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アニメファンの端くれが「傷物語」を2回観ただけ

こんにちは。ノート2回目の投稿となるケンケンです。

今回もヘッダー描いてるのでぜひ見てやってください。



うわ!ホントに見てくれるなんて!どうもありがとうございます!


キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼。

すみません。文字感が気持ち良すぎて何回でもかけます。

キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼。

読むのも楽しいのではないでしょうか。

傷物語というのは、西尾維新の強い趣味性の原液が滲み出たボーイミーツガールの傑作といって間違いない作品です。
原作は講談社BOXから出てるやや高級な装丁が施された赤い本📕で、読んでると一発でバレます。

僕は最近原作を進められて手に取ったのですが「これ!面白いけど、どこが面白いのかわかんね!」という一番面白い感想が出てしまった為に沼にハマってしまったのです。
何だろう。作品全体から微かにただようジャンプ感、王道を守ったストーリー。価値観逆転のギミック。
非常にスッと入ってくる。
僕の心にすんなり入り込んだ要因は何なのか。

多分、程よい中二感と、独特の文体の読みやすさだと思います。ネーミングセンスが気持ちよくって敵三人の名前に刃物の名前が付いてる遊び心とか、森見登美彦にも似た文体のひねくれ具合とかも、絶妙にマッチしてる感じです。バランス感覚がいいんでしょうか。多分、西尾維新以外の作家がやると単にダサいだけになりそうですよね...
長すぎるヒロインの名前とか

原作についてはこのぐらいにして。


無理だ...これは映像化は無理だ...

どうやって再現するんだろう。そういう期待感と緊張感を持って劇場に入りました。

鑑賞中………観賞中………観賞中………


すごい。

すごい。えいぞうがかっこよかった。
なんてすばらしいんだ!おいしかんとくすげぇ!

げ……原作を大胆にカットして、純粋な怪異モノとして様変わりしているではありませんか!
和製ホラーとしてまとまってる!

個人的に羽川の"素晴らしい"シーンが全カットされてるのは気になったんですけど、それを補って余りある画面のセンス!

具体的にはキャラと背景の建物の対比とか。建築の巨匠、丹下健三氏をモチーフにした建物の背景に、暗めで陰湿な色を乗せたイイ感じの場面が、144分間流される訳です。
全編を通して暗い世界観を説明してくれてますよね。セリフとかじゃなくて映像で。
こういう、画面が背中で語ってくれる映画、すきです。

あと秀逸と思ったのは、情報の出し方です。
原作では暦くんの独り言に結構な分量がさかれてるんですが、これも思い切って端折ることにより、映像を見せることに力を入れてるんだと思います。

多分音消して見ても画面の情報量の多さだけで見れます。
夜という限られたシチュエーションを、こうも多彩に描けるんだよ!(迫真)と言われた気がしました。

こういうアート的な表現は意味不明な映画になりかねないと思うんですが、「物語シリーズ」という作品は、"ただの会話"の間を持たせるために情報量の多い表現を使ってるので、結果として良いバランスになってるんかなぁとか思います。

これも原作の会話ベースの作風あってこそだと思うので舌巻きます。シャフトの方々も試行錯誤しててすごいと思います。

最近まどマギも見てますがさすがシャフトですね。

背景美術についてやたらと書いてますけど、アニメーションももちろんすごいです。
キスショットとの衝撃的な出会いは、今作トップクラスの原作良改変じゃあないでしょうか。

地下。無人。人工物と生々しい血の対比。それを支える音楽。 

の、非日常的な演出。

こういう細かな雰囲気作りが、現実と切り離された暦の心情を代弁してるので、映画全編から暦の独白をカットしても心情が読めるんですよ!

アニメーションも、背景美術も、背中で語るためにあるんです。多分。
こういう「読み取ってくれ。」
という製作陣の鑑賞者に対する信頼は非常に、十分に、金品献上に、値します。
という理由で、2回見てきました。コンテも買っときました。

2月も終盤に差し掛かってるので受験目前です。しかしコンテは読みたい!尾石演出を摂取したい!誰か助けてくれ!


という事で駄文にお付き合い頂きありがとうございます。観てない人はぜひ観てください



あとエピソードが「ハハハハ」って笑いながら画面に迫ってくるシーン。あそこの作画が誰かわかる方いませんか。知ってたら教えてください。

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