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眠らなかった朝に。

わたしは承認欲求の塊なので褒められるのが大好きだ。褒められるのが嫌な人はいないと思うけど。

ありがたい事に、わたしに声をかけてくれるお客様がいらっしゃる。

わたしはサービスに入るわけでもなく、名刺を渡すわけでもない。電話で苗字をちょっと名乗るだけ。
接点としては少ないのに、昔からの知り合いのように「〇〇ちゃん」と愛称で呼ばれる。

わたしは名前を呼んでもらうのも好きなので、たいへん光栄だと思っている。フロアを歩いていて呼び止められると喜んでうかがう。

なかでもわたしのお気に入りの褒め言葉がある。

「さすがだね!すごいね!〇〇ちゃんのおかげでこの店は回ってるね!」

全然そんなことはないのだけれど、そう言って貰えるととても嬉しい。
容姿・声などを褒めてくださる方はいるけれど、ストレートに仕事ぶりを褒めてくださるのは1人だけ。
だから、わたしにとって少しだけ特別で、会えると嬉しい。

比較的長いお付き合いとはいえ、数年程度。
実際に会うのは年に数回。
スタッフの名前を覚えない事で有名な方である。
正確には、名前を呼ぶほど気に入る事が少ないのだと思う。
少しだけせっかちで、少しだけ気難しい。
わたしは気にしたことがないけれど。

特別なことをしたわけではないが、お好みを覚えて素早く対応するところを気に入られている。
特に何もしてない日でも「今日は無理言ってごめんね!ありがとうね!」で登場される。
わたしが異動した時も配属先に来てくださり、ちょうど骨折してると言えば「聞いたよ!大丈夫なの!」と心配をしてくださった。

最近お会いしていないけれど、お元気だろうか。


褒められるなら、なにを褒められたら嬉しいかなと考えていたら、ふと思い出した。

わたしの大好きな人にも、たくさんの嬉しいをあげられたらいいな…… とぼんやり思った、夜勤明けの朝。

今日もわたしに優しい人たちが幸せでありますように。



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