ピルの話。

昨日から体調がなんとなく悪く、体に熱がこもって上手く抜けない感じがした。
蒸し暑い日で変な汗もかいていたので熱中症かなと思い、水分と塩分を摂りつつ仕事をして、帰ったら気絶するように眠っていた。

気づいたら今日も朝6時。
お休みだからゆっくり眠ろうと思っていたのに。
気分は悪く無いけどなんだか違和感があると思ったら出血が始まっていた。

わたしはピルを飲んでいる。
月経困難症と診断名がついているが、生理痛やその他の体の不調、気分の落ち込みとんでもなく酷くて生活に支障をきたす。

先に結果を書いておくと、ピルを飲み始めて生活は段違いに楽になった。普通に起き上がって仕事に行けるし、生理用品の使用量が全然違う。
もちろんリスクはあるし、もともと飲めない人もいるだろう。
でも知らない人には知ってほしいし、同じような悩みを抱えている人に選択肢のひとつとして伝えたい。

遠い記憶を辿りながら書くのと素人のうろ覚えのため、なんとなくで読んで欲しい。

困っている方は、まずは専門医に相談を。


ピルを飲み始めるまで

わたしは長らく生理不順と酷い生理痛に悩まされていた。あまりに生理がきちんと来なさすぎて、遂に大学の健康診断では「未成熟なのでは」と言われてしまった。
それでも就職してしばらくは気にせず働いていた。
ストレスで食欲がなくなって痩せる事が多く、一段と不順になった。平気で半年来ないかと思えば、1ヶ月くらいダラダラと出血して止まらない事もあった。

子どもの頃からその都度病院にかかってきたが、なんせ田舎である。まず、婦人科に行きにくい。
高校生の頃、あまりに出血が止まらず大きな病院に行ったが、薬の副作用が強かったことしか覚えてない。酷い吐き気と眩暈に悩まされたが、担当医と看護師は「そんなの、よくあることですよ」と言うかのように笑っていた。
就職してからもよく分からないので大きな病院に行ったが、検査が痛かったことしか覚えていない。

薬を飲むと一時的に周期は整う。でも、すぐにまた乱れる。

実家で栄養バランスの良い食事を摂って規則正しい生活をしていた時もそうだったので、原因はそこでは無い気がする。

でも、誰もどうすればいいか教えてくれなかった。
ストレスと言われれば、それまで。
「ストレスや過労に心当たりがありませんか?」と聞かれて、無いですと言える人の方が少ないと思う。誰にでも当てはまる、便利な言葉。

25歳を過ぎるまで、そんな生活をしていた。
生活の9割は不調だった。
生理の1週間だけでなく、前後も不調。
いつもどこか痛いし、なんだかモヤモヤする。
生理前は理由もなく悲しくなり、怒り、落ち込む。

生理が始まると痛みが酷すぎて起き上がれない為、「そろそろかな」と思ったら鎮痛剤と水を枕元に置いて眠る。痛みで目が覚めたらとにかく薬を飲み、痛みが引くまで布団で丸くなっていた。立ち上がるのも無理な時には、這ってトイレに行っていた。 

鎮痛剤も強めのものしか効かず、上限まで飲んでも足りなかった。1日は24時間あるのに、MAXが3錠では計算が合わない。
体を温めたりストレッチをしたり、良いと言われる事を試したが効果なし。

どんな痛みか聞かれた時、わたしは「内臓を引っ掻き回されるような痛み」と伝えていた。誰かがお腹の中に手を入れて、わたしの中を掻き回して引きずり出そうとしているかのような感覚。
引っ張られるように、お腹も壊してずっとトイレに篭ることになっていた。出血量も多く、とにかく不快。
貧血でないことだけがせめてもの救いだったが、それでも生理中は顔色がまっしろだった。


ピルを提案してくれたお医者様の話

転職してしばらく経った頃、また生理が来なくなった。お馴染みの6ヶ月コース。
妊娠については心配していなかった為、そこまで放置していた。ただ、半年ともなると少しは気になる。生理は来ない方がありがたいが、きっとそういう問題では無いのだろうと思い、婦人科を探した。
今までの病院で少なからず不快な思いをしてきたため、病院選びは慎重にした。

当時は地元を離れ、中規模くらいの場所に住んでいた。
東京ほど都会では無いが、病院はたくさんある。
駅前で職場からも通いやすい場所が良かった。
でも一番はお医者様だ。誰に診てもらうか。
女性医師にも診てもらった事があるが、同性だから対応が良いとか共感してくれるということはなかった。そのためお医者様の性別は関係なく、口コミで高評価の病院を探した。
口コミも100%は信用できないにしろ、他人の評価が知りたかったし、たくさんの人が利用している病院が良かった。
「予約しても長く待つ」と書いてあったが、それだけ人気なら申し分ない。体調さえ悪くなければ、待つのは気にならない。

選びに選び抜いて、あるレディースクリニックを予約した。初診の予約はそこまで取りにくかった記憶はない。
駅前の雑居ビルに入っている小さな病院。
内装や設備は綺麗で、受付の方や看護師さんも穏やかで優しい。
お医者様は1人だけで、中年の男性だった。髪の毛を金髪のような明るい色に染めていて小柄で、いつもニコニコしていて、余計なことは言わないけれど相談すればきちんと答えてくれる人だった。内診も痛くなかったし、嫌な思いをした事がなかった。
予約しても長く待つ事はあったが、気にならなかった。
きっとこの先も、あの先生以上のお医者様には出逢えない気がしている。

問診と検査

初診の日、問診で生理が来ていない事と今までの事を話した。合わせて他の病気にかかっていないか、一通りの検査もした。おそらく、初めての子宮頚がんの検査をしたのもこの時だと思う。
「もしかしたら子宮内膜症かもしれないけど、場所が微妙すぎてわかりにくいから次回もう1回診せて欲しい」と言われた。

検査結果を聞くために次に行った際に、ピルを提案された。再度内診をして、とても小さいけれど子宮内膜症である事・子宮が後ろに傾いているため痛みが出やすい事・他の病気については該当がない事を聞いた。
長らく苦しんでいる事は話していたので、ピルを飲んでみてはどうかと提案された。
実はわたし自身も調べていたので、そのまま手続きをした。

随分前の事なので細かく覚えてないのだが、ピル処方のための問診票を書き、注意事項の説明を受けた。最初は吐き気などの副作用が出るかもしれないと言われたが、今までの薬でも経験していて想像はついた為、抵抗はなかった。リスクについても説明されたが、薬を飲むのだから何だって同じだと思った。

わたしが飲んできたピルについて

長らくお付き合いしているが、何種類か切り替えながらここまで来た。
切り替えた理由については、なにか重い副作用があったわけではない。

  1. ルナベル

  2. ヤーズ

  3. ヤーズフレックス

  4. ドロエチ

ルナベル
最初に処方されたピルで理由ははっきりと覚えていないが、子宮内膜症の治療に向いていたのではないかと思う。

飲み始めて1〜2ヶ月は吐き気があり、寝込むほどではないにせよ、仕事をこなすのが大変だった。ホルモン量をいじるのだから仕方ないなと思って、酸っぱいものを食べたり飲んだりしながらやり過ごした。

2ヶ月くらいで落ち着いて、生理痛も軽くなり出血量もかなり減った。「こんなに楽になるなんて!」とびっくりしたのを覚えている。
おそらく2〜3年くらいは飲んでいたと思う。
肌荒れが気になり相談したところ、「ピルが原因ではないと思うけど、新薬が出たからそちらにしないか」と言われたため、切り替えることになる。

ヤーズ
超低容量ピルだから切り替える時の吐き気とかは無いと思うと言われ、実際に無かった。
超低容量が故に飲む時間がズレると良くないため、時間はしっかり守るようにと言われた記憶がある。
わたしはよく忘れたりズレたりしてしまう為、たまに不正出血をしたり出血が飛んだりした。そういった時でも相談すれば良かったし、時間を守れば大丈夫だったのであまり心配はしなかった。
良い子のみんなは服用時間を守ってほしい。

ヤーズといえば、血栓症で亡くなった人が出て有名になったピルでもある。
リスクがあるのは承知の上で、気をつけながら飲んでいた。わたしは喫煙しないし、お酒もたくさんは飲まない。水分をたくさん摂り、デスクワークの際は小休憩で動き回るようにし、気になる事があれば検査も受けた。
「まだ若いし大丈夫だと思うけど」と前置きされながら、頭部MRIと下肢静脈瘤の検査を受けたのもこの時期である。両方とも異常なしだったが、身体の違和感には敏感でありたい。
ヤーズは一番長く飲んでいたが、コロナ禍で輸入がうまくいかず在庫がなくなると言われ、ヤーズフレックスに変更になった。

ヤーズフレックス
ヤーズと同じように24日飲んで4日休薬するという飲み方もできるし、休薬期間をなくして連続で飲む事もできる。上限の日数はあるものの、うまくいけば出血回数が減り、かなり快適になる。

ただし、わたしは前述した通り時間管理が雑だったため、ヤーズフレックスの良さを活かしきれなかった。結局1ヶ月半くらいで出血してしまい、それなら他のピルでもいいのではないかという話になった。
ヤーズのジェネリックが出たので、安いしそちらにしてはどうかと提案されたのが、今飲んでいるピルである。

ドロエチ
ヤーズのジェネリック。
成分は同じだが、それを包みんでいる材料が違うため、人によっては効果の出方が違うかもしれないと説明された。
また切り替えた人の中には頭痛や吐き気を感じた人もいるので、気になる事があれば相談するように言われた。

飲み始めて半年経っていないが、ヤーズとの差は感じていない。切り替える際の不快な症状も無かったし、なにより安いため長くお付き合いしている身としてはとても助かる。

つらいことは我慢しなくていい

あとで知った事なのだが、どうやらあの痛みは異常だったらしい。
意外と自分では気づかない。
ずっとそういう仕様で生きてきたし、他人の痛みと比べることはできない。
わたしの痛みがどのレベルなのか分からない。

わたしはわたしの痛みに気づけない。
周りもわたしの痛みに気づけない。
わたしもあなたの痛みに気づいてあげられない。

自分の事は自分にしか分からない。
誰かに合わせる必要などなくて、自分の痛みは我慢しないで欲しい。
生理に関する事だけでなく、つらいことは我慢しなくていい。

様々な痛みで悩んでいる優しい人たちが、少しでも楽に過ごせますように。




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