 SG mRNA や様々な RNA 結合タンパク質などが凝集した膜を持たない構造体

※※
ウイルス RNA センサー RLR による
感染検知とストレス応答

https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/51/1/51_17/_pdf/-char/en

ATRAはRIG-IとIRF1をアップレギュレートすることにより ウイルス感染細胞におけるIFN-I産生を相乗的に増強 ATRAがRIG-Iの発現誘導とは無関係に新コロ複製を強力に阻害する (ATRAがRIG-Iに依存しない抗ウイルス効果を示す)

ATRAは3CLproの活性を50%以上阻害する化合物であった ATRAが他のレチノイドと比較して強力な新コロの3CLpro阻害効果あり 高濃度で細胞毒性も示さなかった ATRAが新コロに対する潜在的な抗ウイルス剤となり得ることをここに明らかにする

RIG-Iの発現、誘導にRARシグナルが必要 RIG-IはIRF-1によるそのプロモーターの転写調節を通じてIFNによってアップレギュレートされる ATRAはIRF-1を誘導するだけでなく その核内局在や特定のプロモーターへの結合を増加させる この効果はRARα依存的な経路で起こるようである


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